甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年2月13日

(平成21年2月13日(金) 9:29~9:40  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 どうぞ。

2.質疑応答

(問)郵政民営化をめぐる麻生総理の一連の発言について、小泉元首相は、昨日、「笑っちゃうぐらいただあきれる」と強く批判されました。また、小泉元首相は、2次補正予算の関連法案についても、衆院での再可決に慎重な考えを示されましたけれども、今後の政権運営などにどのような影響があるとお考えでしょうか。
(答)まず、その前に、麻生総理の郵政民営化に関する発言ですけれども、麻生総理は当時、いろいろな懸念を抱きながらも、閣僚として民営化に賛成をされたわけです。賛成をした以上は、何としてもこの民営化を成功させなければならないという思いがおありなのだと思います。
 そこで、見直しの期間を迎えるに当たって、より良き民営化に向けての改善点があるならば、党内外から提案してほしいという思いなんだろうと思います。それがもう、総理特有の伝達の仕方で、逆説的に伝わったのではないかと思っております。
 そこで、小泉総理の御注意でありますが、賛成した以上、その趣旨に向かってしっかりと責務を果たしてもらいたいというお話を、小泉さん流にお伝えになったんだと思いますから、これは真摯に受け止めて、誤解のなきように取り組んでいただくということだと思います。
 それから、定額給付金のことに関しましては、これは与党内手続が終わって、もう既に国会に提出をされていることであります。これは、粛々と国会の議を経て、実行されるということがよろしいと思います。政府としては、景気回復のためにあらゆる手を尽くすということが、課せられている責務だと思っています。
(問)今回の小泉元総理の発言で、与党内の麻生下ろしに拍車がかかるのではないかという見方もあるのですが。
(答)小泉元総理は、小泉元総理なりのレトリックで、政府にハッパをかけ、党内を引き締めてこられました。今回も総理は、麻生内閣、しっかりするようにと。それから党内は、国民の目線に立って、やるべき課題をしっかり解決するために邁進せよということを、小泉流の表現でおっしゃっているんだというふうに私は受け止めております。
(問)小泉総理は、総理の発言に信頼がなければ選挙は戦えないというような発言をされていますが、どのようにお聞きになりましたでしょうか。
(答)印象として、総理の発言が、聞く側にとって二転、三転しているというような印象を与えないような、そういう伝達の仕方ということを考えていかなきゃならないんだと思います。
 小泉さんの人気は、言った以上、もう微動だにしないという、その印象が、政策の内容を超えて安定感につながったという点があるんだと思うんですね。そういう小泉さんの目から見て、「麻生総理の発言がぶれているように映るのはよくない。伝え方を工夫せよ。」という先輩からのアドバイスではないでしょうか。
(問)そうは言っても、甘利さんは小泉流のレトリックだという理解をされても、党内ではそうではなく、若手を中心に小泉さんの言葉を額面どおり受け取ってしまって、再可決についても躊躇するような場面も出てくるのではないかと思うのですが。
(答)小泉元総理のこの叱咤は、これはもう真摯に受け止めなきゃならないと思います。多くの国民が心配している点と共通しているところがあるんだと思いますから。そこは真摯に受け止めて、小泉総理が「自分の言い回しをよく理解したな」という評価をいずれいただけるように、内閣として頑張んなくちゃいけないと思います。
(問)甘利大臣御自身は、定額給付金は3分の2を使って再可決すべきと思いますか。それとも、小泉さんは、野党との修正協議もということで、昨日、御発言されたのですが、どのようにお考えでしょうか。
(答)もう国民は、いろいろな思いを抱きながら、これを織り込んでいるんですね。今、選挙区に帰りますと、「じゃあ具体的にいつですか、支給されるのは」と。いろいろ批判的な方も、「受け取りますから」とおっしゃっていますから、そこでまたいろいろ変えていったら、それこそまた、ぶれたという話になると思うんですね。これは、もう決められたとおりに粛々とやっていくべきフェーズに入っているんだと思います。
(問)小泉元首相の、郵政民営化を進めるために自ら再登板するというような可能性について、どのようにお考えでしょうか。
(答)いや、再登板をされなくても済むように、ちゃんと民営化を成功させていきますから。
(問)小泉さんは、今、大臣がおっしゃったように、ぶれない印象があったということなのですが、そうした場合に、定額給付金は3分の2を使ってやるようなことではないという発言をした以上、賛成しないのではないかという見方もあるのですが。
(答)それでぶれるかどうか試しておられるんじゃないですか、小泉総理は。
(問)麻生さんの独特な言い回しが、ぶれている印象につながるという話でしたけれども、それを改善する方策というのは、何かあるのでしょうか。
(答)いろいろなアドバイスがありますよね。総理は、基本的に人がいい人ですから、人から言われたことは、1回、ダムにためておいて、それでいろんな人から言われていることの精査をしながら情報発信していくべきだと思うんですが、「こうしたほうがいいですよ」と言われたときは、素直に受け止めてしまわれる部分が多いんじゃないですかね。見てて、もういろいろなことを総理ですから、いろいろな人から言われます。正反対のこともあると思いますけどもね。いい点をどんどんとろうとする性格が出過ぎるんじゃないですかねえ。1回受け止めて、しっかりと誤解を与えない道筋を立てて、その後に情報発信されるといいんだと思いますけども。その辺は周辺が、事務方が、そういう役をやるんじゃないのかなと思うんですけどね。

(以上)