甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年2月10日

(平成21年2月10日(火) 9:58~10:14  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私からはありませんが、どうぞ。

2.質疑応答

(問)まず、麻生内閣の支持率についてですけれども、報道各社の世論調査で軒並み10%台になるなど、低下傾向に歯止めがかかっていないわけですが、どんどん下落している現状、その要因をどのようにとらえていらっしゃるのかということと、今後の見通しというか、今後、反転するようなきっかけがどういうところでつかめるとお考えかどうか、教えてください。
(答)まず、下落傾向にまだ歯止めがかかったということにならないということは真摯に受け止めるべきであります。この原因をしっかりと分析をして、その原因にきちんとこたえていかなければならない、対処していかなければならないと思います。毅然たる姿勢を示して、やるべきことを明確に国民の皆さんに御提示するということが大事だと思います。ぶれているという印象を当事者の意図とは別にそういう印象を与えてしまうことのないように、説明の仕方にも注意を払うということが大事だと思います。
(問)次ですが、郵政民営化をめぐって総理の発言なんですが、総理は先週の予算委員会で、当初は民営化に反対だったという答弁をして、昨日になって最終的には賛成したというふうに発言されました。こうした総理の発言をめぐって、野党だけでなくて、与党内からも批判の声が上がっていますけれども、甘利大臣はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(答)総理の郵政民営化に対する御自身の思いと、今持っている問題意識を整合性がとれるような説明の仕方にもう一工夫あればよかったなと思っています。総理御自身はいろいろな視点から最終的にこの民営化の方向が正しいという理解のもとに賛成をされたわけであります。ただし、民営化をしていく中で、当然法律には見直し規定もあります。当初、国民の誰もが期待した民営化があらまほしき姿に向けて、改善をすべき点があれば改善をしていくべきという、そういうお考えなんだと思います。その説明手順が前後していると国民の皆さんに対して誤解を与えることになりますから、民営化の方向性は正しいと、その方向性を当初全国民が期待したような効果がよりあらわれるように現状指摘されている問題点をどう改善をしていくかというのが国民が期待する正しい民営化のあり方という本来は説明をされるところなんだと思います。それが前後が入れ替わったりしますと、本意が伝わらないということになるんじゃないでしょうか。
(問)次ですが、また所管外なんですが、日本郵政のかんぽの宿をめぐる売却の問題で、鳩山大臣が昨日入札のあり方に疑問を呈していらっしゃいまして、もしくは、そもそも入札ではなかったんではないかという見方も示していらっしゃるんですが、大臣、この一連の経緯をどのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。
(答)今日鳩山大臣と閣議前にちょっと雑談をしまして、新聞の投書コラムの中にお客さんがかんぽの宿に来られたときに、そのかんぽの宿の受付で「御宿泊ですか、お買い上げですか」ということが出ていましたけども、そんなことが揶揄されるくらい極めて不透明であったということなんだろうと思います。総務大臣が国民目線から素朴な疑問を担当大臣として問題提起をされたと、その方向で国民の胸のつかえがおりるような透明感のある処理方法に総務大臣がしっかりハンドリングされるということも期待しております。
(問)支持率についてなんですが、ぶれているというのが、印象を与えているのが大きな原因だというふうに。
(答)やっぱりこの内閣は何をするんだということがしっかりと国民の皆様に伝わるようにすると。その中でも棒を飲んだような対応ではなくて、時代の変化に従って改善すべき点というのは出てきますから、基本線はこうですと。それをより良くするためにこういうことをするんですという伝え方の問題だと思うんですね。こういうことをしますというと、ああ変えるんですねと。基本はどっかいっちゃうんですか。いや、基本は曲げないんですけどね、ということの伝え方の手順によって、国民が受ける印象というのは随分変わりますから、きちんと大地に根を張って取り組んでいきますということをまずアピールすると。その上で、当然時代の変化に従って、当初の目的がそのままではより良く発揮できないと、より良く発揮するために、ここはこう変えていきますと。これは本来の目的をより合理的に達成させるためですと。そういう説明の仕方をもうちょっと工夫をすればいいのかなと思いますけどね。
 ですから、その辺がわかりにくいと受け止められる、あるいは足元がぶれていると受け止められると国民の政権に対する信頼感に影響してくるんですから、良いことをやろうとしているのにメッセージが届かないという歯がゆさというのはずっと感じているんですけどね。
 それから、一つ誤解がありますのは、これは私の所管について、国家公務員制度改革についてなんですけども、人事院から移管するというものが級別定数と申し上げてますが、一部の方がこれは幹部、つまり局長クラス、課長よりもっと上ですね、の指定職についてなんですという理解をされている方がありますけども、これは級別定数と呼びませんから。これは指定職の号俸の格付でありますから、級別定数ではありません。級別定数というのは、課長以下、平の職員から係長、補佐、そして室長や課長、1級から10級までのことを級別定数といいますので、級別定数と発言された途端、それは課長以下ということになります。国会のやり取りでも級別定数ということが明確に使われていますし、民主党の修正案提案者の方は、参考資料として級別定数表まで委員会に配られて、これがそうなんですよと、平から係長から補佐から課長、この給与表の級を級別定数といいますよということをおっしゃった上で、こういう機能を内閣人事局に移管して、一元管理をしていくということが大事なんですということを民主党の当事者がおっしゃっているわけなんです。それは議事録に明確に残っていますから。今、この時点で級別定数というのは指定職のことだと言われても整合性はつきません。そこのところははっきり申し上げておきます。
 それから、基本法の2条に基本理念というのが書いてあります。その基本理念の中に公務員全体の人事管理について説明責任を負う体制をつくるんですということが書いてあります。指定職について説明責任を負う体制と書いてないんです。公務員全体です。公務員全体の人事管理についてきちんと責任を持つ体制を整備をするんだということが書いてありますから、これは一部の公務員に対する説明責任ではありません。
(問)先ほど民主党のお話も出ましたが、昨日のテレビ朝日の番組で一部の民主党の議員さんから谷さんの言っていることは正しいという、人事院の主張を全面的に擁護する形の発言があったんですが、そのあたり、今後の法案化も含めて……。
(答)御理解をされてないんだと思います。指定職の号俸格付についての機能移管とは基本法の中では言われてませんし、国会の審議の中でも民主党自身の提案者のほうからそうではなくて、全体、むしろ級別定数管理機能、それはすなわち課長以下のことですということが明確に国会の審議の中で明示をされて、それに対する参考資料まで配られて、ここが大事なんですと。これらの機能が総務省の機構・定員管理機能、これは階層別、クラス別というか、課長なら課長全体のポストの数の査定ですけども、その中で重要課長と一般課長との振り分けの査定、これが人事院、つまり全体と中での色分けという関係が総務省と人事院に別々になっているんですけども、こういう機能を一元化することが大事なんですということを明確に民主党の提案責任者、提案者の方がおっしゃっているんですね。そういうことを昨日の民主党の議員さんは御理解いただいてないんだと思います。法案を正確に読んでいただいて、国会の中での審議をしっかり確認をしていただければ、そういう誤解は解けると思いますし、有識者会議足る顧問会議が報告書を総理に提出をされましたけども、それは基本法という法律に書いてあること、それから基本法を審議した国会でのやり取り、それをもとに詳細設計をされているわけでありますから、それを逸脱をするということはありません。
(問)その関連といえば関連なんですけれども、本部会議の決定後に人事院の谷総裁が今いろいろな新聞、雑誌やそれからテレビに出て、御自身の主張を一方的にされているわけですけれども、その点の受け止めと、政府としては、今甘利大臣が会見で説明されていますけれども、それ以外にも何か政府側の案の説明の方法というのは考えられておられるのでしょうか。
(答)正当な手続を踏んでここまで来ていると思います。そのことをいろいろな機会に、私の会見、今の会見も含めてお示しをしたいと思っております。人事院総裁が極めて異例な行動をとっておられます。そろそろ冷静になって、公務員足る立場というものにきちんと立ち返って冷静に対処していただくことを強く期待をしております。

(以上)