甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年12月16日

(平成20年12月16日(火) 9:52~10:06  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私からは特にありません。どうぞ。

2.質疑応答

(問)先週末ですけれども、舛添厚労相と会談されまして、大臣が求めていらっしゃいましたライフサイエンス分野の規制改革について、一定の合意を得ました。大臣がもともと求めていたことと今回合意できたことの、どこまで実現できたのかということなど、その辺の受け止めをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)かなり厚労省側にとっては、従来の常識を打ち破るという提案でありましたので、一挙に最終段階までということには至りませんでした。
 1つはガイドラインを示す。例えば、臨床においては薬事法の認可がまだおりていない医薬や医療機器を臨床の段階でどこまで使用できるかというガイドラインを設けると。それから、医工連携については、具体的な検討の場を設けるということになりました。ガイドラインを設けるということは、関係者にとっては予見可能性を高めると。つまり、今自分たちがやっていることが医療法や薬事法に違反しているんではないかというリスクを抱えなくて済むわけですね。そこが大変に歓迎されること、それから具体的に検討の場が恐らく革新的創薬に関する官民対話の場があります。これは官、あそこは4つぐらいの役所が入っていましたっけかね。厚労省と経産省と文科省と内閣府が入っていて、それぞれ閣僚も立ち会う場でありますし、医薬産業界も入っていますし、学識経験者も入っている場でありましたけれども、それが立ち上がっておりますけど、そこの場で検討するのも一案ということを厚労大臣側が検討してくれておりますので、これは従来、大きな壁が取っ払われる突破口になっていますから、医療関係者、これは医者側、それから医療産業界側も正に革命的な出来事というふうに評価をしていただいております。
(問)今日の閣議が相当長引いた理由と、閣議の後に中川大臣と斉藤大臣と甘利大臣が残られて、総理と会談されているんですけれども、どういった内容だったのか、教えていただけますでしょうか。
(答)閣議はですね、たくさんの意見と質問が出ましたのは、年末、それから年度末に向けての一次補正、二次補正、それから新年度予算、これらに関して、雇用・生活対策、金融対策、それが年内に何ができて、それから年度内に何ができるのかということ等について、わかりやすく資料をつくったほうがいいんではないかというような意見が随分出ましたし、随分と総理が意欲的にいろいろ講じていらっしゃるのが、なかなかわかりやすく国民の皆さんに伝わっていないんではないかというような、とても良いことをやっているのに、それが国民の皆さんにわかりやすく伝わってないというような話が随分出ました。そこのわかりやすい説明資料をつくるべきだということで、そっちの方向で検討、緊急にですね、もう今週しかありませんから、検討が進むということだと思います。
 その話と、それに関して、総理というよりも財務大臣と環境大臣と私とで年内の住宅対策も含めて先般の今後の経済対策で発表されたけども、年内と今後とのかかわりはどうなんだというような話を少ししていました。
(問)ライフサイエンスの分野ですけれども、ガイドラインをつくっていくというお話がありましたが、これは薬事法に係る話だと思うんですけれども、当初大臣が要望されていたアメリカのIDEのような制度は、なかなかまだ今回は最初からつくることはできなかった。ただ、ガイドラインをつくる先に、またさらにIDEのような制度をつくりたいというふうな要望があるのかどうかということと、あと薬事法の改正で対応をしようというようなお考えはあるのかどうかお聞きしてもよろしいですか。
(答)薬事法は、確か昭和35年にできている法律でありまして、今時のライフサイエンスの分野の今日の発展と、それからコラボレーションといいますか、を想定していない。つまり、産業界が医療にどう今日ほどかんでくるということを想定していなかったんだと思いますし、そもそも医療の分野に産業が入ってくるのは、余りいいことではないというような一つのちょっと屈折した倫理観というのがあったんだと思うんです。ただ、医療分野というのは、産業化、企業化しないと発展はしないということが今日の世界の常識でありますから、従来、受入れを拒んでいた分野は、実は企業化、産業化することによって飛躍的に発展するんだということがわかってきたわけであります。でありますから、それに沿った臨床に対する緊急な対応制度、これは医薬品が広くあまねく流通していく際の許可制度とは若干違う緊急性を要する対応と、臨床の場に限ってですね、そういう制度があってもいいということで提案をしておったわけでありますが、まず、ガイドラインができたということ自身、携わる医療関係者からは、極めて従来にない前向きな提案と受け止められています。ただ、これはとりあえずの第一段階でありますから、きちんとした臨床における仕組み、それから薬事承認に向けての迅速・スムースなつながりという仕組みが構築される間の間の取扱いだと私は承知しております。
(問)確認ですが、これは医薬品の承認の話なのか、医療機器のほうなのか。
(答)医療機器もこれは薬事法承認でありますから、薬だけじゃなくて、医療機器も薬事法なんですね、これ。だから、医薬品・医療機器の臨床使用に関するガイドラインということであります。
(問)国内だと医療機器メーカーが医療機器の市場に参入しにくいという障壁が薬事法にあったというふうな認識なんでしょうか。
(答)薬事法というのは、広くあまねく万民に効能が確認されて初めて承認がおりるわけですよね。ところが、オーダーメイド医薬品というような言葉がありますように、ピンポイントで特定の人に効くものとか、ピンポイントで特定な人に合わせた医療機器ということで、繁用型でない部分が随分ありますけれども、そこの部分は、薬事法の設計ですと承認にならないんだと思います。私も専門家ではありませんけれども。ところが、そういう個々別々という方向に医薬品や医療機器は向かっているわけでありますね。それに法制度が対応できないということだと思います。ですから、医薬品・医療機器の進歩に即した法律の設計にしていくということが最終的な着地点だと思いますが、それに向けて、ある限定した分野でのガイドラインをつくっていくということです。ですから、現状の法律の中で法に抵触しないガイドラインをつくっていくと。それから、法律を変えなければならない部分というのは、その経緯を通じて明確になってきますから、その先に今度は法律を現実の発展に合わせた改革をしていくと、改正をしていくという手順でつながっているんではないかと思います。
(問)そうすると、ライフサイエンスの分野では、年末の規制緩和の第三次答申に向けては、1つはガイドラインをつくるということと、医工連携については、産官学の検討の場を設けるということはきっちりと盛り込むということになるんでしょうか。
(答)これは盛り込めるんでしょう?

(事務局)その方向で、はい。

(答)これは今まで関係者がトライして全部跳ね返されてきたことですから、これはこの事情をわかっている人であればあるほど画期的な出来事というふうに評価をしていただいております。私は就任してたかだか二月と少しでありますから、その間にしてはいい成果が得られたと思っております。

(以上)