甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年12月9日

(平成20年12月9日(火) 10:05~10:18  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 閣僚懇の席上で総理からは、雇用対策、そして、引き続き景気対策に万全を期したいというお話がありました。
 以上です。

2.質疑応答

(問)全国紙の世論調査で、内閣支持率ですが、2割程度に急落しており、政権にとって非常に厳しい状況になっておりますが、閣僚の1人としてどのように受け止められているのでしょうか。
(答)正直、非常に厳しく受け止めております。総理は、一身に自分の責任とおっしゃっていますけれども、総理の良さを内閣の一員として、国民の皆さん方にわかりやすく発信ができていないということに関して、閣僚の一員として責任を感じております。
 我が党におきましては、とにかく自らが選んだ総裁を、良いときだけぶら下がっているというのではなくて、大変なときに支えていくという精神を持つということが、共有するということが大事なんだろうというふうに痛感をいたしております。総理の持っている良さ、それがなかなか人柄の面でも、あるいは政策の面でも、外に向かって発信し切れていないということを反省をしておりまして、その一助になるべく努力をしていきたいと思っております。
(問)関連ですけれども、麻生総理の人柄の面でも政策の面でも、なかなか良さが発揮できないという、その原因というのはどこにあるというふうに分析されていますでしょうか。
(答)麻生総理に、バイアスをかけた色がついてしまっているというところだと思うんですね。極めてわかりやすいざっくばらんな情報発信ができる人でありますけれども、時にそれが誤解を招く表現になることがあります。そこの本質よりも、周辺の伝達にかかわる、若干、言葉足らずといいますか、足り過ぎちゃっているというのか、そこのところだけが強調されてしまって、中身についてなかなか伝わっていかないということ。それから政策面で、麻生総理は、御自身がおそらく自分の企業グループの長に就かれたときには極めて厳しい状況だったと思うんですね。それと、おそらく今の日本の厳しい状況を重ね合わせて、それで自分が先頭に立って、かつて自分のグループをよみがえらせたように、この日本もよみがえらせなければという決意をしていらっしゃるのだと思うんですけども、なかなか国家の運営に関しては、社長と従業員という関係ではありませんから、オーナーは国民でありますから、なかなか号令一下という具合になかなかうまくいかないと。理解をしてもらいつつ、コンセンサスをつくっていくという、若干、手だてが違うんだと思いますね。そこのところで、うまく歯車がかみ合っていない、そういう歯がゆさを感じてらっしゃるんじゃないかと思います。それは、内閣を構成する閣僚や党の執行部が、心を一つにして阿吽の呼吸でやっていかなきゃならないと。その辺のところが、まだきちんと意思疎通が図り切れていないという点があるんだと思います。
 これだけ厳しい中で、前向きな性格でいられるということは、リーダーとして極めてふさわしいキャラだと思いますけどね、私は。
(問)昨日、規制改革会議がありましたけれども、今、各省との交渉の進捗状況などをお聞きしたいのですが。
(答)成果も出ておりますし、大臣に出張ってもらいたいという御要請もいただきました。規制改革に関しても、今月、私が大臣間の交渉をする場面も、近々やってくると思います。
(問)関連ですけれども、景気後退局面で、やはり規制改革ということで、大臣が常々おっしゃっているツールとして、景気刺激策というのでしょうか、活性化策としては非常に重要であると思うのですけれども、その辺のお考えを改めてお聞かせください。
(答)規制改革というのは、いつも申し上げていますように、魔法のツールなんですね。もちろん、その使用上の注意はありますよと。国民の安心・安全に配慮するという使用上の注意は当然ありますけれども、それをしっかりクリアして使う分には、お金をかけずに、財政出動せずに、あるいは減税をせずに、経済を活性化させる、社会を活性化させる魔法の道具なんですね。ですから、これをもっと思い切って使うということを考えてもらいたいと思いますし、そういう意味では相当大どころに、この魔法のツールを使っていきたいと就任時から考えておりました。
 具体的には、ライフサイエンスの分野であります。で、ここに関して、なぜ規制改革が進まないかというと、そこの分野に関する法律の設計が極めて古いんですね。昭和24年とか昭和30年代初頭の設計ですから。今のような事態を想定していない法律なんですね。ですから、今の時代背景をもとに設計をし直すというくらいの大胆な発想がないと、なかなかフロンティアは開いていけないというふうに思っております。
 逆に言えば、そうやって残っているフロンティアが日本にあったということは、規制改革というツールを使う立場にとってはやりがいがある、今だというふうに思っています。
(問)現状、ライフサイエンス分野については、各省との協議、調整はどのような状況でしょうか。
(答)全く門前払いということではありません。ありませんが、いろいろな先回りした懸念が道をふさいでしまっているということですから、国民の安全・安心、使用上の注意というのがありますから、安全・安心について、その懸念をちゃんと払拭するという順序立てをして、不安を払拭して、そして大胆にこの道具を使いたいというふうに思ってます。
(問)直接の御所管ではないのですが、大臣としてお伺いいたします。
 昨日、中国の海洋調査船が、尖閣諸島の領海に侵入いたしました。大臣は、経産大臣として尖閣のガス田に対する問題とかにも携わっていたかと思います。今回の事件をどう見ていらっしゃますでしょうか。
(答)日本の領土、領空、領海、そして排他的経済エリアについて、きちんと日本の主張を国益として、国民益として、きちんと通していくと。もちろん、平和裡に解決をしていくということが大前提でありますが、そこに毅然たる姿勢で臨んでいくということが、政府全体として、今までもそうですし、これからも必要だと思っております。
 もちろん、私が経産大臣のときに、東シナ海の油田、ガス田の協議で、これは中国側と一つのルールができました。これも、長い間、粘り強く毅然たる姿勢で取り組んできた成果だと思っておりますから、そういう基本姿勢を崩さないということが大事だと思います。
(問)公務員改革ですが、年明けにも工程表を策定され、法案づくりも進められていると思うのですが、今、国会がこういう状況の中、与野党協議というのは、どのような状況でしょうか。
(答)与野党協議は、いつでも与党側は受けるという姿勢であります。私のほうからは、与党側の担当者に、民主党さんのほうにボールを投げてほしいということで、非公式には既に話をしております。まだ、民主党側にとって公式に呼びかけが来ていないという認識があるようですけども、公式、非公式含めて、呼びかけてもらうようにしております。
 民主党さんの党内事情がいろいろおありのようでありますから、私のほうには、与野党協議を進めるべきだというお話がありますけども、この打診を与党側からしてみると、なかなか額面通りにいかない党内事情がおありのようでありますけれども、これは修正協議によって成立した法律に基づいて、作業を私のほうで進めているわけでありますから、民主党さんから、野党側から与野党協議のお呼びかけがあれば、いつでも与党は応ずるという体制に変わりはありません。

(以上)