甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年10月21日

(平成20年10月21日(火) 10:30~10:44  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 24日の日に規制改革会議の開催を要請いたしております。かねてから申し上げておりましたライフサイエンス分野にかかわる大胆な規制改革、私の私案でありますが、これを具体的に規制改革会議の方に投げようというふうに思っております。中身については、当日発表させていただきます。
 ピロリ菌の話も、世間的に言うと、あるいは医者に言わせると画期的なことであるという評価をいただいておりますが、どこも書いていないし、報道もしていないというのは皆さんの意識が低いんじゃないかと思って懸念をいたしております。規制改革というのは、お金をかけないで社会を活性化するという極めて有効なツールなんですね。その認識を少なくともこの部屋のマスコミの皆さんはしっかり持っていただきたいと。
 以上です。

2.質疑応答

(問)会議等の情報公開についてお聞きします。
 行革とか、あるいは公務員制度改革の関連の会議については、原則公開するという方針、過去の大臣、示されていたかと思います。今も各種会議で記者の傍聴ですとか、あるいはネットでの公開とかされていますけれども、一部、例えばこの間の顧問会議のワーキンググループなど、まだ非公開になっているものもありますけれども、こうした会議の公開についての大臣のお考えをお聞かせください。
(答)公開するということはいいことじゃないですか。ワーキンググループについては、顧問会議は公開すると。顧問会議の座長とワーキンググループの座長でお任せしてありますので、私があまり強制することでもないと思いますので、基本的には議論を、議事の公開というのはいいことだと思っていますけれども。
(問)例えばワーキンググループについて我々が中を見たいという要望もあるんですけれども、それがなかなか、こう……。大臣のほうからとはいかないんですか。
(答)私が強制するわけにいきませんけれども、あのときの議論を聞いてましたら、顧問会議がすべてオープンにしているので、ワーキンググループは誰はばかることなくフリーな議論ができるようにということなんでしょうかね。そういう御判断をされたんで、それ以上私があまり強制するべきことじゃないかと思います。片方、本体が公開されているから、その座長さん方の意思も尊重してあげたほうがいいのかなと思いましたけど。
(問)先ほどお話ありましたピロリ菌の件ですけれども、これは舛添大臣が持ち帰られて検討するということでしたけども……。
(答)そうです。資料を渡してあります。
(問)その後、厚労省側から、厚労省側の動きというのは。
(答)まだです。いずれ大臣から御返答があると思います。決まったら報道してください。
(問)週刊誌報道と同列の質問をするなと言われるかもわかりませんが、一部報道というか、昨日発売の「AERA」で顧問会議の第3回会合の一部のやりとりについて、あれは一番最後だったと思うんですけれども、御手洗さんと桜井さんの部分ですね、あそこの部分が出てないと、オープンになっていないという指摘がありました。あの記事全体からすると、事実誤認もあり、私は論旨について同調するというわけではないですが、事実としてあったものがパブリックにはなっていないというのは間違いないことだと思うんです。それについて、ひとえに公文書管理の問題だと思うんですけれども、公文書として残すかどうかという、そのあたりのことを甘利大臣としてはどのように受けとめてらっしゃるかということをお聞きしたいと思います。
(答)あれね、簡単な話だと思うんですよ。つまり会議がスタートしたと。「会議を始めます」ということから会議がスタートするんですね。「会議を終わります」と言った時点で会議が終わるわけです。その前後というのは、冗談も含めて、雑談も含めて、会議じゃあないと。要するに「会議を終わります」と言った後、いろいろな雑談、中身は私、精査してないんですが、冗談も含めて雑談に入ったということ、それを収録するということが問題になったんじゃないかと思うんです。
 つまり、正確に外へ出すというのは会議の中身ですから、「会議を始めます」と始める前に、昨日どこへ行ったのとか、遅かった、どうだったとかという話は会議じゃないですから。「じゃあ、会議を始めます」と、で、始まって「これで終わります」と。終わった後、今日これからどこへ行くの、一緒に飯食わないとか、そういうのは会議の話じゃないですから。始まったときから終わったとこまでぴしっと収録なり、放映なり、それをきちんと行うと言えばこの種の話はなかったんだと思うんですけどもね。そういうことだと思います。
 だから、会議で議論されたことはきちんと外へ出すという約束ですから。ただ、会議の前の雑談というのは外へ出すという話ではないですから、そういうことだけだと思うんですけどね。
(問)もう一つ、国家戦略スタッフなんですけれども、これからワーキンググループ、顧問会議で議論を進めていくという段階ではあると思うんですが、国家戦略スタッフを先に規模とか、国家戦略スタッフ、あるいは公募の規模というのを先に決めてからいろいろの内閣人事局ですとか、そういったものの設計をしていくと。ということは、ワーキンググループ、これから何回も開いていく中で、ワーキンググループで国家戦略スタッフの規模を決めるという、そういうふうな理解でよろしいんでしょうか。
(答)私が顧問会議で発言したことは、中身の議論をちゃんとしてくれと。最初から器の議論をしないでほしいと。それは当然のことだと思うんですね。だって、何をするところかというのを決めるのに、何をするということが決まらなくて、先に陣取り合戦だけやるなんていうのはとんでもない話ですから、国家戦略スタッフ、政務スタッフも含めて、私5項目お話をしました。その5項目は、実は検討の仕切りで言うと、1年、3年、5年、5年というのは労使の関係が5年か。
(事務方)法的措置が3年までで、5年はその他必要な措置が5年です。

(答)1年、3年で、3年の部分にかかっているかもしれないけれども、それも前倒しでできるところはやってほしいという要請をしました。それは、あの会議は御覧になっていたと思いますけれども、事務方が用意した紙ではありません。ですから、委員の中から大臣の発言したものが載ってないんだけど何なんだろうかと言われましたけれども、これは私の思いで、政治主導でやると言った以上、その中身を具体的にこういうとこですと、部分的には3年にかかわるところもあるかもしれないけれども、3年にかかわるからやりませんじゃなくて、器にかかわるところは前倒ししてもやってくれと、全部完了してなくてもいいから、かかわるところは少なくとも粗々の議論はしてほしいという話をしたわけです。これは、私は事務方には誰にも相談してませんから、自分の思いでしゃべったから、だからペーパーに出ていないんですね。
 それを受けとめて、ワーキンググループもその意を受けてやるということになっているはずですけど。だから、全部完璧に完了してなきゃできないということになると、また、やれ器の議論が先送りになったとかいう話になりますから、そうすると改革が後退だとか。
 このポストに就いて物すごく難しいと思ったのは、設置をちゃんと早くやらないと先送りと言われると。早くやろうとすると、中身の議論を詰めないで拙速と言われると。どっちでも怒られるんですね、これは。だから、どっちでも怒られるんだから、それはしょうがありませんけれども、中身の議論をできるだけ詰めて、そして器の議論を時差を置いて発進をしてほしいということは、顧問会議でもそうですし、ワーキンググループでも徹底したいと思います。
 内閣政治主導、内閣主導の人事というのは、総理、官房長官、各府省大臣の3者が決めるということです。この3者が公正に評価をして決められるようなデータが、ペーパーだけじゃなくて、その人間像も含めて伝わるような仕組みをつくるということだと思います。
(問)今の関連で、どっちに転んでも批判されるということなんですけれども、それはなぜそういうさまざまな批判の対象になってしまっているというふうにお考えになってますか。
(答)いろいろお考えのある方の考え方がまとまってないからじゃないですか。だから、私はむしろ、じゃあ、どういう形ならばベストと考えますかと、いい案なら全部採用してあげますからと申し上げたいんです。私が考えているのは、とにかく今まで、ともすれば器の議論が先行しがちですから、何のための器かということでありますから、こういうことをスムースに進めていくための器と、中身をちゃんと詰めてくれというのが私の思いです。  本当はじっくり詰めてもらいたいんですが、そうすると器の法案の中身は来年の6月までに出すことというのが法律、基本法で決まっていると。これとどう整合性をとるかということになるんですね。厳密な法律論で言いますと、法律を出すということと、実際に設置をするということは別問題だという議論になるんです。しかし、では別問題だから1年じっくり中身の議論をして、器は法律を出すのからさらに1年先にするかというと、必ず改革先送りという話を書かれるんですね。それじゃあ、法案と中身の設置と一緒の年度でやりましょうというと拙速と必ず言われるんですね。そうでしょ。これは、皆さんの報道というのではなくて、そのもっと外側にいる報道がそうなるんです。じゃあ、どうしたらいいんですかということを彼らに聞きたいんですけどね。  ですから、私の考え方は、中身をしっかり詰めると。それで、それに相応する器をつくっていくことを、全部終わってというんじゃ間に合わないんで、タイムラグを少なくとも置いてほしいと。それで、1年、3年にかかわる問題も1年だけの問題を議論するんじゃなくて、3年も中身に必要な部分は前倒しで、できるだけ粗々の議論はしてくださいと。それでつくってくれと。それができるだけ期限内に間に合うようには議論してくださいと、だから頻繁に議論してくれということです。  それで、どうしてもワーキンググループの中、あるいは顧問会議の中で、これではとても間に合わんという時には、そこで政治判断をしますからというのが私のスタンスです。
(問)その政治判断というのは期限を伸ばすということですか。それとも内容について結論を下すということですか。
(答)ですから、そこを顧問会議、ワーキンググループの代表者の方々と相談します。それで、ベターな方法を選びたいと思います。

(以上)