甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年9月30日

(平成20年9月30日(火) 10:39~10:49  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私からは特にありません。

2.質疑応答

(問)昨日の麻生総理の所信表明演説で、民主党に対する質問などが幾つかあったんですけれども、こういう異例の形となったことについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。あるいは、実際に議場でご覧になって、反応も含めてどんなふうに感想をお持ちになったのか、お聞かせください。
(答)麻生総理は、新しい形で自分の所信を申し述べられました。そのときに、我々はこうするけど、あなた方は対案はありますかと、どうするんですかと。民主党さんご自身が政権選択の選挙だとおっしゃっているんですね。自分たちが政権をとるというときに、自分たちだったらこうするということに対する回答がなければ、ずっと野党のままでいたいんだという主張になってしまいますから、極めて正しい持ちかけ方だったと思いますよ。我々はこうするけれども、これに対してあなた方はどうするんですか、その際には、財源はどうするんですか、責任ある回答をというのは、あなた方が政権をとるとおっしゃるんだったら、そこまで言及しないと責任政党とは言えませんよと。野党でずっといるつもりなのと政権をとるということでは立場が違いますよという投げかけですから、非常に正しい話だと思います。
(問)その所信表明の中で、行政改革ですとか、あるいは公務員制度改革については、簡素で温かい政府をつくるですとか、あるいは官僚は敵ではないけど信賞必罰だというような表明をされましたけれども、民主党への問いかけというのはありませんでした。民主党の小沢代表は、国の統治の機能を全面的に変えるんだと言って、国会議員を100人規模で政府の中に入れるというようなお話をされていますけれども、こういう民主党の姿勢について、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)民主党は政治主導ということでおっしゃっていますから、政治主導のスタンスの違いをお示しになりたかったんでしょう。国会議員をより多く政府の中に入れていくと。
 過去に小沢代表は、政治主導で官僚答弁ではいかん。副大臣も、従来の政務次官とは違って大臣と同様な経過を経て就くんだ。答弁も副大臣がどんどんするんだと、極めて適切な趣旨でおっしゃいましたけれども、実際にそれが実行されてみると、大臣がいなきゃ質問できないとか、副大臣じゃだめだということもある。ご主張はなるほどと思うところはたくさんあるんですけれども、実際にそれが実行されて、ご自身の主張どおりにされないということはどうなのかなという、ちょっと疑問がありますけれどもね。
 それで、総理の官僚に対するスタンス、これは極めて当然の話だと思います。国家という共同体を運営していく重要な、貴重な経営資源ですから、それを使いこなすということが政府の使命であります。麻生総理らしい表現でしょ、敵ではないという表現はですね。つまり、私が就任のときに申し上げた、まずモラルが高い、そしてモチベーションが高い、やる気のある、それから能力の高い、3高の公務員をつくっていかなきゃならないし、そういう素養のある人間がぜひ目指したいという行政府でなければならないと申し上げました。
 国民の皆さん方がお金を払って雇い上げている職員でありますから、その職員を使いこなすというのは当たり前の話なんで、極力職員のやる気をなくし、優秀な人が来ないようにしようなんて思っている人は誰もいないと思うんですね。信賞必罰、当然の話だと思います。
(問)米下院で金融安定化法案が否決されたことで株価が非常に下がっていますけれども、この受けとめをまずお聞きしたいのと、それにあわせて補正予算の審議を優先するべきかどうか、そのあたりの受けとめを教えてください。
(答)アメリカでも、やっぱり国民感情と、そして金融危機に対してやらなければならないことの狭間で、議会が揺れているんだと思います。システミック・リスクを回避するということでは、日本の経験にかんがみても、公的資金を導入して対処すると。国会がそのリスク回避の全面に立つということは当然のことなんですが、金融機関の長がべらぼうな年俸を取っていて、あんな高給取りを救うために我々の税金を使うのかという感情論が当然あります。そこは、国民感情をしっかり受けとめて、対処しつつ、しかし金融危機は絶対に起こさないという毅然たる姿勢が必要だと思います。
 ぜひ上院では、今のアメリカの現状をしっかりと真正面から受けとめて、早急なとるべき対応をしてもらいたいと思います。
(問)補正予算に関しては。
(答)そこで、総理ご自身も、とにかく日本としてやるべきことは早急に行うという姿勢で臨んでおられますから、こういうときは、与野党とも緊急課題は政局にしないという基本姿勢が必要です。民主党さんも自分たちもそんなつもりはないと、具体的に、2日、2日できちんと対処すると、賛否は別としてですね、いたずらに審議を引き延ばすつもりはないとおっしゃっていますから、それは正しい判断だと思います。
 特に中小企業に対応した金融や予算が組まれていますから、そこのところは、政局と切り離して対処していただけるものと信じております。

(以上)