野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年8月11日

(平成21年8月11日(火) 10:48~11:00  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。お待たせいたしました。
 本日の閣議におきまして、私の関係では、消費者庁関連3法の関連政令が閣議決定され、消費者庁及び消費者委員会が9月1日に発足することが正式に決まりました。関係の皆様には、多大なる御支援と御協力をいただきましたことについて厚く御礼申し上げます。
 消費者庁は、我が国の行政全体のコンセプトを大きく転換し、消費者のパートナーとして消費者を主役とする政府の舵取り役となる新たな組織です。また、消費者委員会は、消費者行政全般に対して監視機能を有する独立した第三者機関として内閣府本府に設置されます。消費者庁及び消費者委員会の発足まで残りあとわずかですが、立ち上げに向け準備に万全を期してまいります。
 その他、私のほうから2件ございまして、1つ目は、本日の閣僚懇談会におきまして、現下からの薬物情勢及び今後の薬物乱用防止対策について発言をいたしました。
 最近、世間の注目を集める薬物事件が続けて発生しております。薬物乱用対策推進会議の議長としまして大変憂慮しています。政府は、規範意識の向上、取り締まり徹底などを柱とする「第三次薬物乱用防止五か年戦略」に基づいた各種施策を推進しています。今後とも関係省庁と連携を密にし、薬物乱用の根絶に向け、対策をより一層徹底して進めてまいります。
 2つ目は、お手元の資料のとおり、内閣府では、8月20日から、交通安全啓もう全国キャラバン隊を派遣することとしています。本日、この後、大臣室にてキャラバン隊の各コース代表者をお招きし、交通安全メッセージの伝達式を行います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)消費者庁の発足の期日なんですけれども、9月1日ということに、民主党などの野党はもっと先延ばしするようにと、るる反対をしています。そうした中で、あえて9月1日ということで決定した理由は何ですか。
(答)衆議院、参議院で88時間ですか、徹底的に、かつて他にないような長時間の審議をいただいた上、委員会の外での各党協議もかなりの時間を割いていただき、最終的には、衆議院、参議院、それぞれ本会議において全会一致で法律ができたわけですから、その法律に基づいて、粛々とそれに則った形で事務的な作業を進めてきたわけです。結果として、総理が念願されておられました、むしろこれは総理の念願というよりも、国民の一日も早くそういう安心の拠点が欲しいという声に応える形で、できれば一日も早いほうがいいということで取り組んだところ、9月1日には発足することが可能になったということで、今回こういう形になったわけであります。
 なぜ反対されるのかよくわかりません。
(問)国民のためにも一日も早くとおっしゃいましたけれども、消費者団体の中には、ユニカねっと、消費者団体六十数団体が集まっている団体が、選挙前にこういった形で拙速に決まっていくことに憂慮するということでお話が出ております。それについては。
(答)ちょっと誤解があると思うんですが、選挙にかかわらず、消費者庁、消費者委員会の中身というのは法律で明確に厳格に決まっていることなので、選挙とは関係ない問題だと思っています。それをちょっと御存じないのかなと。
(問)ただ、人事などは、時の政権、時の内閣総理大臣の意向などが反映するという性質のものだと思いますけれども。
(答)麻生総理大臣は、全会一致の法律に基づいた行政組織と委員会ということを踏まえての極めてニュートラルな御判断をされたと思っているので、これはどなたがなさっても変わりはないんじゃないかと思います。
(問)関連してなんですけれども、民主党もやはり強く反対していると思うんですが、仮の話ですみませんけれども、8月30日の選挙で民主党政権になることが確実になった場合でも、今日決まった人事だとか設置日だとかというのを変える御意向はないのか、決意のほどをお聞かせいただけますか。
(答)まず、仮の質問には答えません。これまで様々な人たちと協議をして、国民目線で、消費者目線で取り組んできたプロセスがありますので、堂々と自信を持って進めていきたいです。
(問)確認ですが、今日の閣議で、内田俊一消費者庁設立準備顧問の消費者庁長官への起用案は閣議で承認されましたでしょうか。
(答)はい。
(問)話は変わりますけれども、8月15日の終戦記念日が近づいています。靖国神社の参拝なんですけれども、大臣、去年も行かれて、毎年基本的には行かれているというふうにおっしゃっていますけれども、今年はどのような予定ですか。
(答)今、日程調整中です。選挙が近いということもあって、どの程度こちらでの時間が使えるかわからないので、それいかんで、基本的には例年どおりというふうに思っています。
(問)日程の調整がつけば参拝されるということですか。
(答)そうですね。
(問)今の質問の関連ですけれども、参拝される理由は。
(答)一つは、家族の、我が家の行事です。前回も同じことを話したので、毎年同じことを話すことになるんですが、祖父が存命のときに、家族を連れて、祖父の関係のあった方たちが祀られるこの場所で平和を祈ろうというのが我が家の小さなころからの行事でありまして、それを毎年、大臣であろうとなかろうと、野田聖子としてしていることだと思います。
(問)消費者委員会の委員長に住田裕子消費者委員会設立準備参与がなってほしいということをおっしゃったと思うんですけれども、それについて、ちょっと選び方がおかしいんじゃないかという意見も出ていますけれども。
(答)私はそんなこと言っていないと思います。互選ですから、あくまでも。委員会の中で決めていただくと。今は参与の代表としてなっていただいていますが、それはすなわち委員長ということではありません。あくまでも、委員会の委員長は互選で決まるということ、これが事実ですから。
(問)ちょっと確認なんですけど、閣僚懇での薬物の話なんですけれども、これは最近の芸能界をはじめとした事件を受けての発言ということでしょうか。
(答)ここのところずっと、有名な方とは別に、大学のキャンパス内等で、大麻に関する事案もかなり連続して起きていましたが、とりわけ今回はやはり大変著名な方ということで、連日皆さんが報道される、それがきっかけとして、やっぱりこういうことはやってはならないんだということを青少年にしっかり伝えられる場所にしていきたい。逆な形にならないように、それを多くの青少年が知って好奇心を持たないように、しっかり取り組んでいかなければならないということで、今日、閣僚懇で発言があったと思います。
(問)背景には、覚せい剤とかが非常に手に入りやすいというか、簡単に使えてしまうということがあると思うんですが、その辺についてはどのように思われますか。
(答)まさに厚生労働省や警察も含めて、担当当局が真剣に頑張っているわけで、覚せい剤の押収量は増加しており、むしろ今まで以上にちゃんと押収しているなど、要するにしっかりやっているわけですね。ただ、やはりまだまだ人手も足りないとか、いろいろな意味で、国民の規範が、薬物に対して恐怖感がないということが問題なのだと思うので、やはり大麻であれ、さまざまな薬物は決して御自身を幸せにしないし、むしろ御自身をむしばんでいくと、そういうことを徹底して、こういうところで皆さんのお力も借りて、とりわけ子供たちにはしっかり伝えていかなければいけないと思います。
(問)社会的影響の大きい有名人の方が相次いで逮捕されていることについての御感想といいますか、お考えを一言お願いします。
(答)一般人であれ、著名な方であれ、服用されていることがいけないということに差はないわけです。ただ、著名であるがゆえに影響力がある、というか、普通の方がなさっても、これだけ皆さんが連日取り上げないわけでありまして、そういう意味では、御自身の影響力の大きさ、良い意味でも悪い意味でも持っているということをわかっていただいて、むしろ国民の模範となるような、そういう人生を歩んでいただきたいなと願うばかりです。
(問)消費者委員会の委員の候補に林文子さんが入っていると思うんですけれども、林さんは横浜市長の候補者になっているという話がありますけれども。
(答)報道で知る限りそういうことを聞きましたけど、まだ具体的に御本人から私のほうにも御連絡もありませんので、今はコメントのしようがないです。
(問)先ほどの靖国神社の関係で細かいことなんですけれど、記帳とか参拝に行くお立場としては、私人というお立場で行くということですか。
(答)前回も私人として行きました。前回同様です。というか毎回私人なんですけど。
(問)記帳も自分のお立場でということですか。
(答)そうですね。
(問)私人か公人かというのは、野田聖子大臣は2つに分身できないわけで、それは分けるということは難しいのではないかと思いますけれども。
(答)本当に大変なことですよ。皆さんがそうやってどちらかと聞かれるから、どちらかと答えなきゃいけないわけで、皆さんだって、「私」であり「公」でありと、一人の人間として、公の部分というのは当然どなたでも、ジャーナリストであっても、大臣であっても、国会議員であってもあるわけだから。ただ、やはり私自身は多くの皆さんの誤解を招くことがないよう、やはり私自身の内心の思いとして靖国神社に行くんだということをお伝えしなければならないという意味で、私人だと思います。

(以上)