野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年4月24日

(平成21年4月24日(火) 9:43~9:51  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 皆さん、おはようございます。
 本日の閣議におきましては、私の関係で1件、平成22年度に日本学術会議が共同主催する国際会議について、閣議口頭了解をいたしました。
 その他に、私からもう1件ございます。毎年5月は消費者月間です。本年度は、消費者庁の創設を前に、「消費者新時代 消費者が主役」を統一テーマとして、消費者問題に関する各種事業を集中的に実施いたします。事業の詳細な内容につきましては、後刻、国民生活局より資料配布をいたします。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)民主党がマニフェストの中に世襲制限について盛り込むという話が出ていまして、皆さん、いろいろな意見をお持ちなのですが、野田大臣は、この世襲制限についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
(答)そもそも選挙を通じて国会議員を選ぶのは、国民、有権者です。国民、有権者の選択ということが、念頭にあるべきなのではないかと考えます。確かに、最近、何か一つのことが起きると畳み掛けて批判する風潮がありまして、一時は、「官僚は悪」という批判が出ると官僚バッシングになっていました。今は、国会議員から、「世襲は悪」といったイメージが語られる中で、国民、有権者の意思を無視する形で世襲制限といった方向に走っていってしまうのは、本当に健全なのかどうかという疑問を感じています。
 私個人とすれば、自分も世襲なのかそうでないのかという点では、何だか「すき間事案」のような人間です。というのも、確かに祖父は国会議員を務めていましたが、落選し引退してかなりの時間が経過してからの出馬でしたから、世襲のメリットである後援会の継続もなかったわけですし、ましてや自分は、当たり前ですけれども、祖父の孫として出て、それでは当選できたかというとそうではなく落選してしまいましたから、そういう意味で、世間一般で言う世襲のうまみというものを全く経験してこなかった、にもかかわらず、やはり親族であるということで世襲と言われてしまうわけです。世襲にもいろいろな形があるでしょうし、その時々の選挙において、私の場合は岐阜の有権者の方たちがしっかり吟味して、最終的には、私を一国会議員として選んでいただいたんだという、そういう謙虚な思いで政治活動に取り組んでいますので、世襲制限といったことをマニフェストに掲げることが、果たして本当の意味で政治を良くしていくことになるのかどうか、甚だ疑問なところがあります。
(問)一方で、自民党内でも、マニフェストか党の内規で制限を設けるべきではないかという声も上がっていますが。
(答)いろいろな意見があると思います。私個人としては、できれば、世襲制限よりも、女性の比率を高める内規を作ってほしいなと希望しています。例えば、比例代表では候補者の半分を女性にするですとか、党を挙げてそういう内規を作っていただいたほうが前向きではないかなと思いますが。
(問)関連して、今、実際に国会議員の親族ですとか、いわゆる世襲と呼ばれる国会議員が多いことについては、特に自民党は多いとされていますが、どのようにお考えですか。
(答)確かに多いですし、落選されておられる方にも、元議員の親族という立場の方が多いですよね。世界的にどうかと調べたことはないのですが、やはり一つには、日本という国は、企業においても、さまざまな組織においても、「跡を継ぐ」のが文化であるというところがありますよね。例えば、私は岐阜が選挙区ですが、地元の中小企業の大多数はやはり息子さんなどが跡を継ぐのが当たり前の感じと言いますか、世襲が決して悪いことではないと受け止められていると思います。良いこと、悪いことという価値判断をすること自体おかしいと思いますし、日本人の社会生活の中で、割方、普通に受け入れられている現象の一つではないかとも思います。
(問)JAXAの移管問題について、昨日の報道によると、河村官房長官は内閣府に所管を移すというイメージでお考えになっているようですが、野田大臣としてはいかがですか。
(答)昨日の朝刊に出ているのを拝見したところ、午後、官房長官から直接お電話いただきまして、官房長官は、超党派による議員立法でありました宇宙基本法の議案提出者の1人として大変強い思い入れがございまして、官房長官個人としては、将来の宇宙開発を円滑に進めていくためには、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が内閣府に属した方が機動的ではないかという強い思いがあるそうです。ただ、これはあくまで個人の意見であって、これによって何かが左右されることではないので、それはそれとして受け止めてほしいという連絡を頂きました。
 御承知のように、JAXAの帰属をどうするかについては、宇宙開発戦略本部の下に設けられた宇宙開発利用体制検討ワーキンググループで、現在、議論が続けられておりますし、宇宙基本法を作られた各党の中でも、それぞれが自発的にその位置付けについて御議論いただいている経過を聞いているところです。御承知のとおり宇宙基本計画を5月に策定することとしておりますが、JAXAの帰属を含めた体制整備については、計画の構成要素ではありませんので、幅広くいろいろな意見を聞きながら、宇宙基本計画の実施に資する位置付けを、じっくり時間をかけて検討していけばよいと思っています。
(問)基本計画に、体制を明示するということではないということですね。
(答)ありません。
(問)では、どういうスキーム、仕組みで最終的に決定していくことになるのですか。
(答)宇宙開発戦略本部が最終的には決定することになりますが、ただ、それまでの間に幅広く宇宙基本法に携わった各党の御意見もしっかり受け止めますし、先ほど申し上げた検討ワーキンググループもありますし、こうした多くの人たちの様々な御意見を、まずはしっかりと聴取することが大事ではないかと思っています。
(問)8月に、戦略本部事務局が内閣府に移管になるプロセスがあるようですが、その時点が一定のめどになるのでしょうか。
(答)8月と仰ったのは基本法施行1年後を目途に内閣府に事務局機能を担わせるための措置を講ずるとなっていることを念頭に置かれてのことかと思いますが、それ自体も「目途」とされていることでまだ具体化しておりませんし、また、JAXAの移管に関してはその段階までの宿題ということにもなっていません。あまり慌てて結論を急ぐことでもありませんし、JAXAの現状の位置付けにおけるメリット・デメリット、仮に官房長官のお考えのように内閣府に移管した場合のメリット・デメリット、これらはまだ整理途上ですので、そういう判断材料も客観的にリストアップしていかなければいけないと思います。

(以上)