野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年4月21日

(平成21年4月21日(火) 9:38~9:47  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議について、特に御報告することはありません。
 私からは、1つございます。
 19日から20日まで、中国に出張してきました。国際原子力機関(IAEA)が主催する「21世紀の原子力エネルギー」閣僚級会合において、地球温暖化対策とエネルギー安定供給のためには、原子力の平和利用が不可欠との国際的共通認識の形成を促進すること、また、これから原子力発電を導入・拡大しようとする国への基盤整備の支援をすること等について、政府を代表して演説を行いました。
 また、万鋼中国科学技術部部長と会合を行い、東アジアにおける科学技術の協力強化を日中韓3ヶ国が主体となって進めることを私から提案し、その方向性について合意が得られました。今後、事務レベルで具体的な検討をしていきたいと考えています。
 さらに、周伯華中国国家工商行政管理総局局長と会談を行いまして、日中の消費者政策について意見交換を行うとともに、今後、両国の消費者政策に関する協力が進められることを期待する旨を述べました。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)日立アプライアンス(株)製の冷蔵庫について、リサイクル材を使用してCO2の削減量を大幅にアップしたと宣伝し、それにより環境にも優しいということで省エネ大賞もとっていたにもかかわらず、実際にはリサイクル材料はほとんど使っておらず、CO2の削減量もかなり低かったということが明らかになり、結果として、消費者は欺かれた形なのですが、この点について大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)まさにあなたのおっしゃるとおりで、報道でもいろいろ出ていましたが、消費者は事業者が表示したことを、ある意味で鵜呑みにせざるを得ない環境にあるわけですから、消費者は事業者に比べていかに情報の格差がある状態に置かれているかということを如実に示した事案であると思います。今後、消費者庁ができれば、表示を一元的に扱うことになりますので、こういうことも含めてしっかりと監督していかなければならないと改めて気を引き締めた次第です。あってはならないことを、それも大企業がしてしまったということは非常に遺憾でありますし、大いに反省していただかなければならないと思っています。
(問)日立側の対応として、商品自体に問題があるわけではないので回収はしないということなのですが、どう思われますか。
(答)今の状況では、製品に瑕疵があるですとか、事故のおそれがあるということではないからということなのでしょうが、今後、消費者庁ができれば、このような不当表示に対して厳しく取り扱うことになると思いますので、そういう対応も変わっていくだろうと思います。
(問)中国の万鋼部長との会談なのですけれども、具体的にどういった話をされたのでしょうか。
(答)今、日本を含め東アジアは、100年に一度とも言われるアメリカ発の経済的な危機の中で、次の時代をつくろうと模索しているところですが、日本は、これまでも、そして今も、更にはこれからも、科学技術が国家にとっての大きな底力で、それを発揮させることにしっかり取り組んでいくとともに、日本が自分の得手としている科学技術を活用した外交を展開することで、安定した世界平和に貢献していきたいという強い思いがあります。お隣さんという存在は普通の社会でも極めて大事なわけですが、どうも科学技術に関しては、隣にあり、近くにありながら、韓国や中国とは若干水臭いつき合いであったのではないかという反省も踏まえ、私が大臣になってからですが、先月は韓国の大臣の了解を取りつけて、そして今回は中国の担当大臣と会談しました。本来ならば当然あるべき科学技術分野での交流が心なしか滞っていると言いますか、活性化されていないということで、改めてみんながそれに気がついたという感じでしょうか、せっかくですから、ここで一気呵成に日中韓の枠組みを作って、東アジアの中核的な役割を担っていこうではないかということで御提案申し上げた次第です。その結果、韓国の大臣から積極的な姿勢を引き出すことができ、中国の大臣にも「韓国とはそういうふうにやっていこうということになっているので、一緒にやりませんか。」という話をしたところ、「わかりました」と即答いただいた上、「こういうことをやりたい」と、いろいろなテーマをお示しいただきましたので、しっかりと熱が冷めないうちに事務方に具体的なメニューを検討させて、進めていきたいと思っています。
(問)先方は、具体的にどのようなテーマを提案されたのですか。
(答)まず、気候変動に関する課題、そして省エネルギー・新エネルギー、更には健康に関すること、これらについて中国の大臣がぜひ取り組みたいと言われましたので、「まさに我々も同じような方向性を持っているし、韓国でも同様の話があったので、三者でしっかりやっていこう」という話をしてまいりました。
(問)中国で消費者問題についても話し合われたということですが、ギョーザ問題については、中国側からどのようなお話があったのでしょうか。
(答)中国の大臣は、通訳の言葉を借りますと「毒ギョーザ」と言っておられましたが、それは別として、大臣も非常に憂慮されていて、しっかりと取り組んでいきたいと、特に、中国の食品安全法が6月から施行されることになっているので、かなり厳しく取り締まっていくということでした。私からは、日本は中国の食材をたくさん買っていますし、また、中華料理店は日本人にとって非常に親しみあるものになっていますから、その意味で日本と中国というのは共通の胃袋なのだということを前提に、中国国内はもとより日本に対しても、しっかりと配慮してくださいという趣旨のことをお話ししました。
 中国産冷凍ギョーザ事件については、これまで総理も外務大臣も、中国の要人に会うたびに早期の真相究明を求めてきましたが、捜査主体は公安部ですから、会談した周大臣の直接の所管ではありません。今日の新聞でも報道されていたと思いますが、私が申し上げましたのは、冷凍ギョーザ事件の犯人が捕まることが、トータルで見た中国と日本のこれからの食の安全を担保するものではないわけですから、まずはこの冷凍ギョーザ事件については、きちんと中国側なりにけじめをつけていただきたいということでした。それにはいろいろなやり方があるのでしょうが、これをずっと引っ張ることで、他が一生懸命取り組んでいても、そこだけですべての食の安全が担保されていないといった受け止め方をされるのは、売る側の中国にとっても不幸ですし、受け取る側の日本にとっても、消費者の不安がぬぐい去れないということは非常に不幸なことなのですよというお話を、少し踏み込んでさせていただいてきたところです。

(以上)