野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年12月12日

(平成20年12月12日(金) 9:19~9:28  於:衆議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議については、特に御報告することはございません。
 私から、1つ御報告があります。
 既に皆さんも御存じのとおり、今週水曜日にノーベル賞授賞式が執り行われ、ノーベル物理学賞・化学賞を、4名の日本人がそのすぐれた御業績により受賞されたことについて、改めて心から敬意と祝意を表したいと思います。
 この受賞を契機に、若い方たちが科学技術に関心を抱き、自ら進んで積極的に新たな道を開拓しようと発奮し、我が国の科学技術活動全体の裾野が広がることを心より期待しております。
 政府としても、研究開発投資の持続的拡大、基礎研究の振興、そして研究者が最大限能力を発揮できる研究環境の整備に今後一層努めてまいります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)与党が決定した税制改正大綱では、当初、総理が3年後の引上げを明記するよう指示していた消費税について、引上げ時期が明示されないことになりましたが、一連の税制改正をめぐる動きについて、どう受け止めていますか。
(答)そういった報道がされておりますが、閣僚の一人として、私は麻生総理が「3年後」などと言い切るのを直接一度も聞いたことがありませんので、それはやはり党の方でしっかりと多くの方々が議論された結果だと思って、きちんと受け止めていきたいと思います。いずれにしても、どうも最近マスコミの報道を拝見していると、総理がこう言ったと言い切り調に書かれていることが多く、私なりにいろいろ確認してみると、必ずしも総理が仰っていないことであっても、あたかも仰ったという調子で報道されているように思われますので、少し困惑するところが正直言ってあります。
(問)今回の3年後の消費税率引上げの話は、昨日、総理が与謝野経済財政政策担当大臣とお会いになった後、総理の言葉としてマスコミの人に伝えてくださいということで、与謝野さんから、3年後上げたいと、それを明記してくれと、伝言のような形で私たちは聞いたのですが、それがうまく伝わらなかったということは、求心力という意味では、若干影響が出るのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
(答)消費税というものは、いろいろな角度から考えなくてはいけないものだと思うんです。中長期的には、これだけ高齢化が進み、労働力と言いますか、私たちがいろいろな財源を当てにしている世代の人口が激減する中で、直間比率の見直しについては、いずれはやらなくてはいけない、これまでどおりではいかないということは、だれでも冷静に考えればわかることだと思います。それをいつ実行するかということは、例えば、目先の足りない分を今すぐ補てんするというやり方は、一番わかりやすく、理屈の通るやり方なのかなと思う反面、景気という目に見えない動きに水を差すことになれば、期待値を下げてしまうというようなある意味でマイナスの効果も出てくるわけで、その辺りをいろいろな角度から十分検討することが必要だと思います。ただ、総理の思いを斟酌してみると、これまで消費税という言葉自体あまり国民に好まれない言葉ですから、多くの国会議員は避けて通ってきたところもありますが、真剣に将来を考えたときには、消費税の議論抜きには政治は進んでいかないということを明らかにしたわけで、その意味で、勇気ある行動だと思っています。ただ、現在の日本の経済情勢や雇用環境などいろいろ考えたときに、ついここ数カ月の間のことですが、かなり大きく株価等々経済指標も変わってきている中、あまりそういうことにこだわる必要はないのではないかと。言い換えますと、国民の消費に対するモチベーションが下がっているときに、消費税率引上げを実行しても期待どおりの税収は上がらないでしょうし、むしろ国全体の雇用にしても、消費意欲にしても、モチベーションが上がって安定したときに導入すれば、それだけ、より大きな効果を産むと思います。ですから、その見極めはとても大切なことですので、いろいろな議論がぶつかり合って結論を出していけばいいと思います。ということですから、それが求心力の低下だという言い方は少々短絡的かなと思います。
(問)今日夕方に総理が記者会見を開き、第3の経済対策を打ち出すのではないかという情報があるのですが、どう受け止めていますか。
(答)私はまだ存じ上げておりません。
(問)大臣の地元岐阜市の市立岐阜商業高校、いわゆる市岐商の関連で、昨日市長が辞意を表明され、それが大きく報道されるなど、関心が高まっていますが、お辞めになったことへの受け止めと、この問題の根幹にあります立命館への移管をどうすべきだとお考えかお聞かせください。
(答)正直言って大変驚きました。市長は任期半ばでありますし、岐阜も御多分に洩れず、他の地方都市と同じで、近年ずっといろいろな意味で経済情勢が悪化している中、やはり切れ目のない市政運営が非常に重要だと思っていますから、そういった中で突然の辞任とそれに伴う出直し選挙ということには、第一報を聞いて大変驚きました。市長の思いを斟酌するに、市でも国でもそうですが、行政を運営する中で、どうしたら活性化できるか考えた上での手法の一つに、今回、立命館があったと思います。これについては、2年近く市民の方たちですとか、様々な人たちが意見を闘わせた結果、市議会で採決が行われて、現時点では、市民を代表する市議会で適当ではないという判断が下されたわけです。それに対して、市長としては、立命館誘致ということが市長にとっては岐阜市の再生を賭けたものだと思われており、そういう見解の相違が市議会と市長の間であったということだと思います。
 私自身、市長の出直し選挙に対して、どういう姿勢で取り組むかということなのですが、岐阜県の自民党県連、そして岐阜市にある市連が専ら様々な各種選挙の責任者と言いますか、対応の窓口になっています。おそらく既にそれぞれの議員の方たちが、今後のよりよい岐阜市政のためにどうあるべきかということで、論議を重ねておられる最中だと思いますので、そういう様々な人たちの意見・結論を待ちたいと思っています。
(問)大臣を支援なさっている地方議員の方々は、市岐商を守ろうという立場の方が多いと思うのですが。
(答)必ずしもそうではありません。私の選挙でいろいろありましたが、今、おかげさまで、とりわけ市議会の皆さんの努力で、ほぼ一本化されてきたという中でありましたから、それぞれがそれぞれの立場で賛成・反対の立場をとられていたということはそれとして受け止めておりますし、私自身は皆さんを尊重して、自分としては中立と言いますか、これは市の問題でありますから、国会議員がしゃしゃり出て何かするのではないというような無言の空気がお互いございましたので、今日まで見守ってきた次第です。

(以上)