野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年11月28日

(平成20年11月28日(金) 10:16~10:31  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議につきまして、特に御報告することはございません。

2.質疑応答

(問)今日、国会会期の25日間の延長が決まることになりました。懸案になっている消費者庁設置関連法案について、まだ審議入りしていないわけですが、延長されたことで、その審議入りのチャンスをどうとらえ、成立に向けた動きをどのように組み立てていくか、お考えをお聞かせください。
(答)会期延長するしないにかかわらず、これまでの消費者が被った様々な事故、特に食品関係ですね、を考えると、本件は国民生活にとっては最重要な課題でありますので、1日も早く審議をしてもらいたいと願っています。
 伺うところによると、会期延長が決まらないまでは審議日数が足りないということで、国会対策上、野党の方から押し返されてしまっていたという経緯だということでありました。今回、新たに十分な審議時間がとれる状況になってきましたので、ぜひとも前向きに審議入りに向けて与野党が協力していただきたい、とにかく1日でも早く審議を始めていただき、1日でも早く成立させることによって、消費者庁が早くオープンできるわけですので、そういう消費者本位の政治意識をぜひ持っていただきたいと願っています。
(問)関連ですが、与党の中には消費者庁設置関連法案の審議入りをして特別委員会が設置されれば、そこで民主党の議員とマルチ商法との関連を追及したいというような流れもあるようです。そのことで消費者庁の法案審議にも影響があると思うのですが、そういう与党の中での別の目的意識については、大臣はどのようにお考えですか。
(答)そのことについては、具体的に聞いておりませんのでコメントはできないのですが、消費者庁というものは本当に大きな大きな行政改革です。昭和40年代の環境庁以来、本当に久しく、全く新しい組織が一から立ち上げられることがなかった中で、現在、喫緊の課題は、消費者がないがしろにされている感もあるこの国家にあって、「消費者目線」という新しい概念を国民と政治と行政が分かち合うという、大きな節目の組織づくりだと思っていますので、その立ち上げに私たちは没頭していかねばなりません。いろいろな周辺事情はあるかと思いますが、自分としては、自分の使命はやはりそういう意義ある新しい組織を作ることで、国民生活、消費者生活の安心・安全の第一歩を踏み出すことであると確信していますので、その実現に専念していきたいと思っています。
(問)関連で、与野党の対決ムードといったものが高まっていると思うのですが、その中で民主党が、延長しても更に審議入りについて否定的な態度をとった場合に、与党だけで、例えば特別委員会の設置を決めるとか、審議を進めるというようなことについては、どのようにお考えですか。
(答)他党のことなのでコメントしづらいですが、もとより「国民の生活が第一」でしたか、そういうスローガンの下で取り組んでおられる政党ですから、むしろこの件に関しては積極的に、国会審議の中で、民主党ならではの持論を展開していただくことが、よろしいのではないかと思います。水面下での、いわゆる国会対策のやりとりよりも、やはりオープンな、それこそ国民目線のオープンな場で、それぞれの意見をしっかり主張し合うことがよろしいのではないかと思います。
(問)与党が単独で特別委員会を設置するとなると、多分野党は審議拒否すると思うのですが、どう思いますか。
(答)ただ、これに関してはですね、国民、消費者を代表するたくさんの団体からも、速やかに審議入りをという要請を受けていて、まさに国民全体が望んでいることですし、そもそも政争の具になり得ない課題だと思っていますので、どういう形にせよ、速やかに審議入りするということを前提に、取り組んでいただきたいと願っています。
(問)マンナンライフがこんにゃく入りゼリーの製造を再開しましたが、そのことについての受け止めと、来月上旬には消費者の口に入ることになると思いますが、何かしら消費者の皆さんに注意喚起なさりたいことがあれば。
(答)まず私の仕事は、消費者行政を預かる身として、これまで起きていたこんにゃく入りゼリーによる窒息事故を今後なくしていくということ、それに尽きるわけです。そのために民間企業たるマンナンライフが独自に研究して、そして結果として表示をかなり大きくして、高齢者や子供は絶対食べてはいけないという、親や家族に対して警告を出しているということと、これまで問題だった外の袋を捨てた後の個々のカップにはそういう警告がないことにも問題があったのではないかということに関しても、カップ1個1個に警告を書くことにより、誰でもこれを見たら、これは子供とお年寄りは食べてはいけないということを見てとれるということになりますので、そういう意味では、消費者に対しての注意喚起をさらに徹底してくれたものだと思っています。また、中身についても柔らかくしたですとか、私、まだ食べていないのでわからないのですが、そういう民間企業の努力、そういう窒息事故を起こさないという大目的に向けての改善が行われたということで、今後を注視していきたいと思っています。
(問)改善は評価なさっているということですか。
(答)改善されたという事実はある程度評価しますが、私の使命は突き詰めると窒息事故を起こさないということになりますので、それにかなうものとなったかどうかというのは、まだまだいろいろな方面で検討していただかなければならないと考えます。各党もそれぞれ調査会等々を開いていただいており、様々な関係者の意見を聞いた上で取り組んでいくべきことだと思います。
(問)昨日、宇宙基本計画の骨子、基本的な考え方が宇宙開発戦略専門調査会で示されて、おおむね了承されたということだと思いますが、この内容について、野田大臣は、どういうふうに受け止めていますか。
(答)専門調査会で幾つか修文意見が出て、意外とかなり大きく変わっている部分もあると思いますので、決定的なことはまだ申し上げられない状況です。
 そういえば、専門調査会が最初に開催された頃、非公開で終了後ブリーフを行うという対応について非常に気にされておられて、この会見の場でも質問を頂戴したと記憶しています。私も専門調査会に2回出席しましたが、宇宙開発、とりわけロケットですとか衛星ですとか、そういう多分に技術的要素が大きいことに詳しい専門家から、全くそういうことに無縁の方たちまで、幅広い方々が交わす議論でしたので、マスコミの方には申し訳なかったですが、マスコミの方に取り囲まれている中では、あそこまで自由闊達に意見をはっきり出すことは難しかっただろうなと思います。ある意味知識が少ないことも承知の上で御発言をされなければならない場面もありましたので、皆さんには申し訳なかったのですが、そういう意味では、本当に自由に、思い思いの意見を生き生きと語っていただくことができたかなと思っています。
 その上で、これまで私たちが踏襲してきた道、例えば有人宇宙飛行に関しての考え方も、そこにコミットしていなかった人たち、ごくごく普通の国民目線に近い人たちからは、こういうことは子供の夢につながるのではないかという率直な御意見も随分出ておりましたので、そういう意味ではバランスがとれ、専門知識に偏らないと言いますか、本当に平易な、国民全体の様々な意見を取り込むことができたと思っています。最終的には座長がお決めになることですが、これまでの議論の経緯の中ではそういう思いを抱いています。
(問)その骨子の中にキャッチフレーズのような形で、「宇宙発、日本の底力」とありますが、そのフレーズは大臣の御意向が反映されたものだという説明を事務局から受けておりますが、どういう思いを込められたのでしょうか。
(答)裏事情が漏れてしまいましたか。この「日本の底力」というのは麻生総理のお好きな言葉で現政権の一つのキーワードですね。私は宇宙開発担当で、宇宙から出来ることをということで、専門調査会の皆さんに、いろいろ、とにかく何でも排除せずに考えていただきたいと申し上げました。自身のそれぞれの異なるライフスタイルがあるわけですが、別に宇宙の仕事をしていらっしゃらない方もたくさんお見えになっていた中で、むしろそういう人たちが宇宙開発はどうあるべきかということを、本当に「底力」として発出してもらいたいという思いを込めさせていただきました。
 実は、現在、金融危機等で世界中が大変な事態で、日本も本当に厳しい状況になっていますが、景気が立ち直るときは必ず来るはずなんですね。そのときまでに私たちが準備しておかなければならないのは、今日も閣僚懇談会の場で大きな話題になったのですが、やはり新技術とR&D、研究開発だと。次の景気の立ち上がりのための、一気に加速するための大きな原動力になるということでしたが、この宇宙開発もまさにその一つだと、私は思い切り大きく位置付けているところです。
(問)同時に、昨日示されたGXロケットの進め方、この内容についてはどういうふうに。
(答)いろいろと見解の相違が事前には出ていたらしいのですが、私は素直に、今のGXロケットの研究開発の凍結を解除して、その上でまだ幾つか問題点がありますよね、本当にニーズがあるのかという話ですとか、技術が本当に確立できるのか、実際に大丈夫なのかという、これがまだペンディングとなっているわけで、2つのペンディングがありますので、これはやはり私どもが例えばアメリカと直接いろいろと交渉していく中で、潜在的な需要をきちんと明らかにさせることが大事ですし、技術の方も、机上ではなく実際に実験をすることで実証していくという、これはやはり行っていかなければならないと考えています。
 その上で、これが先送りかどうかという議論の分かれ目になるのですが、実証するには時間がかかりますので、この先本当にこの技術を生かせるかどうかの確認を来年の8月をめどに行うこととし、この間急ピッチで、今まで凍結されていたものを解除して、全力で研究開発に取り組もう、実証していこうということを、概ねそういう流れを決めていただいているということだと思います。
(問)麻生総理が、たらたら生活している人の分まで医療費をなぜ払わなければいけないのかという趣旨の発言をされて、患者の方にとっては非常に不快な思いをさせることになるかもしれないということで撤回をされたのですが、この発言についてはどのように思われますか。
(答)この発言についても、麻生総理自ら陳謝されました。表現の仕方に患者さんを傷つける、病気で苦しんでいる方を傷つけてしまう表現があったことを御本人は不適切だと陳謝しているわけですし、私も同様に思います。
(問)失言ととれるような発言が相次いでいることについては、どう思われますか。
(答)既にこの会見の場で何度も何度も申し上げてまいりました。私ごときが総理の言動に対して、大層なことを言える立場ではありませんし、総理御自身のことは、総理がこれからも自ら御対応されるものと思いますが、私としては、自身のことで手いっぱいですので、私自身は国民の皆さんにそういう誤解を与えるような表現をしないよう、しっかり慎重に発信していきたいと心がけている、そういう日々でございます。

(以上)