野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年9月19日

(平成20年9月19日(金) 10:48~10:59  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議では、私の所管の関連で、法律案3件と政令2件の決定がございました。
 初めに、福田内閣の最重要課題の一つとして作業を急いでまいりました「消費者庁関連3法案」を政府案として閣議決定いたしました。
 まず、「消費者庁設置法案」は、内閣府の外局として消費者庁を設置するための法律です。次に、「消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案」は、消費者に身近な法律を消費者庁に所管させるための必要な改正などを内容としております。三つ目に「消費者安全法案」は、消費生活における被害防止、安全確保のため、消費生活センターの設置を法律上明記するとともに、いわゆる「すき間事案」について、迅速・適切な対応を可能とするものであります。いずれも、来年度から消費者庁を創設し、消費者・生活者が主役となる社会を実現する国民本位の行政に大きく転換していくために必要不可欠な法案であり、次期国会に提出し、早期成立を目指してまいりたいと思います。詳細につきましては、事務方から説明させますので、問い合わせをお願いします。
 政令に関しては、国会の立法動向を踏まえ、お手元の資料のとおり、2件を閣議決定いたしました。
 また、お手元の資料のとおり、閣議において、「平成20年秋の全国交通安全運動及び『交通事故死ゼロを目指す日』の実施」について発言をいたしました。来る9月21日から30日までの10日間、秋の全国交通安全運動を実施いたします。また、9月30日は「交通事故死ゼロを目指す日」としており、交通安全に対する国民意識のさらなる向上を目指すこととしております。これまで関係機関・団体の協力を得て、周知徹底に精力的に取り組んでおりますが、閣僚各位に対し、交通安全対策の推進に一層の御協力をお願いいたしました。
 最後に、昨日、事故米の流通先となりました京都市の保育園と介護老人保健施設を訪問いたしましたので、閣僚懇談会において御報告いたしました。事故米の不正規流通問題については、今週の初めに総理より頂いた指示に基づき、今回の訪問で得た現場の声をしっかり捉え、来週22日には対応策を取りまとめたいと考えております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今回の事故米の問題に関連して、農林水産省の白須事務次官が辞任することになりましたが、改めて、その受け止めについてお願いします。
(答)先立っての農水事務次官の発言は大変不適切であったと思っておりますし、その結果、国民が、農水省はもとより、政府全般に対して大変な不信感を抱いてしまったというのは事実だと思います。今般、お辞めになることについては御自身の判断で、それは一つの解決法だと思っていますが、次官が辞めたからといって、この大きな事案が解決するわけではないので、できれば、今、私たち内閣府を含め関係の担当官が、本当に連日へとへとになりながら、一日も早く消費者の不安を取り除くためにと現場で頑張っているわけですから、そういうことも考えていただきたいなと思います。辞めてしまえば全てが許されるというような社会ではないと思いますが、ただ、辞められたことは一つの判断だと、そう受け止めています。
(問)今日の閣僚懇談会で野田大臣が報告されたときに、閣僚なり総理と、やり取りはありましたか。
(答)まず、文部科学大臣から学校給食でも出されていたということで、非常に不快な思いであり、踏み込んだ発言かもしれないが、やはり市場原理の行き過ぎということも、今改めて考えていかなければならないのではないかというような御発言もありました。また、総理からは、残念なことだが、社会というものは人で成り立っているのだから、そうした社会においては必ず問題は生じるという自覚を持って、私(野田大臣)であれば内閣府といったように、それぞれの担当の中で、常に問題があり得るのだという、そういう認識で仕事をしてほしいと、そして、問題が発生したときには、迅速に国民に迷惑をかけないように解決をしていくということを常に意識してほしいというような発言がありました。
(問)「消費者庁関連3法案」ですが、解散が早期になされるという空気が強まっているという見方もある中で、現時点で、まだ成立のめどが立たないことについて、大臣御自身は改めてどういうお気持ちでしょうか。
(答)国会のことは国会がお決めになることですので置くとして、私が総理から与えられた任務は、様々な人が関わって、そして、日本で初めて出来る消費者・国民に顔を向けた役所「消費者庁」を作る、そのための関連3法案をしっかりとまとめていくことでありますが、次の総理大臣が就任されても、このあり方で進めていただくということを、3法案という形で今日の閣議決定で決めさせていただいたということで、一つ仕事ができたのかなと思います。
 これら3法案は、現在、事故米の問題も含めて、国民がありとあらゆる食の不安の中に置かれ、食だけではなく、様々な製造物に関しても事故が多発する中で、それぞれの担当する役所が言わば「金属疲労」を起こしているとするならば、それらに取って代わる新しい組織が必要であるし、急務であると、そういう理解をしていますので、必ず次の国会では真っ先に提出できるよう、今日、閣議決定をさせていただいたものであります。
(問)今回出された関連3法案が成立するまでの間も、恐らくこういう消費者を不安にするような事故というものは続発すると思うのですが、そうした事案に今後どのように対応していきますか。
(答)先立って申し上げたように、現在、言わば「プレ消費者庁」という形で検討チームを作っておりまして、これは、多分、内閣総辞職や次の組閣が行われる24日の時点で、例えば私なり増原副大臣がどうなるか、それは定かではないのですが、検討チームそのものは残り、なおかつ消費者安全情報総括官会議も出来ていますから、それも残り、更には第三者委員会も今日からスタートします。そういった仕掛けが残っていきますので、それらが、消費者庁が出来るまでの間、責任を持って機能していくと、そういうことで進めていきます。
(問)その関連で、今日、第三者委員会の第1回会合がありますが、委員の人選のねらいと、どういうことを期待するかをお伺いします。
(答)増原副大臣をヘッドとする検討チームというものは、担い手が全部役所の人たちですので、消費者目線に立つためには、そこに役所的ではない視点を与えてくれる人たちが必要だと思います。消費者行政に詳しい人、また、今回の事故米の事案は米の流通が非常に複雑化しているという側面もありますので、そういう流通経路についても見識のある方、更にこういう食の安全を脅かす人に対してのペナルティーは果たしてこのままでいいのかという疑問が各方面から出ておりますので、そういうことも検討していただけるいわゆる法曹界の方、そういう様々な背景を持った人たちのコンビネーションとして立ち上げさせていただきました。
(問)事故米の問題で、連日、情報を一元化して記者会見を開いていますが、かえって農林水産省や厚生労働省がそれぞれ発表していたときよりも、情報の出方が遅くなっているのではないかという指摘がありますが、いかがですか。
(答)これについては増原副大臣にも同じ問いかけがありまして、そうではないというお答があったと思いますし、私自身も、スピードが遅くなったということは全く感じていません。ただ、ある程度の大きな分量の情報が出された後、更にいろいろと流通経路を現在調査していますよね、そういったものは引き続き明らかになってきているということで、順次、きちんと皆さんには報告していると思います。
 問題なのは、農水省で発表されたものが厚労省や内閣府にうまく流通されない、情報が共有されないということでありまして、検討チームの中でそれが一番の懸念材料になりますので、そういう意味で、やはり一元的かつ総合的に取り組むことが、本件の解決に当たってはベストだと思っています。決して遅くはなっていないと思います。
(問)例えば、農水省の発表の担当の方が、内閣府に相談しないとこれは発表できるかどうかわからない、すべて内閣府に相談しないといけないといった理由で答弁を控えることもあったのですが。
(答)それは少し悲しいことですね、大事な情報は直ちに共有し合っているはずですから。実際はその話をされた御本人と私自身、話をしていませんので、どういう意味で言っているのかはわかりませんが、ただ、そういうことがないようにと事務方に指示してあります。

(以上)