野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年9月2日

(平成20年9月2日(火) 10:47~11:01  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議について、特に御報告するものはございません。
 閣僚懇談会の冒頭、福田総理からお話がございました。昨晩、急に、予告なしに辞任を発表するということになって、各大臣には大変申し訳なかったというお詫びがございました。総理の思うところ、臨時国会を目前に控えて、重要な政策課題、消費者庁創設もその中の一つですけれども、真剣に議論に入れるような、そういう環境ではない中で、自分が潔く身を引き、新たな総理の下でやっていただくことが良いのだという総理の御判断であったと聞きました。
 私たち大臣に対しては、さはさりながら、党の方では、これから次の総裁選挙があり、そして国会において首班指名があり、そして、そこで新たな内閣の組閣がされるわけですが、それまでは、私の場合は内閣府特命担当大臣という仕事をいただいているわけで、それぞれの大臣はそういうことに惑わされず、歩みを止めることなく与えられた任務をきちんと全うするようにという御指示をいただきました。
 全てではありませんけれども、各大臣からそれぞれコメントがありました。それは割愛させていただきますが、私からは、消費者庁創設の責任者としてお仕事を頂いている中で、ゴール目前といいますか、法案もほぼでき上がり、機構・定員、予算等々も順調に運んでいる矢先でありましたので、この消費者庁の発案者というのは、まさに自民党の中ではたった一人、福田康夫内閣総理大臣でありましたから、非常に無念だし、それほど高い関心を寄せている議員がまだまだ党内に少ない中、不安に感じるので、ぜひともどなたが総裁・総理になられるかわかりませんが、やはり福田総裁・総理として、きちんとこのことについては言及していただきたいということをお願いいたしました。総理からも、自分が一番気になっているところだという話があり、きちんとやらせていただくということでございました。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)総理の辞意表明については、非常に急な話だったかと思うのですが、率直な御感想というか、一番最初に聞かれて、どういうふうに思われたのでしょうか。
(答)一番初めと言えば、昨日の記者会見をテレビで拝見したときですけれども、昨日の朝、防災訓練で御一緒して、至ってお元気でしたし、表情も明るかったものですから、突然のことでどう申し上げていいか言葉がございませんでした。
(問)先ほど大臣も仰いましたが、消費者庁を作るに当たり、自民党の中で一番力を注いできたのが福田総理だということですけれども、大きな推進力がなくなった中で、大臣としては、自民党に対し成立に向けてどのように働きかけていきたいとお考えですか。
(答)まずは、次の組閣があるまでは私が責任者ですから、それまでに、党というよりも、国民の皆さんの支持を頂くような活動を精一杯させていただいて、有権者の方から党に対して、これは日本の国にとって、国民生活にとって、極めて大切なのだからしっかりやれと言ってもらえるようなトレンドを作っていけるよう頑張っていきたいと思っています。
 党の方では、幸い、前任の岸田大臣が消費者問題調査会の会長をしておられ、私以上に消費者をめぐる問題にお詳しい専門家でありますし、調査会が積極的に働きかけていただく中で、若い議員の中にも熱心な方がたくさんいますから、そういう方たちと協力をして啓発に努めてもらいたいと思います。
(問)先ほど大臣が仰いましたが、次の総裁選挙で、野田大臣自身の出馬を求める声も揚がっているようですが、出馬の御意思があるのかどうか、お願いします。
(答)名前を挙げていただいたことは大変名誉なことで、率直にうれしく思います。先ほども岐阜県連の猫田幹事長からお電話がありまして、名誉挽回を果たせたなというふうに喜んでおられました。ただ、くどいようですけれども、私は現在内閣府特命担当大臣であり、そして、私に与えられた仕事というのは大変大きい、本当に世の中を変えるような仕事だと信じていますから、これに専念していきたいと思っています、それだけです。
(問)御要請が正式にいろいろな方からあったとしても、それは受けないという方針でよろしいのですか。
(答)今は考えていません。
(問)総理が昨日突然辞めたことで、政権を投げ出したですとか、無責任じゃないかという批判も世の中では揚がっているようですが、その点についての、大臣の見解はいかがでしょうか。
(答)私はまだわずか1カ月しか、福田総理のもとで仕事をしておりませんが、少なくとも私と仕事をしている間は誰よりも熱心でしたし、誰よりも将来のことを憂いて、様々な案件、例えば消費者庁、科学技術政策、更には環境エネルギー技術等々、熱心に取り組んでおられましたし、先の経済対策においても、本当に昼夜問わず、様々な大臣と仕事をしていた姿がございましたので、軽々にそのように片づけてしまうのはいかがなものかなと思います。
(問)昨日、総理から麻生幹事長に、総裁選を華々しくやってくれというお話があったというふうに聞いておりますが、大臣が思う総裁選のあり方ですね、どういう形が望ましいと見ていらっしゃいますか。
(答)自民党には、他党もそうですけれども、男性もいれば女性もいる、若い人もいればベテランもいる、様々な人がいるわけです。華々しいという意味ははっきりとはわからないですけれども、専門性もそれぞれ違う、多種多様な国会議員が選ばれているわけですから、その中で複数の人たちが自由に選挙にエントリーして、そして、それぞれの思い、政策を語り、様々な意見を国民に披露すること、それがやはり民主的な日本の政党のあり方だと思っています。
(問)その一翼を担いたいというお考えはありますか、改めて。
(答)そう言っていただいてありがとうございます。ただ、今までも私の政策は自民党の中でもかなり異端と言われていましたし、10年、20年先の日本の姿だとかなり揶揄されてきておりますので、そういうところも冷静に踏まえて、やはり今の時期、こういう緊急な事態ですから、私自身じっくりと、仲間や先輩議員の様々な考えを聞いた上で判断します。
(問)仲間の方、先輩議員のお話を聞いた上で出馬を判断することもあると考えていいのでしょうか、今の話ですと。
(答)そういう誘導尋問は受けないことにしているのですけれども、ただ、まだ今は全く白紙で、同僚議員始めいろいろな方から電話を頂いたりしておりまして、今どういう状況か全くわかりませんので、そういうところから学んでいきたいなと、そのように考えています。
(問)こういう事態になって、次の新たな総裁については、どういう方がふさわしいとお考えですか。
(答)まずは、大前提として、開かれた総裁選挙を行うということです。そこで選ばれることが大事なんだと、党内のいろいろな理屈で収れんさせて一人の人を選ぶというような旧来型のやり方は決してやってはならないと、やはり多くの人々の目に触れる場で、良いところも悪いところも明らかになった上で、多数決をもってフェアに透明性高く選ばれることがまずは大切であると、そのように思います。
 2つ目は、政策面ですが、私からのお願いを言わせてもらえれば、やはり旧来の自民党のあり方からどれだけ抜け出ることができるかだと思っています。私はどちらかというと改革派ではないと言われているのですが、自分では、過激な改革派だと思っていて、過激過ぎて皆さんがついて来れないという面もあるのですけれども、それは別として、人の生き方とか家族のあり方を縛っているこれまでの旧来の仕組みとか、そういうことも抜本的に見直して、個人一人一人が自分の意思で生き方を決められ、そして社会に貢献できるような、そういう風通しのいい国づくりができる人を望んでいます。
(問)安倍政権、福田政権と1年前後という短命の政権が2代続きました。自公連立の難しさといいますか、政策面での協調等の難しさ、その限界が指摘されていますが、大臣の御意見はどうでしょうか。
(答)最近の公明党の強めな対応と言いますか、いろいろな場面で様々な発言をされていることが質問の背景だと思うのですが、むしろ仲がいいからこそ、言いたいことも言わせてもらえるという健全な関係だったと思います。この人ではだめだと思えば、言っても無駄だというところもあるでしょうから、そういった意味では、公明党の皆さんが歯に衣着せぬ厳しい要望なり、そして注文なりを頂けたということは、健全な自公関係が築かれていた証左だと私は思います。
 自民党に足りないところを公明党が持っていたり、また公明党ではできないことを自民党がやれていたりということで相互補完もあったわけで、できればポジティブな部分をもっともっと次は生かしていければなと思います。
(問)太田農相の事務所費問題など、いわゆる政治と金の問題が今回の原因だったのではないかという声もあると思いますが、それについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)必ずしもそうとは言い切れないと思います。この辞任に関しましては、総理の独自の分析と判断に立ったものであって、やはり円滑な議会運営ができない、ねじれ国会の中で、野党との大人の話し合いというのがなかなか実現できないという中での御決断だったと思います。
 太田農相につきましては、御自身自ら政治家として、皆さんが納得いくまで説明責任を果たさなければならないということだと思います。

(以上)