野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年8月26日

(平成20年8月26日(火) 10:32~10:45  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議は、政令が11件、配布が1件ありました。
 私からは1つございます。
 本日の閣僚懇談会において、消費者庁創設に向けた予算、機構、定員の移管等について、私から発言をしました。
 具体的には、各大臣に対し、消費者庁の創設は国民目線に立って、行政のあり方を根本から転換するこれまでにない取組であり、このような趣旨を十分踏まえ、消費者庁の創設に向け、従来の発想を大胆に超えた取組をしていただくようお願いをしたところです。このような観点から、引き続き消費者庁創設に向けた準備作業に全力を傾注し、取り組んでまいります。
 詳細につきましては、消費者行政一元化準備室にお問い合わせください。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)閣僚懇で大臣がこういう発言をされた一番大きなねらいは何でしょうか。
(答)いよいよ臨時国会招集のめどもつき、皆さんが伝えておられるところでは、消費者庁創設が最重要課題になっていますから、それに向けて、積極的に法案提出準備を進めているところです。現在取り組んでいる消費者庁の創設は、新しい行政機関を作って肥大化させるということでは決してないということは、消費者行政推進基本計画において厳しく言及されているところですが、この基本計画は改造前の内閣で閣議決定されたものでありますから、大方新しいメンバーになりましたので、改めて現在の内閣の各大臣にその根本を再確認していただきたいという思いから、今回あえてもう一度繰り返させていただきました。
(問)現在用意している消費者庁の概要については、特に説明等はされたのでしょうか。
(答)しておりません。ただ、基本的な考え方として、新たに人を増やしたり、お金を増やしたりすることではなく、今あるものが縦割りになっていることでうまく機能できていないという反省を踏まえて、それを集約させていく作業だということを念頭に置いていただきたいと、そういうことをお伝えしたかったということです。
(問)昨日、民主党が消費者権利院を内閣の外に設置するという対案をまとめ、臨時国会でそれを提出する予定だということなのですが、今後、民主党とどういうところで折り合いをつけていこうとお考えでしょうか。
(答)まだ、折り合いをつけると言っても詳細を確認していません。ただ、一番大切なことは、消費者の立場に立って、消費者の安全・安心がきちんと守れる国であるという証しを立てていかなければならないということであるという、その点については一致していると思います。
 ただ、現在、財政事情も厳しき折、一番気をつけなければならないのは、それを名目に肥大化させることになると、消費者イコール国民イコール納税者でありますから、喜ばしいことではないと。その意味では、私たちの案のほうが、肥大化を防ぐ観点を最大限踏まえて取り組んでいるところですので、寄り添ってきていただければと思います。
(問)消費者庁創設自体が今までより悪くなることだと、民主党側は、昨日の会見でもお話しされていたのですが、根本的にかなり考え方が違うように見える中で、寄り添っていけると思いますか。
(答)そうです。そもそも消費者庁は、大きな意味では、明治以来の縦割り行政というものに限界が来ている中で、その一つに、消費者行政が行き届いておらず、結果として重大な事故が起き、多くの消費者、小さな子どもさんも含めて命が失われてきたことに対しての反省を踏まえ、やはり縦割りでは限界があるとの認識から出発しています。要するに、行政の中の形を変え、そして、情報を共有して集中的に取り組むということが一番大切なことだということがスタート地点なので、現在ある役所を縦割りのまま放置しておいて外の機関から何か言っても、元々縦割りであることにより機能が劣化していることが変わらない限りは、国民、消費者の思いを遂げるのは極めて難しいのではないかと、その違いが大きいと思います。
(問)太田農水大臣の事務所費についての一部報道がありましたが、閣議の中ではそういったお話というのはありましたか。
(答)ありませんでした。
(問)大臣御自身はどういうふうに、御感想をお持ちですか。
(答)報道自体まだ拝見していないので。そういう記事が出ているらしいですよと教えてくれた方がいましたが、中身の確認はしていないので、この件についてはコメントを差し控えたいと思います。
 私としては、自分自身の政治活動において、皆さんに御迷惑をかけることがないよう、法律に則ってきちんと対応していきたいと、それだけです。
(問)青森県のリンゴジュースの偽装問題で、今日、県警が家宅捜索に入って、いわゆる偽装事件ということになったのですが、改めてこの問題についての受け止めと、今後、こうした身近な食品での偽装が起きないための再発防止策についてお願いします。
(答)そもそも食品の産地等の表示は、私たち消費者がいろいろな物を選択するときの目安ですから、これを裏切るということは非常にいけないことです。こうしたことが何度も繰り返され、リンゴジュースでも同様の事件が起きたことは、遺憾という言葉が妥当か、更に言えば、非常に腹立たしいと。
 今後こうした事案をなくすためにはどうしたらいいかということは、1つには、やはり事業者のモラルと言いますか、少子高齢化という新しい局面の中での市場では、消費者に対して誠実なものが報われるんだという、そういう事業者としての志をしっかり持っていただいて、むしろそもそも原点はそこにあるわけですから、いい物を売るんだという、そういうモラルの醸成をしていただきたいと思います。併せて、これから消費者庁を作るに当たっては、表示については厳しく、やはり消費者が様々な物を選ぶときの唯一の選択の目安ですから、これが間違っているということになると、消費生活そのものが崩壊してしまうことになるので、厳しくチェックを入れていくということを改めて申し上げたいと思います。
(問)政府・与党は、臨時国会の会期幅を70日程度とすることで合意しました。消費者庁の設置法案成立に向けて、この会期幅は、十分なものと捉えられますでしょうか。
(答)法案の内容そのものは当然至極で、今までこの国に足りなかったこと、やらなければならなかったことを、消費者庁を設置することで、来年度早々から全面的に変えていくわけです。これにより、消費者の目線に立って、消費者の自立を促し、消費者の様々な選択を広げるとともに、新しいルールが確認された市場の中で産業が生き残れるという、いわゆるウィン・ウィンの関係、今まさに多くの人たちが求めていることに着手することになりますから、反対をされる人は極めて少ないと思います。
 ただ、先ほど民主党の話も出ましたが、いろいろな事情ですぐに賛成しかねる方もおられるとは想像しています。それでも、根気よく熱心に審議をしていただく中で、私たちの思いを伝えさせていただいて、これは元々対立する政策課題ではありませんから、しっかり取り組んでいきたいなと思います。
(問)宇宙開発に関して、明日、宇宙開発戦略本部を立ち上げる予定かと思いますが、懸案になっているGXロケットについては、どういう観点から、いつごろまでに開発計画の是非をどう判断されるのかということと、GXロケットについては文部科学省の宇宙開発委員会でも審議中ですが、宇宙開発委員会の議論とのかかわりをどういうふうにお考えでしょうか。
(答)まず、おかげさまで、いよいよ戦略本部が立ち上がることになったことを言っていただいてありがとうございます。明日は宇宙飛行士の毛利衛さんも来てくださるということで、ぜひいいキックオフをしたいなと思っていますが、GXロケットに関しましては、これまで様々な視察や関係の皆さんとの意見交換の中で、立場立場でいろいろと御意見が違うことも、私も十分認識してまいりました。
 そこで、差し当たり今仰った文科省の委員会で議論されておりますが、当然、戦略本部においても、どういう形にせよ、これは避けて通ることができない一つの大きな課題であります。戦略本部が出来、そして有識者会議が設置されることになりますので、産業界、学識経験者、様々な人たちで構成される予定の有識者会議の場でも、やはり平場でどんどん議論していただく中で検討を進め、答えを出していただけるようお願いしたいなと思っています。
(問)関連ですが、戦略本部が立ち上がるということで、大臣として、当面どのようなことに取り組んでいかれるか、課題ですとか目標などがあれば教えてください。
(答)いろいろな希望や夢はあるのですが、まずは、やはり世界でも冠たる技術を確立した宇宙開発分野での日本の「宝」を、どちらかいうとこれまでは研究に重きを置いていましたが、これからはやはり日本の将来を見据えて、いかに産業化をスムーズにしていくか、そして、より多くの人たちが日本のテクノロジーで、精神的にもいろいろな意味でも豊かさを得ることができるかということを幅広く考えていきたいと思います。併せて、日本がこのすばらしい技術を持って世界に貢献できることは何かということを考えたとき、地球温暖化や気候変動といった地球規模での課題の解決に当たり、これはかなり日本としては強みなのではないかと考えており、こうした面を伸ばせるよう取り組んでいきたいなと私個人は願っています。
(問)昨日、科学技術政策担当大臣として官邸に行かれたと思いますが、これはどういう用件だったのでしょうか。
(答)今回の経済対策も踏まえて、これからの福田内閣の重要な政策の一つに、低炭素社会をどう築き上げていくかということがありますが、その大きな主役となれるのが環境エネルギー技術だと福田総理は指摘されておられます。そこで、総合科学技術会議の相澤先生、薬師寺先生と御一緒に、今現在、日本の研究者・技術者たちが取り組んでいる環境エネルギー技術が幾つかあるわけですが、それについての進捗状況ですとか、どこに重きを置くかとか、これについてはどういう取り組みをするかといった割と具体的な議論をさせていただきました。

(以上)