野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年8月22日

(平成20年8月22日(金) 10:45~10:54  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 本日の閣議では、一般案件が2件、政令が4件、配付が1件ありました。
 私からは1つございます。
 お手元の資料のとおり、本日、閣議終了後、私が副本部長を務める薬物乱用対策推進本部が開催されました。
 同本部会合におきましては、「薬物乱用防止新5か年戦略」及び「薬物密輸入阻止のための緊急水際対策」のフォローアップを行うとともに、MDMA等錠剤型合成麻薬の押収量の増加や覚せい剤事犯再犯率の増加等、新たな課題に対応するために、「第3次薬物乱用防止5か年戦略」を決定いたしました。
 新たな「薬物乱用防止5か年戦略」は、青少年を中心とした、薬物乱用を拒絶する規範意識の啓発や取り締まりの徹底に加え、薬物依存者の社会復帰のためのネットワークを整備するなどの再乱用防止対策を重視することに重点を置き、薬物乱用の根絶を目指しています。
 詳細につきましては、共生社会政策担当にお問い合わせください。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)インドで日本人依頼による代理出産が発覚しましたが、その生まれた子どもの国籍や入国といった点で想定外の問題が出てきています。日本学術会議が国に対応を求める声明を出しましたけれども、所管する大臣としてどのようにお考えでしょうか。
(答)以前もここで申し上げたかもしれませんが、日本では、まだ代理出産についての詰めた議論がなされていませんし、国民の間でも、意見が活発に出ていない状況でありまして、そうした中、やはり世界各地で代理出産が行われているという事実を、ある意味、国民の皆さんには知っていただいたわけであります。一番大切なことは、生まれくる子どもの福祉なんですね。その子どもが地球の上に生まれてきたこと、そしてその命を守ってあげなければいけないことを考えたときに、今後はやはりそういう事実に基づいて、代理出産について、もう少し日本でも積極的に議論を進めていかなければならないと思います。
 日本学術会議では、科学的な見地からと言いますか、いろいろな発信をしていただいているわけですけれども、これについては、やはり個人的な生命倫理に関する思いですとか、または家族のあり方というのもありますし、それに伴う法律・制度や医療技術のことですとか、本当に複雑な様々な要素が絡み合っている問題ですので、せっかく日本学術会議からも声明を出されておりますし、早急にどこかで議論の場をしっかり作っていかなければならないと思っています。
(問)関連で、大臣は、超党派による代理出産の法制度の勉強会の会長もやっていらっしゃいますけれども、そちらのほうでの法整備の議論はどのような状況になっていますか。
(答)民主党の小宮山洋子さんと共同という形で勉強会をしてきました。
 先日、小宮山さんからお電話がございまして、法律整備についてどうするかということだったのですが、今現在、私は大臣職にありますので、立法作業に携わるのはなかなか難しいということで、差し当たり、現段階では、小宮山議員の指導の下で、要綱なり、試案なりをまとめていただいて、これから検討していこうということでお約束をしました。
(問)アップル社のiPodの問題ですが、現在のルールでは、重大事故でなければ報告しなくてもいいというようなことで、まだ未報告のものが幾つかあるというふうに聞いております。この問題について、大臣はアップル社に対して何か説明を求めたりといった、ことを何か考えていますか。
(答)今後の消費者庁創設に当たっても、そのご指摘はいろいろな考え方が出てくる問題だと思います。現在では、重大事故というのは、事故によってお亡くなりになられた方があったですとか、または30日以上の加療を要するという要件が別な法律で定められており、それに基づいて重大事故と認定される一方、そこまで至らない事案については報告義務がないということがあります。
 ただ、現在、消費者庁創設の議論の中で、本当にそれでいいかどうかと。初めは小さな事故であっても、全国に被害が広がることも考えられるということで、これについては現在検討中で取り組んでいます。
(問)それは、報告義務を新たに課すとか、そういう制度的な見直しを行うということですか。
(答)それも含めて、全体像の中で何かできるかということを現在検討中です。私としては、やはり一定の線で切ってしまって、30日以上の加療だと報告するけれども、25日だと報告しないといった、そういう杓子定規のようなことで消費者の安全というのは図られないのではないかという思いを持っていますので、これはもう少し事務方ときっちり話を詰めていきたいなと思っている課題の一つです。
(問)薬物対策の所管として、若ノ鵬に関する、角界の薬物疑惑についてはどのように考えていらっしゃいますか。
(答)あってはならないことです。それに尽きると思います。今日も鈴木文部科学大臣からそのことについて御発言がございました。相撲協会の方がお出かけいただいたそうですが、二度とこのようなことがないように徹底してほしいと厳しくおっしゃられたということであります。
(問)昨日、官邸に行かれて、消費者の問題で官房長官に御報告されて、いろいろ御指示とかがあったかと思うのですけれども、昨日は、ぶら下がりで、決めたところもあれば、今後のこともあったということでしたが、もう少し具体的にお話しいただけませんでしょうか。
(答)まだ具体的に報告できるまで固まっておりませんので、もう少し時間をいただきたいと思います。特に強調していたのは、やはり地方の充実です。地方を担っている相談員さんたちの働く環境のあり方、こういうことを、消費者庁が出来てからというよりも、今からスタートしていかなければならないというような話では共通認識がありました。
(問)その部分については、総合経済対策にも盛り込むように検討されていると思うのですけれども、それも長官とは直接お話をされましたか。
(答)お話ししました。とにかく、どういうことが起きるかわかりませんけれども、与えられたチャンスはしっかり生かして、先に進めていくべきことはどんどん進めていこうと。消費者庁の設置を待つ前にある程度完成しているような、そういう状況を作りたいなと思っています。

(以上)