与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年6月22日

(平成21年6月22日(月) 9:49~9:56  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 本日閣議後の閣僚懇談会において、国土交通大臣から日本航空の経営改善が図られるよう強力に指導・監督を行っていくとのご発言がありました。日本政策投資銀行による危機対応融資の実施について協力を要請されました。なお、今回の融資の実施に伴い、同行の融資シェアは一時的に高まることになりますが、抜本的な経営改善計画策定時においては同行のシェアを従前以下に引き下げるよう最大限の努力を行いたいとのご発言がありました。私からは、これらを前提としてご要請のあった日本政策投資銀行による危機対応融資の実施に協力していきたいと考えており、同行にも要請内容をよく伝えたいと申し上げたところでございます。これらを受けまして官房長官から国土交通大臣に対し、日本航空が関係者から必要な協力を得て経営改善を確実に実現していくよう強力に指導・監督を行っていただきたいとのご指示がありました。

2.質疑応答

(問)今お話のあった日本航空の件ですけれども、これは政投銀の融資に政府保証をつけるということだと思いますが、この場合当然厳しく経営を監督していく必要があると思うのですが、ここについての大臣のお考えと、政府保証をつけざるを得ないという事態になったことについてのご感想というのをお願い出来ますか。
(答)大企業、中堅企業、小規模企業、全てが資金繰りに窮しているという状況にございます。そういう中にありまして、航空会社は、昨年は燃料高騰で影響を受け、昨年の暮れからは世界同時不況、旅客数の減に直面しまして、日本航空の場合ですと2割強の売上減が出ておりますので、固定費が多いという航空会社の性質を考えますと、当然なかなか経営は大変だと。そういう中で、資金調達を円滑に行うために政投銀に対してお申し出があった。政投銀が融資を始めれば一般銀行もこれについてきてくださると、そういうことでございますから、いわば資金繰りが苦しいということでございます。なお、国土交通大臣が強調されていましたように、無条件の融資ではなくて、やはり経営改善に全力を上げなきゃいけないという認識の下で政投銀の融資が実行されるということでございます。
(問)骨太の方針についてですけれども、自民党の総務会でも了承が見送られて、基本方針2006を踏まえてというところについて批判がかなりあるようですけれども、大臣のお考えとしては、そこについては党内の理解を得られるというお考えなのか、あるいはそこを変更するということもあり得るのか。またシーリングで具体的に2,200億円の抑制ですとかそういったものをどういうふうに今のところ扱おうと思っているのか、併せてお伺いします。
(答)自民党というのは、昔から色々な難しい問題に直面しますけれども、最後には全体としての良識が働きますので、基本方針2006は堅持するということになることを強く期待しております。
(問)日本航空の件ですけれども、経営改善の努力をしなくちゃいけないと大臣おっしゃいましたが、例えばどういったことをイメージされているのでしょうか。日本航空は何年か前から経営問題が言われていて、例えばパイロットの給与だとか不採算路線の問題だとか色々指摘されているのですけれども、大臣のイメージとしてもう少し具体的に教えていただけないでしょうか。
(答)日本航空に高コストの部分があれば、それは直していかなきゃいけない部分です。ただし今回は、労組等も話し合って、例えば年金などの将来債務に関しては、年金の3階建て部分ですけれども800億円相当をカットするとか、かなり関係者が協力をしております。従いまして、これから日本航空の社員数がどの規模が適当なのか等々経営改善計画が作られ、それをきちんとやっていけば日本航空の経営はよくなると思っております。そういうことで、犠牲なしに経営改善努力をするわけではありません。

(以上)