与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年6月19日

(平成21年6月19日(金) 9:19~9:33  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 閣議は案件どおりでございましたが、閣僚懇において平成21年度当初予算並びに補正予算の速やかな 執行について関係閣僚に万全を期していただくようにお願いをいたしました。また、それぞれの地方自治体に対することは、総務省及び関係各省において6月地 方議会への対応を含めて適切なことをやっていただきたいと、いわば速やかな前倒し執行のお願いをしたところでございます。

2.質疑応答

(問)本日、地域力再生機構法案が成立の見通しとなっていますけれども、改めて立法にどのような役割を期待するのかというところと、社長人事の人選に当たってはどういった観点から選びたいのかという2点をお願いします。
(答)地域経済においてきちんとした経営資源を持ち、また社長をはじめ社員もやる気があるという会社については再生の可能性が高いわけでございます。そういう中で公が参加することによって、債務の問題に対するお手伝い、あるいは資本充実等々色々なことが出来るわけでして、我々としては地域経済を活性化するためには、生き残れる力を持った会社には是非生き残っていただきたい、そういう思いで作った法律でございます。
 この機構について、どういう方がふさわしいかというのはまだ検討は始まっていないと思いますが、出来れば地域経済の再生に熱心な方、会社の再生等にご経験を少しでも持っておられる方、そういう方々に経営にご参加をいただきたいと思っております。
(問)先日の諮問会議で総理から、経済危機対応と安心社会の実現に特別な枠を設けて対応するというご指示がありましたけれども、一方で歳出削減も求められていまして、そのあたり今後シーリングでどうバランスを取っていくのか、あとまたシーリングの時期についてはいつごろを考えていらっしゃるのかということをお願いします。
(答)まず昨年も総理が中心になって決断するべき枠というものを持っておりました。年末にならないと分かりませんけれども、そういう枠が総理が言われた分野に配分されるということになります。シーリングの時期は通常は7月末が多かったわけですが、今年は7月上旬には決めるということにならないと、色々な他の日程とうまく合わないと思っておりますので、他の日程を色々考慮しますと7月上旬の可能性が最も高いのではないかと思っております。
(問)今のシーリングの件ですけれども、通常より前倒しの7月上旬にすることについて他の日程との兼ね合いという形でお答えになりましたが、どういった日程との関係で、解散・総選挙を考えているのかと思いますけれども、その辺の理由をもうちょっと具体的に教えてください。
(答)すべての日程というのは、そういうものも含んだ、サミット、都議選、衆議院選挙、会期末等々、あらゆる日程を考えるとそういうことになる。
(問)先程の骨太の方針の件ですが、先日の自民党の政調でも社会保障費の2,200億円の削減について相当反発が強かったのと、骨太2006を踏まえてという言葉自体についても相当な反発が出ていまして、骨太の中に入ったとしても果たして党内がそれでまとまるのかどうか懸念もあると思いますが、その点についてはどのようにお考えですか。
(答)まとまるようにやっております。今日の政審、総務会でまとまると思います。というのは、一応昨日の段階では政調会長のところまではこれでよろしいということでございましたので、あとは政調会長の下で行われる政審、またその後の総務会というのは、いずれも政調会長が指導力を発揮してくださると思っております。
(問)日本郵政の社長人事の件ですが、今週西川社長が佐藤総務大臣に中間報告をされたと思うのですが、その後佐藤大臣と与謝野大臣の方で何かお話をしたことはあるのでしょうか。
(答)今日閣議がありましたので、その時お目にかかりましたけれども、人事の件についてお話しする暇もなく、お目にかかっただけです。佐藤大臣とは1対1でお目にかかったことは、今週に入ってからは1回もありません。
(問)来週にも報告書が出るのではないかということですが、それを受けてから話し合うと。
(答)これは毎回申し上げるのですけれども、業務改善命令、それから鳩山前総務大臣が提起された幾つかの問題、そういうものはきちんとした日本郵政側の対応、提起された問題については物の考え方、今後の対処方針、こういうものを日本郵政側が総務省側に提示をして、両者で事務的に精査をして総務大臣に上げられるのではないかと。私に対する接触というのは、そういう一連の事務的な詳細にわたる検討の結果が出た後、何らかの連絡があると思っております。
(問)その関連ですけれども、今日一部の報道で西川社長に会長を打診したという話がありますが、その事実関係を大臣が把握されているかということと、世論調査を見るとやはり西川社長の続投を望まないという人が非常に多いのですが、そういう方に対して会長に退いていただくということで世論が納得するかどうか、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)私は人事が先行して議論されるのではなくて、やはり業務改善命令その他の問題について詳細かつ全般にわたる日本郵政と総務省との間の話し合いというものがまず第1段階としてきちんとなければならないと思っております。その前に具体的な人事のことが出てくるということは、一歩一歩進めるべき事柄としては必ずしも正しい順序だとは思っておりません。
(問)金融監督行政のことですけれども、アメリカ政府が大手の金融機関をFRBの下で監督するという新しい改革の方針を発表しましたけれども、これについてのご評価を聞かせてください。
(答)銀行監督については今までずっと1920年代からやってきたわけです。ですから、ある時点までは必ずしも不十分だったということは言えないと思いますけれども、こういう金融危機になりますと大きく分けて2つ問題があります。1つは銀行経営に関する情報開示。これは銀行の多くは簿外で色々な取引をやっている。そういうことに関しては、やはり銀行の健全性全体を示す上では簿外で行っている色々な取引等についてもきちんとした開示を行うべき、そういう一群の色々な規制。もう1つは投資家、預金者をきちんと保護するという部分の改正。この二通りの大きな改正の視点を具体的な細かい規定に落としてアメリカ政府が発表されたわけで、当然銀行の健全性や預金者・投資者を保護するという意味では重要な規制改革案だと我々は評価しております。

(以上)