与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年6月2日

(平成21年6月2日(火) 9:59~10:17  於:財務省会見室)

1.発言要旨

 閣議は案件通りでございまして、特段ご報告すべきことはございません。

2.質疑応答

(問)クールビズが始まって、今日、かりゆし閣議ということだったのですが、かりゆしを着られたご感想と閣議の様子などがありましたら教えてください。
(答)クールビズというのは、今日は閣僚全員が沖縄オリジナルを着ておりますけれども、6月、7月、8月… と暑い時にノーネクタイでやれるというのは非常に楽で、ただ本会議はネクタイをしないと入れていただけないというので、そこのところだけですが、これはなかなか楽でいいんです。低炭素社会の一助となっているんじゃないかと思います。
(問)アメリカのゼネラル・モーターズ(GM)の破綻の問題ですけれども、一時国有化ということで再建が図られることになりました。債務の一部は保証されるということですが、例えばアメリカに基盤を持たない2次メーカー、3次メーカーなどにどういった影響が広がるかというところもまだ不透明なところがありますが、この問題についてのアメリカ政府の処理に対する受け止めと国内企業への影響、あるいは救済策についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)まず日本政府としては、GMが、いわば7割以上の株を国が持つという状況になりましたけれども、アメリカの代表的な企業として一日も早い立ち直りを期待しております。アメリカ国内の2次メーカー、3次メーカーの売掛金債権は多分既に政府が保証していると思いますけれども、多分アメリカもGM関連の米国内の部品供給メーカー等下請に対する政策はきちんとやられるものと思っております。
 なお3週間ぐらい前に、二階大臣にGMがチャプター・イレブンに行った場合には日本の部品供給メーカーはどうなるのかということをお伺いしましたら、二階大臣からは、もちろん売掛金債権はあるけれども、会社の規模に比べて大きいものではないので、損害は被るけれども何とか各社でしのげる額だというお答えがありましたので、日本のメーカーに対する影響はありますけれども、僅かで済んでいるというのが現状だと思っています。
(問)昨日の夕刻、官邸で温室効果ガスの排出削減に関する関係閣僚会議が開かれたと思います。引き続き調整が続くというふうに聞いていますけれども、この問題を巡っては斉藤環境大臣と経団連を始めとした産業界の間でかなりの意見の隔たりがありますが、大臣自身のご意見と、あとどのように決着が図られるべきだとお考えになっていますか。
(答)野心的であることは大事だけれども、もう一方では、現実的であるという、その2つを両立させるということを考えていかなければならないと思っています。
(問)巷間マイナス15%とかプラス4%、中間でマイナス7%という数字が出ていますが、これについてはいかがでしょうか。
(答)そういう難しい話は分かりません。
(問)日本郵政の西川社長の問題を巡って、先週末、鳩山大臣が週明けにも与謝野大臣と話し合いをしたいというふうなことを発言されていますが、これについて今日この閣議の前後も含めてお話し合いをなされたのかどうかという点が1点と、今後仮に鳩山大臣から話し合いの申し入れがあった場合にどういったようなご意見を言いたいのか、また政府としてどういうふうな対応で臨まれるべきだというふうにお考えですか。
(答)私は内閣の方針に従うだけでございまして、それ以上でもそれ以下でもないということです。
(問)今日の閣議の前後等で鳩山大臣とそのお話は・・・。
(答)鳩山大臣が指を怪我していたのでどうしたんだという話を伺いましたら、何か新聞記者の方に出すおつまみを切っていたら怪我をしてしまったと言っておられたので、それだけです。
(問)昨日内閣府がGDPギャップの数字を発表しまして、マイナス8.5%で金額で言うと45兆円という額が出ましたけれども、かなりの大きい額だと思いますが、これについての受け止めと、解消に時間と相当な努力が要ると思いますけれども、どのぐらいの時間がかかるとお考えなのか、その認識を伺いたいのですけれども・・・。
(答)1-3月期の一番悪い時期を計算したものがあの数字なので、少しずつよくなってきた時と全部合わせて計算すればまた別の結果が出てくると思っております。
 しかし、いずれにしても大変な状況にあるということを示している数字だと思います。多分あの時期が底打ちの時期だと思っております。生産は明らかに各分野で回復し始めましたが、通常のところまで戻るのは来年の春までかかるのではないか。ただ、4-6月期以降はカーブは上向きのカーブでずっと行って、いつかは元通りになる。それは年末から来年の春にかけてということだと思います。もちろん諸外国の経済状況にもよりますけれども。
(問)GMの関連ですが、再生の状況によってはアメリカの個人消費に影響が出る可能性もあると思うのですけれども、日本経済に今後どんな影響を与えるというふうに見通されていますでしょうか。
(答)きっちりした産業連関表でどういう影響が出るかというご説明は出来ませんけれども、GMのチャプター・イレブンによる処理によって悪材料が出尽くしたという考え方もあるでしょうし、またGMの破綻処理をやっていく過程で下請関連が整理されるとか、あるいは雇用情勢に影響を及ぼすとかマイナスの面もあるわけですから、当然アメリカの個人消費には影響は出るのだろうと思っています。
 けれども、一方では、オバマ大統領が決断をしてチャプター・イレブンで整理をする。労働組合も自分たちの債権を放棄する。チャプター・イレブンでやりましたけれども、実際は話し合いの上でのいわば企業再生でございますから、一時的な個人消費に対する影響というのは詳しくは分かりませんけれども、経済全体に対する事柄としては、未解決の問題を苦しい解決方法だけれども解決し得たというのは、経済のためにとっては非常にいい決断をされたのではないかと、私は思っております。
(問)株価がGMの破綻を悪材料出尽くしということで今日も少し回復しています。1万円台が見えるところまで戻ってきました。株式市場をどう見ておられるのかということと、あと株式市場が金融機関の経営などに与える影響があれば教えてください。
(答)株価は6カ月後の経済を表す先行指標であると言われていますけれども、下がるよりもこうして上がった方がはるかに元気が出る。それから、日本の銀行の自己資本の中には株ももちろん入っているわけですが、そういう意味では自己資本比率にはいい影響を与えております。ただ、これがちゃんと金融仲介機能に結びつくのかどうかというのはきちんと見ていかないと。株価が上がったから銀行が気前よく貸してくれるなんていう世界は、多分あり得ないんだろうと思っています。
(問)先程の日本郵政の件ですが、鳩山大臣は大臣と面会したいとおっしゃっているのですが、大臣としては特に会わなくてもいいという感じなのでしょうか。
(答)会わなくてもいいというか、しょっちゅう会っている方ですから。
(問)特に改めて話し合わなくても大体方向性は見えていると。
(答)昭和51年から東京で一緒に当選して今までやってきていますから。
(問)先程も話題に出た温暖化問題の閣僚間の話し合いについてですけれども、国際交渉に臨む上でも、クレジットの分の枠を拡大してその分の財政的な措置を考えるべきだというお考えについては、大臣どのようにお考えでしょうか。
(答)日本はこの問題で国際貢献をするということは大事だと思います。日本は恐らく省エネ技術、省エネの実績では他の国に誇れるものが一杯あると私は思っております。やはり技術とかノウハウとかそういうものを積極的に発展途上国、あるいは先進国を含めて技術移転をしていく。それが恐らく一番大きな国際貢献になるのだろうと思います。すぐにお金の話をする人がいるんですけれども、お金の話ではないんじゃないかなと私個人は思っています。
(問)日本郵政の件ですが、内閣の方針に従われるというお話でしたけれども、鳩山大臣は内閣の方針に従われていらっしゃるんでしょうか。
(答)鳩山大臣は国会答弁で、私は麻生内閣の一員ですから内閣の方針に従って行動します、という趣旨の答弁をされていますので、立場は私と全く同一でございます。
(問)念のためにお伺いしたいのですけれども、内閣の方針というか、内閣のご意思というのはどういうものだというご認識なのか、大臣の口から今一度お聞かせください。
(答)内閣の方針というのは、閣僚会議、閣議決定等々、内閣として方針を決めるのが内閣の方針でございます。
(問)この件に関しての内閣の方針はどういうものかということについては、どういうご認識ですか。
(答)内閣法の解釈は、すみませんが官房長官にお願いします。
(問)先程景気の認識の件で、大臣は「底打ちした」というご発言をされたんですけれども、これまでは恐らく「最悪期は脱した」と言いつつも「底打ち」という言い方はされたことがないと思うのですが、景気認識に変化というのは・・・。
(答)「底打ちした」ということと「最悪の時期は脱した」というのは、違う言葉ですけれども同義語です。
(問)国会の会期のことについてお伺いします。会期延長が7月末になったのですが、これについての大臣の評価と、今後大臣のマターで骨太の方針やシーリングですとか、選挙前にやっていくことが幾つかあると思うのですけれども、スケジュール感をどのようにお持ちなのかお聞かせください。
(答)国対委員長が各党の皆さん方と話し合った上で決めた会期でございますし、55日間というのはゴーゴーと言って、なかなかいい会期延長だと思います。
(問)骨太の方針やシーリングのスケジュールは今後どういうふうにお考えでしょうか。
(答)目下検討中です。

(以上)