与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年12月16日

(平成20年12月16日(火) 9:52~10:06  於:記者会見室)

1.発言要旨

 閣議は案件どおりでございましたが、閣僚懇に移りましてから、中川昭一財務大臣から、先般の総理の記者会見に基づく経済対策について詳しい説明がありましたので、それで予定時間を大幅にオーバーしたということで、特段、変わった案件はございませんでした。
 以上です。

2.質疑応答

(問)「中期プログラム」について、金曜日に麻生総理が「消費税上げは2011年度」と改めて表明されまして、与謝野大臣は与党との調整を任されていると思うのですけれども、今後の調整、経済財政諮問会議の日程を含めて、どのような段取りで決定していくのか、お考えをお聞かせいただきたいのですが。
(答)諮問会議は、皆さんの御都合を、今、伺っているところでございます。最も早い段階で、諮問会議をお願いしたいと思っております。
(問)今日は、与党PTもあるみたいですけれども、与党の方と会うような日程はあるのでしょうか。
(答)携帯電話を持っていますので、会う必要があるかどうか、まだ決めていません。
(問)総理が、昨日、「法制化については必要ない」と発言されたみたいですけれども、この受けとめをお願いします。
(答)皆様方みたいに、この問題について専門知識の高い方が質問された場合と……。官邸のぶら下がりという、いわば総理の全体の感想を聞くという場面で、いきなりいろいろなことを聞かれる。あまり細かいことまで聞いて、それが政策として確定したように受け取られるのは、それはちょっと……。もう少し精細な記者会見とかそういうものを、やはり政策マターはやったほうがよいのではないかなという印象を、昨日、受けました。
 総理は、閣議決定を含め、どう取り込んでいくかということは、もう詳細に打ち合わせをしてありますし、その中で、中期プログラム自体の法制化ということは、検討の必要があるということは十分過ぎるほど理解されております。
 ただ、税法自体は、法制化ということは、そんな早い段階では無理なので、それは法制化できない、ということをおっしゃったというふうに理解しておりますし、その私の理解は、総理秘書官と確認済みでございます。
(問)抜本改革は、景気回復が条件となると思いますけれども、足元の景気対策とは別に、中期的、3年後の景気回復を実現するような経済対策ですとか構造改革の必要性について、どうお考えでしょうか。
(答)今回の不況のそもそもの火元というのは日本ではない、というふうに私は思っておりますけれども、それでもその影響は、日本及び中国、インド、ヨーロッパ、東南アジア等全ての世界に及んでいるわけですから、人ごとのように世界経済を論ずるというのは間違いですし、また、世界経済のそのものの中に我々は存在しているという意識を持たなければならないと思っております。
 日本の近隣諸国、ヨーロッパ、アメリカ等も、財政出動を伴う経済対策を発表しておりますし、日本も麻生総理のリーダーシップの下で経済対策を発表した。これをやはり着実に実行していくことが、国民に対する責任であり、また世界経済の一端を担う我が国としての責任を果たすゆえんであると私は考えております。
 今後の世界経済の状況、日本経済の状況を見ながら、今おっしゃった3年間というのはかなりのスパンでございますけれども、やはり状況に機動的に機敏に対応していくという姿勢を持ちながら、財政政策も、税制も、金融政策も、準備を整えていなければならないと思っております。本当に、どうなるかという確たる見通しというものがつきがたい経済というのは、我々が初めて経験するような状況でございますから、用心深く、かつ大胆に、物事をやっていかなければならないと思っております。
(問)機動的な対応というのは、今、3年後にこうしていく、というのを決め打ちにするよりは、今後の状況を見て、どんどん手を打っていくほうがよいということでよろしいですか。
(答)来年1年間の見通しさえ、なかなかつかない。アメリカ経済、あるいはその他の国々や地域の経済がどうなるか。為替レートも極めてボラティリティーが高い。これは、世界のすべての国々の共通の問題として存在するのだろうと思います。そういう中で、その時点で何ができるかという最善を尽くすというのが、政策の今後のあり方だろうと私は思っております。
(問)「中期プログラム」について、諮問会議を早ければすぐにでも開きたいというお考えだということですけれども、総理が金曜日に「2011年度」というのを明記したいと、昨日の決算委員会でもそのようにおっしゃっていましたけれども、大臣として、その時期を明記したものを提出するのか、また、その必要性というのはどういうところにあるのか、改めてお伺いできますか。
(答)私は閣僚の1人ですから、総理の方針を忠実に実現していくというのが、閣僚の1人としての務めであり、それをやるということが、私の責任を果たすという最も大事なことだと思っております。
 経済がこういう状況ですから、使えるお金はみんな使って、あらゆる政策を動員して経済回復に資するというその姿勢は、今のような異常な状態ですから、異常な政策、異常な行動は、多分、許されるのだろうと思います。
 ただし、後始末を何も考えないような政策というのは、歴史の評価にはおそらく堪えられないわけでして、「経済が元に戻ったらこうします。その目標年次はこうです」ということを言うことは、やはり責任ある政治、あるいは国民に理解を得るための説明の大事な根拠になるものだと私は思っておりまして、「いつかやるよ」というのは「いつになってもやらない」と同じようなことで、それは選択できないというのが、総理の強い信条だと私は思っています。
(問)与党内では、景気対策をやらなければいけないときに消費税を言うということは、逆に冷え込ませることになるのではないかという根強い意見がありますが、国民の理解はやはり得られるというふうに大臣はお考えですか。
(答)与党の方々も、優れた方が多いわけですから、そんな単純な思考をされているのではなくて、やはり与党の方々の頭の中にも、景気回復した後には財政をしっかりさせなければいけないということは、十分過ぎるほどわかっておられると、私はそう確信しております。
(問)金融政策ですけれども、今週末に金融政策決定会合がありますが、先般、総理が日銀に対して潤沢な資金供給を要請されましたが、政府側から今週の会合に向けて期待することがあれば、教えていただけますか。
(答)日銀法を読んでいただきますと、日銀の独立性ということがうたわれておりますけれども、やはり政府との緊密な連絡とか、金融政策と経済政策の整合性とかということはうたわれております。
 私は、金曜日の総理の記者会見は、政府としての節度は守りながら、中央銀行に一定のメッセージと期待感を送ったものというふうに理解しております。それに対してどう応えるかというのは、中央銀行独自の御判断であると思っております。
(問)「中期プログラム」に関連して、3年後に消費税を上げるという方向を明示することについて、中川秀直元幹事長が「それだと次の衆院選で、それを争点に選挙をせざるを得なくなる」というようなお話をされているのですけれども、これについて大臣のお考えはいかがでしょうか。
(答)争点は…やはり日本の経済を立て直していくということが、多分、争点になる。消費税を上げるか上げないかということが争点になるのは、次の選挙ではなくて、次の次の選挙のテーマにはなり得ると思っております。

(以上)