与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年11月21日

(平成20年11月21日(金) 9:34~9:46  於:記者会見室)

1.発言要旨

 閣議は、案件どおりでございまして、総理も御不在でございましたので、淡々と終了いたしました。
 以上です。

2.質疑応答

(問)昨日の会見で、経済財政諮問会議の民間議員と自民党税調の幹部が本日非公式に意見交換するということでしたけれども、改めてどのような点を議論するのかというのと、本日、一定の合意や結論というものを得るようなものなのか、お伺いしたいと思います。
(答)1回で済むとも思っておりませんので、必要に応じて、諮問会議はどういう考え方をしているのか、自民党、公明党を含めた与党の、政治の税制改革、あるいは社会保障改革に関する考え方や今後の政治日程等、やはり色々なことを知りながら議論することが大事なので、お互いにそれぞれが持っている考え方をきちんと率直に表明し合った上で、別々の場所でまたそれぞれの議論を展開していく、ということが必要であって、諮問会議と党とが、およそ全くバラバラのことをやっていても、物事の実現性には資することはないわけでございまして、今回の「中期プログラム」の作業というものは、物を実現するための作業だと。そういう点から党税調と諮問会議のメンバーの意見交換は、多分有益なものになるだろうと思っております。
(問)結論とか合意とか、今日何か結論めいたことは。
(答)ないです。
(問)スケジュールの確認なんですけれども、昨日、12月第1週に議論を深めたいと諮問会議でおっしゃいましたけれども、これは次回が12月第1週なのか、それとも集中審議の終わりの3回目が12月第1週なのかというのは、いかがでしょうか。
(答)一応、事務的には、多分3回でお願いしたいなと思っているんですけれども、それは、非常に問題は深いものがあって、イデオロギー的な話ではなくて、これはどう実現していくかという話でございますので、事務的にはできれば3回と総理には御説明してありますけれども、場合によってはそれだけでは済まない可能性もありますということは、総理に御報告をしてあります。
 ですから、政府がこれを発表しなければいけない時期というのは、予算編成等々と平仄を合わせてやっていくということもスケジュールの中にありますが、年末までには必ず結論は出します。
(問)与党の税制改正大綱と「中期プログラム」の関係というのは、どういうような形になるんでしょうか。
(答)自民党の税制調査会というのは、政調会にある一組織なんですが、歴史的に、超越的な存在であり続けていて、異彩を放つ極めて独立性の高い自民党の機関であるわけです。ここの関門を通らないと物が実現しないということを考えれば、こことの打ち合わせというのは極めて重要であって、全く全部同じである必要はないにしても、大きな幹の部分ではきちんと両者の考え方が、ベクトルが同じ方向を向いている、ということが必要だろうと思っています。
(問)アメリカ経済なんですけれども、FRBがマイナス成長の可能性というのを打ち出したと思うんですけれども、改めてアメリカ経済の景気後退が日本に与える影響、懸念についてお伺いしたいと思います。
(答)アメリカに対しては、やはり輸出市場としての期待というものを背に日本経済というのは運営されてきたわけでございますし、現実、アメリカに対する高度の製品の輸出というのは、日本経済の一つの支えであったわけでございます。技術程度の低い分野というのは、全部他の国々がそういうものを代替いたしましたけれども、質の高いもの、付加価値の高いものを輸出し続けてきたと。そのアメリカ市場が不振に陥っていると。Consumer Confidence Indexというのが下がっている、失業率は上がっている、株価の下落によって逆資産効果が発生している、クレジット会社が今までのように無制限に貸してくれないというようなことで、また消費者が物の購買に向かわないとか、色々要素を挙げれば幾らでもありますけれども、全体として、アメリカに対する輸出というのは、これから大きく増えるというような状況では決してないと。
 それから、日本の貿易統計を見ますと、貿易上赤字が出るという30年ぶりぐらいの話が起きていまして、これは世界経済が不振なのか、日本の経済の国際競争力が落ちたのか、議論は色々あると思いますけれども、いずれにしても、やはり日本は通商立国、ものづくり大国として生き続けなければならないので、こういう点も少し心配しなければいけないと思っています。
 いずれにしても、去年、サブプライム問題が起きたときに、「こういうものは1年で解決しますよ」という話は随分聞かされたんですが、いつまでたっても「あと1年」というのが続くんじゃないかなと思っています。
(問)厚生労働省の元幹部を狙った大変痛ましい事件が起きていますけれども、犯人像と動機はまだわかりませんが、この手のテロのようなことが起きているということについて、御所見はいかがでしょうか。
(答)山口さんは、私、よく存じ上げていました。誠に悲しむべき不幸な事件に遭遇されて、御夫妻に心から御冥福を私はお祈りをしたいと思います。
 社会的な問題としてこの問題を考えると、こういう問題は断固として許してはならないと思いますので、犯行現場も埼玉、東京2都県に分かれていて、埼玉県警、警視庁と管轄が違うところが捜査本部を作っておりますが、ぜひ警察庁を中心に広域捜査の実をあげていただきたいと思って、捜査が進展することを心から期待をしております。

(以上)