与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年9月12日

(平成20年9月12日(金) 10:34~10:49  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 閣議は案件どおりでございまして、特に御報告すべき点はありません。以上です。

2.質疑応答

(問)今日、GDPの改定値が発表になりまして、数字自体は小幅下方修正だったのですが、内外需とも寄与度で見た場合にマイナスに転じて総崩れ状態が鮮明になったという形です。
 これについて、大臣どうお考えですか。
(答)やはり世界経済の減速、あるいは原油、原料、食料、こういうものの価格上昇、アメリカの金融市場の不安定さ、こういうものが実体経済的にも、また経営者の心理にも響いているのだろうと思います。
 特に、改定値で顕著なのは、設備投資の部分がマイナス幅を大きく改定しているということで、やはり企業の経営者が先行きの日本の経済について、 ややブレーキをかけてものを考えているのだろうということの証左ではないかと思っております。
(問)今、経営者の方がややブレーキをかけているというお話があったのですが、その中で雇用者報酬のところも、若干、これは上方修正になっているのですが、それでもまだやはりマイナスで低い水準にあると。
 二階大臣が先日経団連の方に行って、賃金を上げてほしいと、上げろという要請をしたのですが、雇用者報酬及び賃上げ要請についてどうお考えになるか。
(答)この10年ぐらいの傾向で、やはり日本経済全体として、修正していかなければいけない、ものの考え方を少し変えなければいけないというのは、1つは労働分配率が下がり続けていること。一方では、企業収益、あるいは内部留保というものが増え続けていること。また、配当も、上げるという傾向がずっと続いていること。やはりこの際、日本の経済、特に内需振興を考えますと、賃金上昇が望ましいですし、雇用者の所得が増えるということが非常に望ましい。 特に、原料高になって新価格体系に移行した場合には、最終的にはその部分は賃金上昇によってカバーされなければならないという認識を企業経営者には持っていただかなければいけない。
 ですから、二階経済産業大臣が財界に対して賃金上昇を考慮するべきだということを発言されたことは、当然のことであると私は思います。
(問)来週にも思われている諮問会議ですが、諮問会議の日程及びその議題等がもう固まってきていたら教えていただきたいのですが。
(答)諮問会議は、内閣が代わるということが1つ、それから民間議員の任期が10月に到来するという2つのことがありまして、どこかで一応きちんとした会議をやって、1年にわたった福田総理の諮問機関としての役割を果たしてきた経済財政諮問会議、またその構成メンバーに、総理としては感謝の念を表すべきだと私は思っておりまして、そのことを総理に申し上げましたところ、自分もそう思うということで、次回の諮問会議はクロージング・セレモニーでございます。
(問)総裁選の方ですけれども、昨日、党本部での立会演説会の後、実際に街頭に出られて、遊説活動が始まりましたけれども、まず国民、一般有権者の反応はどうだったかというのが1つと、総裁の資質として、一部に明るい人がいいとか、暗い人はだめだとか、そういう意見もあるようですが、この手の話についてはどんな御感想をお持ちでしょうか。
(答)選挙をやる人間は、選挙が始まりますとアドレナリンの排出量が一挙に増えまして、候補者みんな元気になる。党も全体活力が出てくる。昨日の党本部での演説会、街頭演説会等、やはりみんな元気になってしまったな、活力があるなと思いました。
 総裁の資質としての明るさですけれども、明晰性という意味では、むしろ明晰性が求められているのが今の総裁選挙ではないかと思っています。 ただの明るさですと、私の地元の寄席に行くと幾らでも人材はいます。
 それから、大体は普通の家の構造ですと、我が家もそうですけれども、南側より北側の方が暗いと、そう思っています。
(問)明晰性につきましては、5人の中で御自身の。
(答)みんなそれぞれのレベルで明晰性を持っておられると思っております。
(問)念のためなのですが、これから総裁選で全国を回られると思うのですけれども、諮問会議には大臣御自身出席できるのでしょうか。
(答)なるべく出席できるようにしなければならないと思っておりますが、そこは今調整をしております。
若干、地方遊説の方を優先したいなと個人的には思っておりますけれども、それが許されるのかどうか、総理に伺ってみたいと思っています。
(問)職務の重さとして、もちろん次の総理大臣を事実上決める総裁選というものの重みはよくわかるのですが、一方で閣僚としてのお仕事も大臣にとってはもちろん重要だと思うのですけれども、それについてはどのようにお考えですか。
(答)総裁選挙というのは所詮政党内部での手続にすぎないと。政治はすべての国民のものだと。こういう峻別をしながらものを考える必要があると思っています。
(問)今の話だと、要するにできれば地方遊説を優先したいというお答えが先ほどありましたけれども、今の御説明との整合性はどうなるのでしょうか。総裁選の方が重要だということではないと。
(答)地方遊説を優先したいのですけれども、原則はやはり国政優先ではないでしょうかと、そういう意味です。
候補者全員が同じバス、同じ列車、同じ飛行機で旅をするので、ストックホルム症候群が起きないようにしなければならないですね。
(問)総裁選の主張の中で、大臣は早々と消費税の必要性というものに言及されていたと思うのですけれども、一方で昨日の演説会で、石原さんであるとか、石破候補であるとか、他の候補からも消費税の必要性の言及が少しずつ出てきていると思うのですけれども、そのような今の論争の進み方をどのように御覧になっていますか。
(答)初日からずっと見ておりますと、それぞれの候補者の考え方というのは、お互いに影響を受け合っていきながら進んでいるというところがあって、やはり他の方の話を聞いて、自分が言い足りないと思ったところは、後で追加してお話になられるということで、恐らく石原さんも普段考えておられることを言わなかったということに気づかれて、言われたものだと思っています。40兆の埋蔵金があるみたいな話をされたのは、ちょっと私としては驚いて、どこで確かめようかなと、あまり嫌みったらしくなく確かめたいと思います。
(問)消費税に関連して、これまで実現した消費税の引き上げを含む税制改正は、減税先行か、あるいはネットの減税という形で実現した経緯が多いと思うのですが、大臣、次回描く税制の抜本改正は、果たしてネット減税になるのか、ネット増税になるのか、どちらでしょうか。
(答)当然、ネット増収になります。
(問)それは減税分も組み合わせるということですか。
(答)結局、昨日も演説会で言ったのですけれども、世界的な傾向として、やはり法人税のレベルということは、国際競争力の観点から考えなければいけない。
中でも中小企業の法人税制、これは相当深刻に考えていかないと、日本の経済の根幹にかかわることになる。
 それから、所得税は、やはり税制抜本改革をやるときには、定額減税の話もありますし、課税最低限ぎりぎりの方のところの定額減税とか、 あるいは諸外国で一部見られる課税最低限以下の方に対してどうするのかという議論も、実はしなければならない。これは、柳沢さんともこの半年ぐらいさんざん議論した。 2人は意見がその点は一致をしています。
 消費税の方は、考え方としては、年金、医療、介護を防衛するというように私は言っているのですけれども、それを守るためにお願いするということ。 それから、軽減税率は当然考えなければいけない。また、税率を一挙に上げるのか、段階的に上げるのか、段階的に上げるのでしたら何段階で上げていくのか、 そういうもろもろのことを考えなければいけない。
 それから、逆進性の議論がありますので、それはやはり所得税でカバーしていく部分と、 軽減税率でカバーしていく分と、それから福祉の給付でカバーしていく分と私はあると、またそうしなければならないと思っています。

(以上)