与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年9月5日

(平成20年9月5日(金) 10:35~10:47  於:記者会見室)

1.発言要旨

 閣議は案件どおりでございましたが、閣僚懇において先般決定いたしました経済対策に関して、官房長官よりそれぞれの閣僚が発言を求められ、私からは各省が協力して、この経済対策を完全に実現するようにやっていただきたいと。また、財務大臣には、予算の査定に当たっては、温かいご理解と深い愛情をお願いしますということで、決意をもって、温かい愛情をもって査定してくださるようにお願いをしておきました。
 以上です。

2.質疑応答

(問)まず今日、財務省で法人企業統計が発表され、企業収益、設備投資とも悪化しているという数字が示されました。この数字も含めて現状の景気認識と、この数字についての考え方をお伺いしたいのですが。
(答)内閣府のこれらの数字に対するきちんとした判断は、9月の月例に向けて取りまとめられるものと思いますが、生の数字だけに接しますと、やはり海外要因である原油、資材等々の価格上昇というものが大きく響いていると同時に、米国及びヨーロッパ、東南アジア等も必ずしも外需の市場として十分な状況になっていないということを感じます。
 日本は、設備あるいは借り入れ、雇用、こういうものを非常に苦労しながら、過剰を解消してまいりました。そういう意味では、企業収益の悪化とか、あるいは設備投資のスピードが鈍った、こういう状況は、やはり時間の経過とともに、また諸外国の経済の状況が好転するにつれ自然と直ると私は思っておりまして、それを待つほかない。じっと来年、諸外国の経済が好転するという状況を待たなければならない側面が非常に強いと思いますけれども、日本経済自体をそう悲観的に見る、それは間違いだと思っております。
(問)次に、自民党総裁選ですが、大臣は前回の会見では、これまで考えたことはないということを仰っていたかと思いますが、今日現在、自民党総裁選の在り方及び総裁選への立候補ということについて、どうお考えになっているかお伺いしたいと思います。
(答)あれまでは考えていなかったのですが、あれから考えた。
 正直申し上げて、自民党は50年の歴史はあるのですけれども、その党の存在が問われるような、やはり政治の危機が我々を襲っていると思う訳です。福田総理が辞められたその後、体制を立て直して国民の期待にお応えしていくためには、古い形の派閥的な選挙や政策抜きの談合的な総裁選びというのは避けなければなりません。全党的にも、実はそういう雰囲気に私はなっていると思います。
 そういう中にありまして、政策論議をきちんとするためには、私と同じような考え方をしている方が党内外にたくさんおられることを考えますと、やはり総裁選挙に出馬をして、私の考え、また私と同じような考え方をされている方々の主張を前面に出して、党役員の政策として実現をするよう努力するということが自分の責任であると、そう思った訳でございます。
 なお、総裁選挙に出るという正式な表明は、威儀を正して政策の要綱や何かをきちんと用意した上で、改めて皆様方にお話し申し上げたい。私の心境の変化だけについて説明させていただきました。
(問)どうもありがとうございます。
 今度の自民党総裁選では、「政策」ということが重要になるというお話でしたが、大臣としてどういった政策を中心に据えて訴えていきたいと思っておられますでしょうか。
(答)やはり国政ですから、経済政策、財政政策、税制、社会保障、安全保障政策、教育、こういう非常に幅広いものが論じられなければいけないと思っていまして、テーマを一つに絞ってということよりは、党の総裁を目指す全ての候補者は、あらゆる分野の抱負経綸を述べて論議をしていくということが、国民からも期待されているのではないかと思っております。
(問)政策論争が非常に大切なことだというお考えはよくわかりました。それで、一方、麻生太郎さんが、昨日あたりから言っている政策構想の中では、日本経済の回復には全治3年かかるとか、それで今後3年間は財政出動をためらわずに景気対策をしなければいけない、というような趣旨のお話をしておりまして、プライマリーバランスの2011年度の黒字化という目標を、事実上先送りするような内容のお話をされておりますけれども、こうした政策に対する大臣の御見解、受け止めはいかがでしょうか。
(答)麻生さんのプレゼンテーションを読んでいませんので、読まずに慌てていろいろなコメントをするというのは早計だと思いますけれども、御質問の限りでは、やはり読まなければいけないなと思いました。
(問)財政拡張論議に対する与謝野大臣のスタンスとしてはいかがでしょうか。
(答)小泉改革の本質というのは、非ケインジアンというのが最も大きな特徴であって、私はそのノンケインジアンという考え方は、小泉内閣が残した最大の構造改革であり、功績だと思っておりますので、早速、麻生論文にも目を通さなければならないというだけの心境でございます。
(問)自民党総裁選は、今のところ麻生太郎さんと石原伸晃さん、小池百合子さんと、大臣以外に3人の方の立候補が有力視されておりますけれども、このお三方で自民党内の政策を代表して論議するのに十分な顔ぶれだとお思いでしょうか。
(答)私の考え方に従来から共鳴してくださる方の声は、私自身はきちんと論議の対象として堂々と議論をしたいと思っておりますが、他の方がどういう主張をされるのか、まだ伺っておりませんので、今の御質問は何ともお答えしようがない。申しわけないです。
(問)以前、咽頭がんを患われていたと思うのですけれども、総裁とか首相になると激務が予想されますが、健康への自信はいかほどでしょうか。
(答)体力は人一倍あるので、激務は何ともないと思っております。それについての不安あるいは医師からの注意というのは一切ないです。
(問)政策に関しては、常々、御自分のことを職人というように仰られていましたけれども、その職人がなぜあえてトップを目指そうとするのか。その心の変化ですね。そのあたりをお聞かせ願いたいのですけれども。
(答)職人なんですけれども、政策観とか、自分で言うのは少しおかしいのですけれども、多少の思想は持ってやってきたので、そこのところはぜひ、少しは評価していただきたいと思っています。

(以上)