上川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年6月10日

(平成20年6月10日(火) 9:30~9:50  於:合同庁舎4号館 6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 6月10日の本日の閣議は、一般案件が1件、国会提出案件が23件、公布法律4件、政令3件、計31件の案件がございました。このうち私の所管案件はございませんでした。
 報告事項として3件ございます。
 まず1点目でありますが、本日の閣僚懇談会におきまして、去る6月6日に公表いたしました仕事と生活の調和推進のための国民運動「カエル!ジャパン」キャンペーンのシンボルマーク及びキャッチフレーズにつきまして説明をいたしました。関係閣僚にマークの活用及び関連施策との連携について積極的な協力をお願いいたしました。今後、このマーク等を活用して、各界各層の国民を巻き込んだ国民運動「カエル!ジャパン」キャンペーンを展開し、仕事と生活の調和が実現した社会に向けて、その取組を加速してまいります。
 2点目でございますが、6月11日水曜日午前10時から、第7回の「公文書管理のあり方等に関する有識者会議」を開催いたします。同会議の詳細は内閣官房公文書管理検討室にお問い合せください。
 3点目でございますが、6月13日金曜日17時30分より官邸におきまして、男女共同参画会議が開催されます。会議におきましては、男女共同参画会議の下に置かれている専門調査会で検討してまいりました「高齢者の自立した生活に対する支援に関する監視・影響調査」の最終報告及び意見、地域における男女共同参画推進の今後のあり方の中間報告についてそれぞれ報告を受け、意見交換を行います。特に「高齢者の自立した生活に対する支援に関する監視・影響調査」の最終報告及び意見につきましては、これを受けて、各府省において施策の一層の推進を図るよう、参画会議として意見決定を行う予定でございます。なお、会議後に会見を行い、私から結果について御報告させていただきます。詳細は男女共同参画局にお問い合せいただきたいと思います。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)今日の閣僚懇でありました「カエル!ジャパン」のシンボルマークの積極活用についてなんですけれども、これに関して福田総理から何か発言等はありましたでしょうか。
(答)総理には実は6月6日の記者会見の前にTシャツとこの缶バッチをお届けいたしまして、さらに今日ということで2回触れていただきました。Tシャツについては「いつ着るのか」ということで御質問がございまして、これから閣僚の皆様にもTシャツ及び、今名刺を手作りで作っているんですが、その名刺もあわせて各閣僚にお届けするということで今日話をさせていただきました。内閣としてのこの「カエル!ジャパン」を中心として働き方を変えることによって、仕事と生活の調和を図り、社会全体にバランスのとれた地域社会ができるように積極的に推進運動をしていくということの弾みをつけていきたいと思って、今その企画も練っているところでございます。
(問)「いつ着るのか」というのは総理がおっしゃったんですか。総理が大臣を始めとしてほかの閣僚の皆さんにも、「いつ皆さん着るんですか」というか。
(答)6月にかりゆしで閣議を1回目いたしましたけれども、恐らくそのようなイメージではないかなと私は思いました。
(問)ただ、具体的にいついつという話までは今日の閣僚懇とかでは出なかったということでよろしいですか。
(答)そうですね。それも含めて検討いたしております。
 ボードとしてこの「カエル!ジャパン」のポスター、原案になっているこちらの一番左、これを皆さんにお見せいたしましたが、「大変愛嬌のあるキャラクターだね」とおっしゃった閣僚もいらっしゃいました。
(問)話題は変わるんですけれども、民主党が福田総理への問責決議案の提出を明日にも検討しているんですけれども、こうした民主党または野党の対応について、大臣はどのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
(答)今国会がねじれ国会ということで、大変苦しい国会運営の中で会期末を迎えたわけでありますが、そういう中で今御指摘にありました問責決議についても、この間何度となくそのことの発言等があったと理解しております。最終的にどういう形になっていくのかは、出てみないとわかりませんが、苦しい中でこれまでやってきたということ、一つずつ丁寧に説明責任を果たしながらそれぞれの施策を実現していくこと、そして例えば今回7月には洞爺湖サミットが行われ、環境問題についても国を挙げて取り組んでいくという意味では、政権の一体感はもちろんのこと、国民の皆さんと一体感を持って国を挙げて取り組んでいく。そして、対外的にも他の国々を巻き込んで、1つの人類に対する挑戦にしっかりと答えていくことが必要な時期にあるということでありますので、私はそうしたやるべきこと、そしてやらなければいけないことについて、派手ではないけれども、丁寧にやっていく姿勢を大切にしていくことが、国民の皆さんの信頼につながっていくものと、そう信じて動いていくことが大切じゃないかと考えております。これは就任して以来、私自身、感じ続けてきたことでありますので、最後の会期末の1週間ではありますが、気を引き締めていきたいと思っております。
(問)秋葉原で起こったナイフや車を使った無差別殺人についてなんですが、一般論化するのも危険ですけれども、青少年による犯罪が多発していますが、青少年を所管する大臣として事件の受け止めと、また再発防止に向けて何か取り組まれる御予定はあるかお聞かせください。
(答)大変つらい事件であります。こうした衝撃的な事件が若者の町と言われている秋葉原で起きたということについて、私としては全く理解することができないぐらい、大変厳しく、深刻に受け止めています。どうしてこういうことになったのか、その背景や原因等について、冷静に直視していくと同時に丁寧に調べていく必要があると思います。個人的な背景と社会の中の背景も含めてということであります。
 同時に、私は被害者の権利利益の保護ということで、犯罪被害者等基本法をつくらせていただいた立場で、不慮の災害に巻き込まれた被害者の皆さん及びその家族あるいは親族の皆さんのお気持ちをお察しすると、大変つらいものがあります。特に若い世代、そして家族を抱えて働きながら被害に遭われた皆さんのことを考えると、こうした事件があってはならない、二度と起こらないようにするためにはどのようにしたらよいのか。青少年担当の大臣としても、他の関係閣僚の皆さんと、特に携帯電話等における有害情報ということについての問題性に取り組んでまいりましたので、これからもそうしたことを踏まえながら、やるべきことをしっかりとやっていかなければいけないという思いであります。
 今、防止策について御質問をいただきましたけれども、対策をとるためには、その対策の対象について十分に検証しないといけない。じっくりとした取組に向けての一歩にしていくことができればなという思いであります。大変つらい事件でありますので、一日も早い真相の究明とそれに対する対策について、気を引き締めて取り組んでいきたいと思っています。
(問)政府の社会保障国民会議の第三分科会で骨子案が示されましたけれども、少子化対策として、これまでやってきたもの、新たなものが打ち出されましたが、どのように評価していらっしゃいますでしょうか。
(答)まず1点目は、昨年12月の「子供と家族を応援する日本」重点戦略で、少子化対策の新しい切り口として、仕事と生活の調和憲章及び行動指針に基づき取組を推進しながら、働き方を変えバランスのとれた生活をしていくこと。そして、仕事と育児、子育てをしっかりと両立できるようにという流れを確認し、なおかつ子育てに対する支援策については、多様な働き方に応じてきめ細かく対応していくこと。そして今団塊ジュニアが数年後は40代を迎えるという大変大事な時期であり、それに対しては財源措置についても大変大事だということについて、この国民会議の中でもコンセンサスを得ることができ、昨年からの流れの中で更に施策を推進していくことの大切さを確認していただいたということが1つであります。
 それから、2点目は、両輪の1つとして多様な働き方に応じて今までの子育て支援策の再構築ということがありましたけれども、同時に今既に実施されている施策についても利用者の側から見たときの問題点、改善点についての大変きめ細かな御指摘が多くの御発表の中にございました。この点については、改善すべきもの、あるいは運用改善の中でできるもの、できないものもあろうかと思いますので、そうした精査をしっかりとし取り組むということについて、これは大変前向きの議論があったと思っております。この点は大変成果があったのではないかと思っています。もちろん内閣府の中でも施策の検証ということについてはミッションとしてございますので、この国民会議の御提言も含めて、さらに充実した検証をしていくことに全力で取り組んでまいりたいと思っています。
 それから、3点目としては、社会保障国民会議の3分科会の1つである「少子化と仕事と生活の調和」分科会においてそうした結論に達したということでありますので、他の例えば高齢の皆さんとか、あるいは医療の面とかいろいろな面の総合的な施策の中にも、こうした第三分科会での取り組みの施策についてしっかりと位置づけていただき、社会保障全体、つまり安心安全のセーフティーネットをどう張っていくのかということについて、さらに前向きな議論を呼び起こしていると思っております。そういう意味で、そのうちの大変大きな分科会の所管であります私としても自信を持って、しかし時期的には大変大事な時期でありますので、着実に加速をすることができるようにということで、この「カエル!ジャパン」も多く活用させていただきながら、取組を加速していきたいと思っています。
(問)確認なんですけれども、冒頭にありましたTシャツの件なんですけれども、「いつ着るのか」という総理の質問は、今日の中でということでよろしいですか。
(答)そうです。ぜひ私も着ていただきたいと。この間の記者会見におきましても、まず自ら、つまり国民の皆さん一人一人の主体的な気持ちを盛り上げていくということでありますので、総理がそうしたお気持ちをTシャツを着ることで表に出していただくというのは大変ありがたいことですし、またその折には「ひとつ何を変えていただくのか」というメッセージも出していただけるものと思います。「ひとつ働き方を変えてみよう!」というのは一般的な標語でありますが、私は内閣の中で無理なミッションはアサインしないということで先日メッセージを掲げましたけれども、それぞれがこの「変える」という思いを託していただいて、アクションに移していただきたい、そういう意味で総理自らがアクションに移していただきたいと思います。

(以上)