上川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年6月3日

(平成20年6月3日(火) 9:43~9:53  於:合同庁舎4号館 6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 6月3日の閣議は、一般案件4件、国会提出案件18件、公布法律8件、政令2件、報告1件、配布3件、計36件の案件がございました。このうち私の所管案件はございませんでした。
 報告事項、1件ございます。お手元の配布資料を御覧いただきたいと思います。5月5日の「こどもの日」に関連しまして、内閣府ホームページにおいて行いました全国の子どもたちからの意見募集の結果がまとまりましたので、お知らせいたします。
 今回の意見募集では、大変短い期間にもかかわらず全国から222件という、たくさんの御意見をお寄せいただきました。皆さんの声に直接接することができ、本当にうれしく思っております。
 私自身、お寄せいただきました意見をすべて読ませていただきましたが、大人へと成長する過程で必ず直面する不安や、あるいは問題を乗り越えるために、自分自身の頑張りに加えて、家族や先生あるいは友達などの周囲の人たちの励ましや支えが、いかに大切であるかということ、このことに子どもたち自身が気づき、また私も今回そのことを改めて強く認識することができました。
 今回、お寄せいただきました意見も参考に、青少年の立場を最優先に考え社会全体が青少年の健やかな成長を温かく支援することができるよう、新しい「青少年育成施策大綱」の策定に取り組んでまいりたいと思っております。詳細につきましては、共生社会政策担当統括官付の青少年育成第1担当にお問い合わせいただきたいと思います。
 なお、お配りしております結果の概要につきましては、内閣府ホームページにおいて公表いたします。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)青少年問題に関連してなんですけれども、昨日、有害情報の対策で与野党が法案の原案で合意したんですけれども、この中に政府の取組として関係閣僚会議を設置して、基本計画を策定することというのが明記される見通しですけれども、有害情報から子どもを守る対策というのは最近ずっとクローズアップされて、特に政党の方で議論が続けられてこういう形になったんですけれども、政府として今後どういう取組をしていくお考えか、お聞かせいただければと思います。
(答)このインターネットの社会において、有害情報に対して子どもをどう守っていくのかということについては、大変大きな社会問題になってきているということで、先週の金曜日に岸田大臣の呼びかけによりまして、関係閣僚の意見交換会が開催され、私も出席いたしました。前回が19年11月8日ということで、その当時から大変大きな課題になり取り組んできた一連のプロセスの中で、今回2回目ということで開催されたわけでございます。
 この関係閣僚の意見交換会の議論に参加して感じたことも含めて、今おっしゃったような関係閣僚会議のこれからの位置づけということについては、大変大事であると思います。政策が各省にまたがるということもありますし、やはり定期的な会合によって現状をどう評価し、また子どもの健やかな育ちに関する環境の改善に向けての努力がどう成果をあらわしていくのかということについて、絶えず意見交換をしながら、この問題が根絶できるよう、そうした方向に向けての取組ということで、この関係閣僚会議の位置づけは大変大きなものがあると思います。私も青少年を担当しておりますし、また少子化ということでございますので、積極的な取組に全力を尽くしていきたいと思っております。
(問)有害情報の法案づくりで、最大の争点が基準づくりに国がどの程度関与するのかしないのかということだったと思うんですが、改めて伺いますが、基準づくりへの国の関与の是非については、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)今回の与野党の合意の中の争点の一つということで、第三者機関における基準づくりを自主的に進めていくということでの合意が成立したと伺っております。
 私は「IT社会の光と影」ということでかねてから申し上げてきましたが、そして光をより光輝かせるためには影の部分にどう取り組んでいくのかということを、セットで考えていかなければいけないことであると思っております。このIT社会の推進役であります関係者が、民間の現場の取組の中で積極的に基準を設け、これを推進していく。そしてその実行がきちっと担保できるように、また検証もしていく。こうした動きが出ることは、大変大事だと思っておりまして、これによって成果として有害情報から子どもをしっかりと守っていき、先ほど「根絶」と申し上げましたけれども、トラブルが起こらないようにしていくという予防の問題、教育の問題、それから啓発の問題、そしてそういう有害情報がネット上に現れたときに、直ちにそれを消去することができるような、そうした迅速な体制づくりということについては、まず民間が責任を持ってやっていくということが大変大事だと思っております。
 その際、私の視点は子どもの健やかな育ちというものを全面的に中心に据えて取り組んでいく必要があると訴えてきましたので、そういう意味で、こうした自主的な取組の実が上がるように、これからの作業また活動ということについては十分に見てまいりたいし、また同時に応援をしていきたいと思います。
(問)当初から自民党の内部では、国の関与、実効性を担保するために国がきちんと関与すべきだという意見がありましたけれども、そうすると今回の与野党による決着というのは妥当な決着であるということでよろしいでしょうか。
(答)私は昨年の11月から、例えば総務大臣が通信業者に対してフィルタリングの設置について通知を出す形でさらなる努力を促すといった一連のプロセスの中で段階を追いながら、その成果を評価していくことを積み上げていく、そのプロセスが大変大事だと思います。もちろん規制をかけて有害情報を根絶するという方法もあるだろうし、そして自主的に、今4月には第三者機関として「EMA」(エマ)という組織ができたということで、この間の閣僚懇談会の際にもそうした御報告がありましたが、民間の中で自主的に体制づくりや基準づくりに向けて積極的な取組をしていただいているということ、そのことは大変評価すべきことではないかと思いますし、その成果がしっかり出てくるかどうかが大変大事な点ではないかと思います。
 したがって、この取組の中で十分に成果を上げていくことができるように、まず努力をしていただく。また政府としてもそのことについて深く見ていくということが大切ではないかと思っております。
 そのプロセスの先がどういう状況になるかということは、絶えず閣僚会議等またこれから設けられる、そうした基本計画等もあるということでありますので、そうしたものの中で、しっかりと議論をしながら位置づけていくということが大切ではないかと思います。それぞれの役割で分担をしていき、政府としてやるべきこと、私自身は青少年対策の中の健やかな育ちという形の中で、この問題をさらに注視してまいりたいと思っております。

(以上)