上川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年12月24日

(平成19年12月24日(月) 10:53~11:07  於:合同庁舎4号館 6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議は、一般案件が6件、国会提出案件13件、公布2件、政令5件、計26件の案件がございました。このうち私の所管案件はございませんでした。
 また、私から報告事項が2件ございます。
 本日、平成20年度予算案が閣議決定されたところでございますが、内閣府におきまして、お手元の資料のとおり、政府全体の少子化社会対策関係予算案を取りまとめましたので、御報告をいたします。
 歳出・歳入一体改革による厳しい歳出削減が求められる中で、平成20年度の少子化社会対策関係予算案の総額は1兆5,714億円と対前年度比で3.5%増を確保することができました。
 今回の予算案は、先に取りまとめられました仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章及び行動指針、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略を反映させ、働き方の改革のための取組や多様な働き方に対応した保育サービス等の子育て支援策の充実を図るとともに、当面差し迫った課題でございます安全・安心な産科医療の確保に重点を置いた内容となっております。
 具体的には、まず、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章及び行動指針に基づき、働き方の改革を進めていくため、業界トップクラス企業によります先進的モデル事業の展開、また労使、そして自治体、有識者によります「ワーク・ライフ・バランス推進会議」の各都道府県への設置。
 次いで重点戦略の方向性を踏まえた多様な働き方に対応した保育サービス等の子育て支援策の充実のため、保育ママの充実や延長保育や一時保育の推進などによるそれぞれの家庭のニーズに応じた子育て支援サービスの提供。また、第2子以降の子どもが幼稚園に通う際の親の負担の軽減措置の適用条件の緩和、児童虐待等の対応を図る「子どもを守る地域ネットワーク」の機能強化。
 更に、当面差し迫った課題であります安全・安心な産科医療等の確保を図るため、産科医療機関への財政的な支援、産科医療補償制度への支援を盛り込むなど、全体として「仕事と生活の調和元年」にふさわしい予算案となったものと考えております。
 今後は、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章及び行動指針に基づく取組の推進を図るとともに、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略において示されました検討課題を踏まえ、家庭的保育や一時預かり等の制度化、企業や自治体の次世代育成支援行動計画の策定及び取組の一層の推進等については、次期通常国会に所要の改正法案を提出するよう検討を進めるとともに、費用負担等を含む具体的な制度設計につきましては、税制改正の動向を踏まえつつ、引き続き議論をするなど少子化対策に断固とした決意で取り組む所存でございます。
 詳細につきましては、共生社会政策統括官付の少子・高齢化対策担当に問い合わせていただければと思います。
 また、2点目でございますが、本日の閣議で「独立行政法人整理合理化計画」を決定いたしました。その中で、「国立女性教育会館」につきましては、「単独存続」という結論を得ました。本会館は、福田政権の基本理念の1つであります我が国の男女共同参画社会の形成に大きな役割を果たしており、私自身その活動を高く評価しております。私にもその単独での存続や、また機能の強化を望む要望が数多く寄せられてまいりました。こうした要望につきましては、機会を見て私から渡海大臣、渡辺大臣にも伝え、このような声も踏まえて、慎重に検討していただきたい旨、お話をさせていただきました。
 今回、本会館が単独で存続することになったのは、本会館のこれまでの活動が多くの国民の皆様から高い評価を得、その御意見が反映された結果であり、男女共同参画を担当する大臣として、大変喜ばしいことと感じている次第でございます。
 私としましては、今後とも女性教育に関する我が国唯一のナショナルセンターとして、またアジア・太平洋地域のリージョナルセンターとして、国際的な観点からも男女共同参画社会の形成の推進役を担っていくために、一層の機能の充実を図るとともに、更なる事業の効率化、適正化にも努めていただき、多くの皆様から寄せられた期待や、また要望に応える施設として発展することを期待しているところでございます。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)前年度比3.5%の増というこの額についてはどう評価されていますか。
(答)今、歳出・歳入の一体改革ということで大変厳しい歳出削減が求められている中、政府全体の一般歳出の伸びそのものを見てみましても、内示段階で0.7%増という状況である中で、少子社会対策関係予算、少子化対策の予算につきましては、3.5%増ということで比較的高い伸びであると考えております。限られた予算の中で、政策的にも効率を高め、またその効果が最大限発揮できるような運用を図るべく最善の努力をしてまいりたいと思います。
(問)予算と関係ないのですが、薬害肝炎の訴訟で総理が昨日ああいう御決断をされたんですけれども、一閣僚としてそのことの受けとめの方をお願いできればと思うんですが。
(答)総理は、薬害肝炎の患者さんの立場に立ってしっかりと取り組むということを、この間もずっと主張していらっしゃいました。今回、政治的な対応をするという決断をされたということでございますので、この間の議論の推移等も十分に踏まえた上で、安心して治療に当たっていただけるような対応策も含めてしっかりと対応していただきたい。そういう意味では、これから行われる議員立法の取組の中で、総理としての意思もしっかりと踏み込まれるような形となるように、強く期待しているところでございます。
(問)一方で、タイミングについていろいろ賛否分かれるような、遅いという人もいらっしゃるんですけれども、その結論のタイミングについてはどのように思われますでしょうか。
(答)1つの結論に至るまでは、1つずつステップをきちっと踏んでいくことが大切であると私は思っておりますので、司法の和解勧告が出、それに対応して政府が取り組む案を示し、そしてその中で合意が得られないという形の中での決断だと思います。
 そういう意味では、きちっとステップを踏んで今に至っていると思いますので、そのステップ・バイ・ステップの努力がしっかりと患者さんの方にも伝わり、またよい形での議員立法に結実するように努力を積み重ねていくことが大切ではないかと、改めてそう思います。
(問)もう体調は大丈夫でしょうか。
(答)大変御迷惑をおかけして申しわけございませんでした。改めて大臣というのは万全の体調管理を要するということを今回の教訓にしてまいりたいと思っております。大変御迷惑をおかけしまして、申し訳ございませんでした。
(問)総理の方で、社会保障に関する国民会議というのを年明けに発足させるということなんですが、その中で社会保障の中に幅広く子育て支援についても取り入れていきたいというような発言があったんですが、総理から何かそれに関係して大臣の方に指示とか意見を求めることなどありましたでしょうか。
(答)今の段階では、社会保障に関する国民会議の設置等に関して私の方に意見を求められたということはございません。当然、この問題は年金、雇用、福祉、介護、そして少子化、更には男女共同参画という大変幅広い形での国民の安全・安心の基盤ということの議論でございますので、その中にこの2つの項目も入っているということでございます。
 今後の議論の中で、当然、私どもの方の検討も十分に踏まえる形での議論が進展していくものと思っております。
(問)福田内閣の支持率がこのところかなり下がっているという世論調査がありますけれども、どの辺に原因があるというふうに見られていますでしょうか。
(答)原因がどこにあるかということについては、世論調査の支持する、支持しないの理由のところで推測はつくわけでありますが、私自身はあまり世論調査の数値そのものに一喜一憂することなく、国民の皆さんの視点に立って政策をしっかりと積み上げていくことが大切であるということで、福田内閣発足以来取り組んでまいりましたので、それぞれ今質問がございました肝炎訴訟の問題も、国民の皆さんには大変心配していただいている事項でありますし、この少子化の問題にしても、いろいろ大変難しい課題がございまして、そういう中で国民の皆さんのお気持ちも動くものと思っております。
 しかし、短期的な施策ということではなく、その効果ということとか、あるいは姿勢そのものが変わらないということをしっかりと皆様にお示ししていくことが求められていると思いますので、あまり数字に一喜一憂することなく、皆様の期待に応えられるように精いっぱいの努力を積み上げて、また来年度に臨んでまいりたいと思っております。

(以上)