上川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年9月14日

(平成19年9月14日(金) 9:42~9:56  於:合同庁舎4号館 6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣僚懇談会は、一般案件が1件、国会提出案件が1件、政令が7件、配布が2件、計11件の案件がございました。このうち私の所管案件はございませんでした。これらにつきましては、後ほど総理の決裁をもって決定となります。
 また、私から報告事項が1件ございます。
 平成20年度の少子化社会対策関係予算概算要求の取りまとめについてでございます。
 平成20年度予算の概算要求が各府省より財務省に提出されましたが、内閣府において政府全体の少子化社会対策関係予算の概算要求の状況を取りまとめましたので御報告いたします。
 歳出・歳入一体改革による厳しい歳出削減が求められる中、平成20年度の少子化社会対策関係予算の概算要求は、総額で1兆6,544億円と、前年度と比較して5.7%の増額要求となっております。このうち義務的経費を除いた裁量的経費は、今回の概算要求では3,595億円と、前年度と比較して23.3%増の要求をしております。
 今回の概算要求は3つの大きな柱に重点を置いた要求がなされております。
 すなわち、第1に安全・安心な産科医療の確保といった差し迫った問題に対応するため、産科医療機関への財政的支援などによる産科医療の確保対策。
 様々な働き方、ライフスタイルの選択に対応した子育て支援サービスの実現、就学前の親の経済的負担軽減、児童虐待の問題等に対応するため、保育ママの充実、延長保育や一時保育の推進などによるそれぞれの家庭のニーズに応じた子育て支援サービスの提供、第2子以降の子どもが幼稚園に通う際の親の負担の軽減措置の拡充、児童虐待等の対応を図る「子どもを守る地域ネットワーク」の機能強化、これが2点目であります。
 3点目は、少子化対策において最優先課題とされているワーク・ライフ・バランスを実現するため、業界トップクラス企業による先進的モデル事業の展開、労使・自治体、有識者によるワーク・ライフ・バランス推進会議の各都道府県への設置など、関係各府省において少子化社会対策関係予算の積極的な要求がなされております。
 また、現在、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略やワーク・ライフ・バランス実現のための憲章及び行動指針の策定に向けて検討中であり、今後、具体的な施策の検討を進め、それらに必要な財源についても予算編成過程において検討することとしています。
 なお、概算要求のポイントについては、配付資料を御参照いただくとともに、詳細につきましては、少子・高齢化対策第1担当に問い合わせていただければと思います。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)新しい総理総裁の選出に向けて今日告示ということになりますけれども、新しい総理総裁に求められる姿、またはどのような政策を求められるか、期待されているのかということについて、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)突然の安倍総理の辞意表明という予想ができないような事態が発生し、この辞意表明の中でも総理がおっしゃっていましたが、参議院選挙の厳しい結果を受けて、その反省の上に立って、民意というか国民の皆さんの信頼を獲得するために全力を尽くすと、こういうお考えを再三述べていらっしゃいました。
 私は、その問題意識は変わらないと思っておりますので、今回の総裁選におきましても、その参議院選挙で表現された国民の皆さんの民意、皆さんのお気持ち、そして不安感としっかりと向き合って、そしてしっかりと説明しながら施策の推進に当たって全力を尽くしていく、そうした総裁を選ぶことが大切ではないかと考えております。
 私の所掌であります少子化と男女共同参画、さらに青少年の対策及び食育というテーマは、いずれも生命にかかわる分野でありまして、そうしたことに対しても、国民の皆さんからの様々な希望や、そういうことにこたえることができないのではないかという現実とのギャップ、そうした点について、私も閣僚の一人として精いっぱいの努力をして頑張ってまいりたいと思っておりましたので、今回の新しい総理には、そういう意味で、この少子化の問題、日本全体の希望の象徴である子供の問題について積極的に取り上げていただけるような方に、ぜひなっていただきたいと思っております。
(問)そうした中で、今新しい総理総裁の選出に向けて、派閥の合従連衡というのが言われていますけれども、こうした今の選び方または派閥の動きについて、昔の自民党に戻りつつあるのではないかという指摘も一部からありますけれども、そういうことについては、総理総裁の選び方についてはどのようなものがふさわしいとお考えでしょうか。
(答)通常の総理総裁の選考の仕方と、今回のように大変緊急な事態の中での総理総裁の選考の仕方というのはおのずと違いがあるというふうに思います。
 しかし、緊急の事態の中の総理総裁の選び方においても、しっかりとした透明な手続の中で、そして幅広い党員の皆さん及び国民の皆さんに、理解しそしてその方への期待感がしっかりと高まり、そして日本の政治全体の中にも救心力が高まっていくことができるようなあり方については知恵を絞っていかなければいけないことだと思います。
 そういう意味でいきますと、時間の問題、皆さんに広くその方の主張や政策について理解していただくための時間はある程度必要であると思っております。しかし、それが今、臨時国会の開会中という事態だけに、そのときのバランスも含めて、党としての大きな判断を迫られていると思っております。
 今、御指摘のありました派閥の合従連衡というようなひとくくりにくくったような表現ではない今のような透明性の高い仕組みで、できる限り国民の皆さんに理解していただけるような、そういう総裁選にしようということについては、御指摘の古いタイプの派閥の合従連衡型の総裁選に戻ったという認識を私は全く持っておりませんで、むしろそういう中から新しい時代にふさわしい総裁選のあり方というものを、この緊急事態の中で、ある意味ではつくり出していく、そういう自民党の中の改革ということにもつながっていく動きではないかと、現状では私はそのように理解しております。
(問)さっき予想ができないとおっしゃいましたが、率直に総理がやめられるということを聞かれたときの感想をお願いします。
(答)政治の中には、予想のできることと予想のできないことがあって、予想のできないことにおいても、それに対してしっかりと向き合っていくことができる力があるかどうかというのは、日本の政治にとって大変大事なことだと思っています。
 今、予想のできないことと私は申し上げましたが、今回の事態は私自身は予想ができないことでありまして、にわかに信じられないことでありました。そして、正式に記者会見をするまでは、情報の正確性等も含めまして、私自身冷静にしっかりと判断していくべきではないかと思っておりましたので、記者会見で20分総理が発言された内容につきましては、一言一言かみしめながら伺いましたが、大変驚きました。
(問)関連して2点なんですけれども、総理の辞任会見は国民が納得でき得るような内容であったとお考えでありますか。あと、もう1点は、これだけの政治行政の停滞を招いた安倍総理と自民党の責任についてはどのように思われますか。
(答)まず、第1点の国民の納得ということでありますけれども、国民の納得を得られるかどうかというのは、これからいろいろな関連する状況についての情報がまだ、突然、今起こった事態でありますので、少し時間をかけながら、そして冷静になって国民の皆さんに理解していただくプロセスというのは大事ではないかと思います。
 第1弾の記者会見の中で、それに対して直感的に言うと、なかなか納得をすることをお願いするのは厳しいのではないかというふうに思います。
 しかし、その後の状況の中で、様々に置かれている状況、そして国際的な状況の中で日本の国がどのように決断していくのか等について、いろいろ考えた上での御決意であったということもあわせて、私自身も考えながら、これから国民の皆さんにどう理解していただくのか、そして理解していただくことの努力をしていくことは、閣僚の一人としての責任ではないかと思っております。
 今、その後の安倍政権の責任等ということでありますけれども、先ほどちょっと触れましたけれども、どんな事態が起ころうと、内閣は今も仕事をしっかりとしている内閣である。そして、その中で私自身も担当する4つの所掌につきましては、次の方にしっかりと受け渡すことができるように、この間大変短い期間ではありましたけれども、職責は完全にまっとうしていくという覚悟で、一日一日を乗り越えていきたいと思っております。
 そういう意味では、そうした姿勢そのものに対して御理解をいただけることになるように、一日たりとも空白にならないよう努力をしてまいりたいと思っております。
 ありがとうございました。

(以上)