増田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年5月27日

(平成20年5月27日(火) 9:03~9:19  於:総務省会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。今朝ほど閣議がありましたが、特に私の方からの発言事項はありません。
 閣僚懇談会で、クールビズの話がありました。来月、6月1日は日曜日ですので月曜日から、こちらに来るときに、そういう服装にしようと思っていますが、いずれにしても、本質は、部屋の温度は28℃にするとか、そちらの方でしょうから、適宜状況に応じてとありますが、省エネですとか、温暖化対策寄与のための取組は総務省としてきちんとしたいということであります。

2.質疑応答

(問)二つお願いします。一つは地方分権関係です。明日、地方分権改革推進委員会の一次勧告が取りまとめられる予定ですが、農水省の農地転用をはじめ、まだ調整中の点が残っていると思います。これについて、どのように対応されるかということと、もう一つは、昨日、教育再生懇談会が、小中学生が携帯電話を持たないように関係者が協力するという報告を取りまとめました。通信関係を所管する総務大臣として、この報告をどういうふうに受け止められるでしょうか。
(答)まず、分権の関係ですが、若林農水大臣とは、話が平行線のままになっていて、今日の夕方にでも、官房長官のところで、またできればやりたいということを考えています。ただ、いずれにしても勧告は勧告で、分権委員会としてされると思いますので、私どもの方の話というのは、その勧告が出た後を受けて政府として対応方針を決めなければいけないので、そのときに向けて距離を縮めるということになると思います。勧告自身は分権委員会の方でいろいろ作業を進めていると聞いていますけれども、それはそれで、分権委員会としての見識でいろいろやっていただいて、あと、政府部内でどのように取りまとめるのか、勧告を受けてどういうふうに取りまとめをするのか、農水省との関係は、取りまとめがなかなか難しい点でありますので、今日お話してどういうふうになるのかですが、いずれにしても、勧告を受けての取りまとめに向けて、また、他の省庁とやる必要があれば他の大臣ともやりたいと、そういう中の一環として、余りにも今のところ距離が大き過ぎるので、今日の夕方、再度話し合いをしたいと思います。
 それから、携帯電話については、今小中学生で、持っている子どもたちも多いというふうに聞きます。親が、居場所確認や防犯上の観点などから持たせていることが多いと思いますが、教育上、特に小学生の場合には、一年生から六年生まで多様ですし、他にきちんと学んでもらう事項が多いと思います。昨日の教育再生懇談会で、小中学生が持つ携帯電話には、通信機能等を限定したものを推進し、機能を限定した開発と普及に携帯電話事業者も協力するというような第一次勧告がまとまったようなので、総務省として、携帯電話事業者に、こういったことについて協力を促したり、事業者の皆様方にも、独自にいろいろと小中学生が持つ場合にどういうふうにしたらいいのかということを考えていただくようなことは、当然促していきたいというふうに思います。携帯電話以外のものもそうですが、要するに、非常に便利なツールであると同時に、一方で様々な社会的な問題を引き起こす道具にもなり得るわけであり、そうした両面性あるものについて、それぞれの、良い面と危険性を確実に教え込むということは、学校教育の中で、それぞれの発達段階に応じてとられるべき話ですから、文部科学省ですとか学校現場の中で、そういう取組が、携帯電話についても必要なのではないかと思います。総務省としては、携帯電話事業者に対して、どういうふうに考えていただくのか。あるいは新しいものを開発していただく必要があれば、そういうものをやっていただくということで、この教育再生懇談会の提言の考え方を活かしていきたいというふうに思います。
(問)今の携帯電話の関連なのですけれども、携帯事業者に、総務省もしくは大臣の方から、何か要請をされるお考えなのでしょうか。
(答)必要であれば要請してもいいと思います。もう既に子ども向けの携帯電話が開発されているというふうに聞いていますが、多分ビジネスとして、そういう需要が大きければ、当然やられるのだろうと思いますけれども、そのための動きがなかなか十分でないということであれば、こちらの方でも御協力をお願いするような形になると思います。そういったこともあり得るかと思います。
(問)今の御認識では、子ども携帯というものも出されていて、今は十分だと思われているのですか。
(答)現場の状況は、十分なのかどうかわかりませんけれども、これから、携帯電話のニーズが、非常にきめ細かくなっていくような気はします。今、お年寄りのための、ボタンが大きくシンプルなものなどの広告が出ているのを、よく見ますよね。したがって、多機能の若い人たち向けのものや、お年寄り向け、あるいは親が子どもに渡す場合のものとして勧めたいもの等、市場のニーズが非常に多様化、細分化されるに応じてのビジネスの可能性というのはあるのではないかなというふうに思います。子どもの場合については、いろいろな議論が、今後も、あり得るのではないかと思います。マーケットの要請に応じて、今までいろいろ開発してきている中で、一方で子どもの場合には、危険性の観点から、もっとそこのところを別に制限なり何なりしようではないかというのが、今回の発想のところだと思います。教育の観点からいうと、携帯電話を持つという必要性というのは、あまり小学生の場合には考えられませんし、それから、いわゆる情報リテラシーということがあって、情報を読み解くとか取捨選択するというのも、高校生とか大学生くらいになると携帯電話はもうほとんど皆持っているから、それを取り上げるというわけにいかないでしょうから、そういう中で培っていく話で、小学生の段階では、もっと別ではないかなというふうに思います。いずれにしても、小中学生が随分携帯電話を持っているようですし、そういった社会に対応した学校での教育などということが今後もっと積極的にあっていいのではないかと思います。しかし、中学生くらいでは、そういうことを教えて効果があるかもしれませんが、小学生でそういったことが本当に必要なのかどうか、これは学校関係者の方でよく議論していく必要があると思います。
(問)分権改革についてなのですけれども、直轄国道の移譲について、国交省は、今の2万1,500Kmのうち15%ということを言っているのですけれども、これについては分権委員会の中でも、全く足りないという声が大きくて、地方からも反発が上がっているのですが、一次勧告の後、政府の中で対処方針を決める際に、大臣としてはさらに上積みを求めていくということでよろしいのでしょうか。
(答)できれば、多いほうがいいことはいいでしょう。やれるかどうかは今後の議論になりますけれども。ただ、分権委員会の勧告はもう、分権委員会の御認識でいろいろお考えになっていることを書いていただければいいと思います。それから、政府の中で決めることについては、政府としての立場でまた議論があるだろうから、国交省は、多分今言っているようなことを主張されるのではないかと思いますけれども、そこのところは、広く、もちろん決められればいいことであると思います。
(問)「ダビング10」についてなのですけれども、補償金を巡る対立で、最近、予定どおりできるかどうかという雰囲気ですが、地デジの普及の問題とか対応機器の調整とか影響多々あるかと思うのですけれども、総務省として何か、打開するためにされるお考えはありますか。
(答)あれは、今、舞台が文化庁の文化審議会で議論しています。いわゆる「ダビング10」について、総務省の方で推進するための考え方をまとめているのですが、著作権者側に立つのか、メーカー側に立つのか、いろいろ議論があるのですけれども、どちらかの側に立って、それを文化庁の場で軍配を上げるように働きかけるといふうには今考えていません、そこまでは。文化審議会の場で関係者で議論してもらうというのは、いずれにしても必要ではないか。確かにボーナス商戦とか北京オリンピックとかがあって、一つの大きな時機ではあるのですが、多分今後いろいろ発売されていくツールの前哨戦みたいな様相も呈しているのですよね。そういうこともあって、それぞれ言っているのでしょうけれども、両方議論尽くして、どういうふうにするかという行司役のようなことは、文化審議会の場になっているので、総務省としてはどちらにするという立場には、我々が立っていないということがあると思います。
 それにしても、いろんな考え方が成り立ち得るので、この間、総務委員会でも、特に電波を使って一回流したものについて、そういった権利を本当に、著作権者側が主張できるのか、公の電波を使うということ自体で、普通の場合とは違うのではないかという話がありました。いろいろな議論があるので、それをもっといろいろ展開していく必要があるのではないか、いろいろな立場の人の意見をもっと展開して、それでまとめていくことが必要ではないかなと思います。
 総務省の方で、どちらの側に立つかという、明確な価値判断の材料をこちらは持っているわけではありません。メーカー側に立つのか、著作権者側に立つのかという、その価値判断を、こちらの方では、まだしていないということです。
(問)いろいろな場でやっている中で、総務省として、行司役といいますか、そういう立場でやられる予定というのはあるのでしょうか。
(答)行司役に、どういう場面でなれるのかというのはありますけれども、消費者側の立場に立って、関係者の合意を得て「ダビング10」を進めるという立場には立っています。ただ、関係者の合意というのはなかなか今難しくて、著作権者側の主張にも一理あるし、そこがないがしろになると、質が低下するということになるのかもしれません。それから、消費者にとっては、今のいわゆる「コピーワンス」ですとちょっと不便なので、今の技術的にはどんなふうにでもできるわけですから、利用する立場にとってみれば、当然「ダビング10」が推進された方がいいので、どういうふうに行司役に立つか、なかなか難しいと思っています。今のところ、関係者がぎりぎりまで話し合い、それぞれの折り合いをつけるための歩み寄りを見定めるというのが大事かなと思います。もう少し、時期をみたいと思います。
(問)ほかにありますでしょうか。
(答)ありがとうございました。

(以上)