増田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年4月25日

(平成20年4月25日(金) 9:06~9:26  於:総務省会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。今朝ほどの閣議ですが、消費者物価指数について報告をしました。主なポイントは次のとおりです。3月の全国の指数ですが、1年前に比べ1.2%の上昇となりました。平成19年度平均の全国の指数ですが、前年度に比べ0.4%の上昇となりました。4月の東京都区部速報値は、1年前に比べ0.6%の上昇と、この3点を報告をしています。
 毎月、消費者物価指数と併せて公表している労働力調査結果は、来週になります。閣議での発言事項は以上です。
 それから、私の方からもう1点、お願いということになりますが、例のガソリンの買いだめの危険性のことで申し上げたいと思うのですが、総務省消防庁はガソリン買いだめの危険性を周知するために、啓発用のポスターを全国のガソリンスタンドに掲示したほか、政府広報を活用して、新聞の突出し広告を行うなど広報に努めているところです。4月18日に、消防研究センターで実施をした、ガソリンが爆発的に燃え広がる模様の実験につきましては、マスコミの皆さん方に御協力をいただきまして、報道もしていただいたところでございます。また、4月15日頃から全国の町内会・自治会等でガソリン買いだめの危険性を周知するために、啓発用のリーフレットの回覧が始まっているところであります。さらに、啓発用ポスターについて、ガソリンスタンドばかりでなく、更に増し刷りをして、駅などの公共機関でのポスター掲示を拡充するよう、今、準備を進めております。マスコミの皆様方にもこれまで以上に、ガソリン買いだめの危険性についての十分な周知徹底をお願いを申し上げたいということであります。ガソリンは常温で、大変揮発性が高く、瞬間的に爆発を起こすという大変危険性の高いものですので、国民の皆さん方にも繰り返しお願いですが、決していわゆる灯油用のポリタンクなどにガソリンの買いだめをしないようにお願い申しあげたいということです。
 それから、閣僚懇談会で、消費者庁(仮称)の創設に向けて、総理の方からの指示がございましたので、これは官房長官あるいは岸田内閣府特命担当大臣の方から発表が正式にあろうかと思いますが、指示の中で地方の体制の強化ということが強く求められているということで、私も地方の体制を強くしなければこの消費者庁の関係は成功しないというふうに思っております。
 特に、総理の方から守るべき三原則というものが示され、「消費者行政の充実強化は地方自治そのものだ」ということを謳っておりますけれども、正にその通りだというふうに思います。特に、消費者庁創設の6つの基本方針というのが指示されておりますが、その中に「地方分権を基本としつつ、地方の消費者行政の立て直し・強化のために当面、国が講ずべき支援策のあり方について検討する」ということが書いてあり、この検討を急ぎたい。国が地方の消費者行政の立て直し強化のために講ずべき支援策のあり方について、早急に検討して、取りまとめたいというふうに思っております。
 全国各地域で5百数十ヶ所ある消費生活センターや消費生活相談員の位置づけを、明確化をしなければいけないなというふうに思いますし、それから、地方の出先、地方での接点となるところで、予算、人員面で非常に今、体制が弱くなっておりますので、そこをどういうふうにしていったらいいのかということも考えなければいけないと思います。
 それから、6つの基本方針あるいは、3つの守るべき原則の中に書いてありますが、やはり地方分権を進めていくと、地方への権限を移譲して、この問題に迅速かつ適確に対応していく必要があるだろうというふうに思います。JAS法、食品衛生法のみに関わらず、他の分野も含めて、国と都道府県の責任の所在を明確化して、国民と非常に近い接点のところが迅速に対応できるようにしていく必要があります。これはミートホープ事件をはじめ、各種の事件の中で教訓として明らかになってきたことでありますので、そういう観点も含めてこの問題の検討を進めていきたいというふうに思います。以上です。

2.質疑応答

(問)ガソリン税の暫定税率ですが、今、失効しておりますけれども、政府与党、30日に再可決をして5月1日に施行するという方針のようですが、地方を所管する大臣としてお考えをお聞かせください。
(答)立法府の方でどういう判断をされるかということについては、私の方から特に申し上げることはありませんが、いずれにしても立法府の方で何らかの判断が行われたということであれば、その判断に、迅速に対応できるように致したい。仮に再議決ということになれば、そのことにすぐに対応できるように、全国の関係者の方にお知らせをして、適切な対応を取れるようにしていきたいというふうに思います。
 もう1点は仮にそういったことで、消費者の皆さん方が今のうちにガソリンを買いだめるという行動を取られる際に、その危険性の周知徹底は、今、申し上げましたようにさらに徹底をしておきたいということです。
 それから、この問題は、毎日毎日、地方税収に相当な歳入欠陥が生ずるという事態になっておりますので、総務省の立場とすれば、地方財政を守るという観点からこのガソリン税、特定財源の問題ですが、政府与党で見直しの考え方も示されておりますけれども、いずれにしても歳入欠陥については、早急に埋める必要があるという認識は、以前と同じで変わりございません。
(問)自民党の国家戦略本部というところが提言を出しまして、まず省庁再々編して1府6省にする、国会議員も250人ぐらいにする、道州制を踏まえた改革をするということで、これはまだ提言のレベルだと思うんですけれども、かなりこれも大胆な改革案だと思うのですが、どのように受け止められたんでしょうか。
(答)総務省は内務省と書いていましたね。大変大胆だと思います。恐らくあの内容については、賛否両論、大変大きな議論を内容には含んでいると思います。ですから、国家戦略本部というところでの議論だと、私も思います。
 この中身が個々に、これはいい話だとか、これはそうではないとかいう分析までまだできていませんけれども、非常に大胆であり、立法府の方で自ら国会議員を200人でしたかね、大胆に削減して、仕事をいろいろ整理して地方に移すものは地方に移すと。地方も、議院内閣制の形を取るんですかね。州の区割まで含めて書いてありましたけれども、非常に大胆な提言であります。正に党レベルで、あのレベルの議論というのは、これから必要になってくるのではないかなと、そのくらいの大きな構造改革が必要になってくるのではないかなという意味で、提案を元に、大きな議論をしていただければと思います。私どももその議論というのをよく見つめていきたいというふうに思います。大胆な提言だというふうに受け止めています。
(問)大臣、消費者庁ですけれども、消費者庁の権限を巡っては、すでに省庁側から反発もあると、どこまで権限を持たせるのかという問題があるかと思うんですが、これについて、基本的な考え方を教えて下さい。
(答)岸田大臣の方で、各大臣のところへ足を運ばれるというふうに聞いていますし、岸田大臣の方から、地方の体制の強化についてよく相談したいという話があって、私もそのつもりでおりますので、岸田大臣とよく相談したいですね。この消費者庁が名実ともに機能と実力を備えた消費者庁になるように協力していきたい。
 それは「消費者庁(仮称)の創設について」にも書いてありますように、中央で消費者庁というものができただけでは完結せず、地方の受け皿となるような1番国民に近いところの体制が十分に機能しないといけないと思います。各省が所管している行政の権限を消費者庁に集めることについて抵抗感があると聞いていますが、地方の仕事になじむものについては、権限を明確にする意味で、中央でいろいろ争うよりは、地方の方に移してもらっていけば自然とそこがもう一本化しますから、できるだけ分権をして地方の方に移すということを主眼にやってもらえれば、中央で争うよりも黙っていてもそこの窓口が一本化するということだと思います。
 ただ、地方の方でも非常に専門性の高いことについて、窓口で全部対応できるかという問題があって、相談員の人たちも今、非常勤で、不安定な上に安い給料で仕事を精一杯しているような状況もあり、その中で複雑化する相談についてどのように対応していくのか、研修体制をどうやって強化するか、専門性のある相談員の人たちをこれからどうやって増やしていくのか等、非常に課題が多いわけです。ですから、専門性のある人たち、今まで国の中でやっていた人たちをそういう現場にいっぱい出てきてもらって、相談にのっていただくということも必要でしょうし、有機的な連携のようなものが、これからものすごく大事になってくるのではないかと思います。こういう分かりやすいところから、成果を出していけば、地方分権の意味も、こういうことかとよく分かると思います。ですから、今回の消費者庁を作るというところの考え方の奥にあるものを、何故かというところをよく踏まえて協力していきたいと思います。
(問)大臣、昨日、過疎問題懇談会というところが、限界集落を含む過疎集落にですね、集落支援員というものを置いて、政策に活かすようにという提言をまとめたんですが、定住自立圏構想なんか、並行して進んでますけれども、国としてどういうようなことが今後できるというふうにお考えでしょうか。
(答)私も岩手のときにも経験していましたし、総務大臣になって、他の県の過疎地域をいろいろ歩いてみましても、高齢者が多く、なかなかお互いに、いろいろなコミュニティを維持するための取り組みをするのに対して、間に入って動き回る人たちの体制が弱いなと思います。今ある集落は、本当に高齢の方々ばかりになって、なかなかそういうことを自分たちでやるにも難しいと。行政は行政で日々の仕事がありますし、集落などに入っていって、どういうことがこの地域で必要かということを、走り回ったり、相談に乗るような人たちが欲しいと思っていましたので、そういう支援をするような人たちが、これからどういう役割を果たしていくのか、どういう人たち、どういう肩書きで、どういう身分で、地域に入って機能を果たしていくのかというところをより具体化して、検討を掘り下げると、そういう人たちは、いい活動ができるのではないかなと思います。
 提案としては、私は過疎集落などに、そういう人たちが必要だと思っていましたので、過疎問題懇談会の方でもまたさらに検討を掘り下げてもらいたいと思いますし、こちらもこの問題提起を受け止めて、この考え方を活かしたいと思います。総務省としても併せて、この問題を受け止めて検討していきたいと思います。
(問)権限委譲を巡る閣僚折衝の進捗状況についてはどうでしょうか。
(答)今週中と思って、日程を1回、厚生労働大臣とセットしたのですけど、国会の都合で、どうしても今日は勘弁してほしいと、今朝の閣議前のときも舛添厚生労働大臣から相談があったので、来週また再セットして、厚生労働大臣からやりたいなと思っています。あと、農林水産省も局長級のお話を一昨日聞いて、私がまだ結果をよく聞いてないので、事務局からこの休みの間に報告を受けようかと思っています。そうすれば、来週、農林水産省もできるのではないかなと思います。今週中と思っていたのですが、どうもなかなか国会でうまく日程がすり合わなかったのですが、逆に、来週は国会は緊張するのですが、時間は比較的あるのかもしれません。来週、やりたいので、また時間がセットできたらお知らせしたいと思います。そういう状況でございます。
(問)3年後のアナログ停波に関する全国協議会が開かれると思いますけれども、これについてお聞きしたいんですが、今後、具体的な対策が順次、打ち出されていくと、国民がその影響を実感するフェーズに入ってくると思うんですけれども、円滑な停波に向けて、現状、どういう課題があるかという御認識とですね、それを踏まえて今後、どういった優先課題があるのかという御認識をお願い致します。
(答)まだ国民の皆様方に明らかにしてないのは、特に経済的な弱者の方への対応策です。市町村ロードマップなどを発表して、受信者側、送信者側の現状がどういうレベルになっているのかというのをできるだけ分かりやすくお示ししているのですが、経済弱者の方にどういうことが必要なのか、これがないと最終的に停波できませんので、これは本年夏までにということになっており、今、いろいろ検討委員会の方でも検討していますが、これをまとめて必要な支援策をお知らせします。それについて、十分なのかどうか等いろいろ御議論があると思うのですけれども、これが非常に大きな問題だなと思います。
 それから、御承知の通り、自主共聴施設、辺地共聴施設の改修の問題があります。都市部でもマンション等の問題がありますし、それから、非常に多く残っている過疎地域などの辺地共聴施設の改修ですが、基本的にはその中で話し合いをしていただくということで、市町村ロードマップとか、そういうものを明らかにする段階で、どこがどういうふうに残っていて、まだ終わっていないかということが明確になってきていますので、そこの取り組みを促していくということです。
 地上デジタル放送の完全移行である2011年7月24日、これはもう変えずに、そのままやりたいというふうに思っていますので、そのためにも国民の皆さん方に、今、申し上げましたような点をできるだけ早く明らかにできるように検討を進めていきたい。
 あと、そのためにやらなければいけない技術的な問題については、地上デジタルチューナーの料金の低廉化の問題があります。また、国民への周知が前回の調査で、確か60%ぐらいということだったので、何か、変わりそうだということを漠然と分かっておられる方は、また更に増えていると思うのですが、しかしアナログ放送が停波になるというところまで正確に御存知かどうかということもあるので、画面にそういうことがわかるような表示をしたらいいのではないか等いろいろ出ていますので、周知のやり方も、更にもっと直接的に分かるようなやり方を検討していかなければいけないと思います。
(問)よろしいでしょうか。
(答)ありがとうございました。

(以上)