増田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年1月18日

(平成20年1月18日(金) 9:52~10:10  於:総務省会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。先ほど閣議がございました。閣議での発言事項はありませんが、その後の閣僚懇談会で、私の方から郵政民営化後の郵便局の状況等について御報告をしました。スタートしてから3カ月半経ちますが、全体的には順調ということで申し上げておきましたけれども、いろいろ国民の皆様方から御指摘をいただいている点、特に簡易郵便局の一時閉鎖が増加をしていると、こういう御指摘をいただいておりますので、これに対して今後、日本郵政株式会社の方でどういう対応をしていくのかということを中心にお話を申し上げておきました。すなわち、移動郵便車等で取りあえず対応するということを2月から考えているところでございますが、そうしたこと。その間に地域の町内会、自治会等に今まで以上にきめ細かく当たって、何とか簡易郵便局の受託者を見つけていただくというようなことを行っていきます。それから、従来から委託料の引上げ等を行っておりますが、どうしても受託者が見つからない場合には、近隣の直営郵便局の方から職員の巡回訪問を行ったり、あるいは直営郵便局の分室をそこに設けるといったようなことで、今関係する金融庁等とも調整をしてございますので、そうした日本郵政株式会社としての現在の取組状況について御報告しております。できるだけこうした問題にきめ細かく対応していただきたいということを、その場で他の方から御指摘いただきましたけれども、その点は日本郵政株式会社の方に伝えて、取組を加速させて強化させていきたいというふうに思っております。
 それから、これは閣議、閣僚懇談会とは別でございますが、今日、もう一点発表させていただきます。地方公共団体による国立大学等への寄附制限というものがございますが、これについて大幅に緩和をするということを発表させていただきます。
 地方公共団体が国立大学等に対して法令に基づかずに寄附金等を支出することについては、地方財政再建促進特別措置法施行令の要件に該当する場合に限って、総務大臣の同意を得て行えるということで、今までは極めて限定的に取り扱われてきました。これに対しては、地方公共団体の方からも随分、緩和の要望が来ておりましたし、昨年末の総合科学技術会議の中でも話題になっておりまして、これは私が岩手県知事時代から、この点についてもっと緩和が必要だと痛感をしていましたし、総合科学技術会議の中でも私の方から、今、緩和させるべく検討していると発言しておりました。それを受けまして、昨年11月末の「地方再生戦略」にもこの緩和の考え方を盛り込んだわけですけれども、政令改正等を行わなくても、今すぐ運用で対応が可能なものにつきましては、これまでの運用を大幅に緩和することとして、その旨、昨年末に地方公共団体に通知を発しております。これによって、地方公共団体の要請に基づく地域の産業振興等についての人材育成、産学連携についての施設等の無償貸与、つまり、地方公共団体の施設の国立大学への無償貸与や、助成等を通じた両者の連携が行いやすくなるというふうに考えております。
 それから、地方公共団体から要望を寄せられていた、今の制度の運用改善だけでは対応できない部分というものがございまして、それについては政令を改正して対応するように事務方に指示をしております。これは年度内に、できるだけ早く政令を改正したい。今、内閣法制局の方は、いろいろな法案の審査で詰まっているので、その順番待ちという状況でございますが、これは必ず早急に政令改正を行うということです。内容としては、国立大学が地方公共団体の要請に基づき地域の産業振興等に資する研究開発等を行う場合の土地等の無償譲渡。それから、医学関係ですが、大学病院が地方公共団体の要請に基づいて地域の医療体制の構築のために一定の施設整備やその運営を行う場合の補助等、これもよく地元で地方公共団体と大学側で詰めて、こちらの方に話を持ち込まれることがあるのですが、こういったことについては政令を変えないと読み込めないので、政令を改正して、今申し上げましたようなことが可能となるようにしていきたいということであります。
 やはり、大学というのは知的な拠点なので、地域で大変重要な役割を果たしています。今までは、地方公共団体に財政負担が押し付けられるのではないかということで、こうした問題に対して、非常に抑制的に総務省は対応してきました。それはそれで利の通った考え方があることでありますが、しかし今は、地元で大学を活用することによって、地域を産業振興に結びつけるとか、あるいは医療体制を充実させるということで非常に重要な場面が多いわけであります。それから、議会できちんとチェックされれば、そういった負担が押し付けられたものなのか、本当に真に地域でよく考え出した上での必要不可欠なものなのかというのは判断できると思いますから、そうしたことについては大幅に緩和をして、地域でいろいろな対応がとれるようにしていきたいということであります。私の方からは以上です。 

2.質疑応答

(問)今日、いよいよ通常国会が始まるわけですが、道路特定財源の問題等々含めて、いろいろな与野党の攻防が予測されるのですけれども、改めて、どのように野党あるいは国民に対して説明していくかという点と、あと、今日は特に総理からその辺り各閣僚に指示というものはなかったのかという点についてお伺いします。
(答)その関係については、例年、総務省として法案を提出するときに説明を行ってきたと思いますけれども、姿勢としては、例年以上により丁寧に、法案の内容について国民の皆様方、そして議会、各党各会派に説明をして、御理解を得るように努力をしていきたいと、この1点に尽きるわけです。地方公共団体の首長や議長に親書をお出ししたり、各会議等の場を通じて提出をする法案の内容について、特に丁寧に御説明をし、御理解を得ていきたい。
 それから、総務省の関係としては、例えば揮発油税の暫定税率分、地方分などについて9,000億円の部分についてということになりますが、それだけでは全体がなかなか御理解いただけないと思うので、国土交通省と協力をして、全体の考え方をきちんと丁寧に説明するような、そういう場も設けたいと思っております。総務省分ということではなくて、政府全体として提出する法案でございますので、わかりやすく丁寧な説明を心掛けたい。
 来週の月曜日でしたか、「国・地方の定期意見交換会」で、国土交通大臣にもその場に出てきていただいて、地方六団体にも、特に法案の内容等について説明する場を設けたいというふうに思っておりますし、とにかく丁寧な御説明に一層心掛けると、この1点に尽きると思いますが、その点について努力していきたいと思います。
 それから、総理の方からは、今日はいろいろ案件がございましたが、昨日の所信表明の臨時閣議の場ですとか、あるいは一昨日の臨時閣議の場で、すぐに通常国会が始まるということで、何度か、通常国会に臨むに当たって、緊張感を持って、しかもよりきちんと提出する議案について説明をするようにということで指示をいただいております。
(問)今の関連で、国交省と協力して説明する場を設けたいと、一つは国・地方の定期協議でと、説明する相手というのは地方以外にも何か考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)「国・地方の定期意見交換会」は、官房長官の主催ですから。
(問)その後は。
(答)その後ですか。特に、今、私の方で、既に設けているものがあるということではなくて、いろいろな機会を通じてということです。ですから、資料などを共同していろいろ作成して、内閣全体として広報するとか、それから、各党の皆様方にも御説明して、議員の方が、地方に帰っているわけですから、そこを通じて、いろいろ話していただくとか、そういうことを今いろいろ行っております。
 例年は、各省それぞれが提出する所管法案についてということでやってございましたけれども、今回は特にいわゆる揮発油税、ガソリンの関係について特にそういうことで丁寧に行っておりますし、行い始めたところでありますが、今後もそういうことを行っていきたいということです。
(問)昨日発覚したNHKの記者のインサイダー取引の事件ですけれども、その報道に関わる人たちが、ああいうことをやったということで、どのように受け止めていらっしゃるかと、これからの調査なり処分に対してどういう要望を持っていらっしゃいますか。
(答)大変遺憾なことだというふうに思います。まだ、NHKからきちんとした報告は受けていませんけれども、とにかく早急に全体を、NHKとして責任を持って把握してもらって、そして国民の前に明らかにしていただきたい。今のところ伝え聞く限りでも3人の関係者がいるということでありますが、どうもそれぞれは完全に別個でやっているようであります。ということは、その他にも、そういうことを行っている人がいるのではないかと、単純にそういうことも思うわけですし、一体どれだけの人間がこうしたことに関わっているのか、本当にあの3人だけかどうかといったことを、きちんと早急に責任を持って把握していただきたいということです。それを国民の前にきちんと明らかにしていただきたい。
 それから、NHKについては、不祥事が大変続発をして、NHK全体として、会長以下全員が、不祥事の根絶、コンプライアンスの確立ということに一体となって取り組んできたというふうに私どもも聞いておりました。この案件は、昨年の3月ということでございますが、そういったコンプライアンスについて全体として取り組んだということが一体本当だったのかどうかということも疑わせるようなことでありますので、全体像がきちんと明らかになった上で、改めて今までの取り組みがどういうことだったのかということをきちんと検証していただいた上で、今後の取り組みについて考えていただきたいというふうに思います。事は特に倫理観、それから報道の姿勢ということが要求される、そういう人たちが関わったということでありますから、大変深刻だというふうに思います。私どもも深刻に受け止めておりますけれども、まずこういったことについては、NHKが自らの自浄努力できちんと明らかにし、それから、これまでの取組も検証し、そして今後のことに向けて対応を考えていただきたい。
 今、今後のこと、あるいは責任の問題がありましたけれども、とにかく、まず自ら、きちんきちんと手順を踏んで、物事を明らかにしていったり、取り組んでいただくことが大事ではないかというふうに思います。
(問)前の三重県知事の北川さんたちが新しい政策集団を作るというような話がありますけれど、改革派の知事としていろいろ御所見がございますので、どういうふうに受けとめてらっしゃいますでしょうか。
(答)20日に立ち上げるということなので、その内容をよくお聞きしてからということでありますが、多分マニフェストを起点とした、そういう選挙を期待しての大きなムーブメントを起こしていきたいということだというふうに思います。それ以外にもいろいろな目的があるのですが、当面そういう運動を起こしていくということで、いろいろ今準備されているのではないかというふうに思っています。さらには、いろいろ分権的な動きにもつなげていきたいということをおっしゃっておりますので、20日の発表の前に、私がいろいろコメントするのもちょっと差し出がましい感じがあるのですけれども、やはり、政策起点で選挙を戦い、大きな分権的社会の確立に向けて、きちんとしたムーブメントを起こす上で、発火点にもなり得るような、そういう動きではないかなというふうに見ておりますが、今いろいろとまとめておられるようですけれども、それを見てからでないと、それ以上のコメントはしづらいです。ですから、注目して見ているというふうに、この場では申し上げておきたいと思います。
(問)NHKの関係で、まだ報告等を聞いていないということですけれども、これはいつまでに報告を要求するのでしょうか。
(答)事務方にはいろいろ来ているのかもしれません。ただ、NHKの方でも、昨日の会見聞いた限りでも、一体どこまで広がりがあるのかということで、調査が全く進んでいないようですから、とにかく、その時点その時点で把握できていることを我々にもきちんと報告してほしいし、国民の前にもその時点その時点で明らかにしてほしいと思います。とにかく、早急に内部調査を進めていただきたいです。職員は、確か5,000人くらいいたかと思いますけれども、聞いている限りですと、やはり全員きちんと調べていただく方が国民の皆さんもすっきりするのではないでしょうか。どのくらい時間が掛かるのかわかりませんけれども、それは早急にやればできるわけです。大変大きな根深い問題であれば、なおさら深刻なことになりますし、そういった点については早急に是非やっていただきたいと思います。その都度その都度こちらの方に報告していただきたいと思います。
(問)ありがとうございました。
(答)ありがとうございました。

(以上)