第 169回国会 衆議院内閣委員会 岸田内閣府特命担当大臣(科学技術政策、国民生活、規制改革)、消費者行政推進担当大臣所信表明

 科学技術政策、国民生活及び規制改革を担当する内閣府特命担当大臣、消費者行政推進担当大臣として、所信の一端を申し述べます。

 第一に、国民生活及び消費者行政推進について申し述べます。
 中国産食品による薬物中毒事案につきましては、国民に深刻な健康被害をもたらし、食品の安全に関する不安感が広がっていることから、政府としてできる限りの対応を図ってきております。事案発生を把握した翌朝に開催した関係閣僚会合におきまして、「被害拡大の防止」、「原因の究明」及び「再発防止策の検討」を柱とする申合せを取りまとめ、政府一丸となって対策に取り組んでいるところであり、今後とも食品への信頼の回復を始め国民生活の安全・安心の確保に全力を傾注してまいります。
 内閣総理大臣が施政方針演説で打ち出した「生活者や消費者が主役となる社会」の実現に向け、「国民目線の総点検」を進めていくとともに、できるだけ早く、また、具体的に「消費者行政の一元化」の方針をまとめるため、総理の下に「消費者行政推進会議」を設置し、併せて、消費者行政推進担当大臣が置かれました。私は、担当大臣として、消費者行政を統一的・一元的に推進するための新組織のあり方の検討に全力を挙げて取り組んでまいります。
 また、今国会に、独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案を提出し、国民生活センターの機能強化の一環としての裁判外紛争解決制度を整備します。併せて消費者契約法等の一部を改正する法律案を提出し、景品表示法及び特定商取引法に消費者団体訴訟制度の導入を図ります。
 また、平成28年までに自殺死亡率を20%以上減少させるための自殺対策の総合的な推進を始め、高齢社会対策、障害者施策、交通安全対策、犯罪被害者等施策、銃器対策、再チャレンジ支援策、遺棄化学兵器処理など、誰もが安心して生き生きと暮らせる社会の実現を目指した取組等を推進してまいります。

 第二に、科学技術の総合的な振興については、「科学技術創造立国」の実現を通じた国際競争力の強化を目指し、「第3期科学技術基本計画」に基づき、環境エネルギー技術を始め、他国の追随を許さない革新的な科学技術を生み出す研究開発等を重点的に推進し、社会・国民にその成果を還元してまいります。また、科学技術外交の一環として、本年6月に開催するG8科学技術大臣会合等の場を通じ、地球環境問題等人類が直面する地球規模の課題の解決に主導的な役割を果たします。
 地球温暖化対策に貢献できる原子力の研究開発利用は、安全、核セキュリティ及び核不拡散の確保を大前提に、アジア諸国との協力を始め、国際的な協力・協調を図りつつ、原子力政策大綱に沿った取組を積極的に推進してまいります。
 IT政策については、「IT新改革戦略」等に基づき、行政や医療の情報化等を推進するとともに、情報セキュリティ対策に配慮した安全・安心なIT社会を構築してまいります。
 知的財産戦略については、知的創造サイクルを一層拡大・加速する新たな戦略を構築するとともに、デジタル時代におけるコンテンツ振興策の策定、「模倣品・海賊版拡散防止条約」の実現に向けた取組等を推進してまいります。

 第三に、規制改革に関しては、生活者・消費者が主役となり、国民の皆様が安心や豊かさを実感できる経済社会の実現に資する改革に重点的に取り組んでまいります。また、公益法人制度改革については、本年12月の全面施行に向け、その準備に万全を期してまいります。

 中野委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力をお願いいたします。