岸田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年11月9日

(平成19年11月9日(金) 9:34~9:46  於:合同庁舎4号館 742号室)

1.発言要旨

 皆さん、おはようございます。
 本日の閣議は、一般案件が1件、国会提出案件が24件あり、私どもの関係案件では平成19年版自殺対策白書がありました。
 私の方からは3つございまして、まずは今申し上げました自殺対策白書についてですが、本日の閣議において平成19年版自殺対策白書を閣議決定いたしました。この白書は昨年成立した自殺対策基本法に基づき、今回初めて国会に提出するものであります。お手元の資料にありますように、閣議では私から自殺対策の総合的な推進に一層御尽力いただきますよう、閣僚各位にお願い申し上げた次第です。詳細につきましては自殺対策推進室にお問い合わせください。
 2つ目ですが、インターネットの普及に伴い、出会い系サイトなどインターネット上で子ども等に有害な情報が氾濫し、大きな社会問題になっています。このため、先日のIT戦略本部において、こうした被害を減少させることを目的として、内閣官房を中心に取りまとめた集中対策が報告されたところです。これに関連して、昨日私の呼びかけによりまして、こうした対策が真に実効性のあるものとなるよう、関係省庁の取組を督励するとともに、被害の実態や問題意識を広く関係方面で共有化することを目的とした意見交換会を、上川内閣府特命担当大臣、泉国家公安委員会委員長、及び関係省庁の局長級の方々にお集まりいただいて開催いたしましたので、御報告いたします。詳細は内閣官房IT担当室にお問い合わせください。
 そして、3つ目ですが、本日11時より社団法人全国消費生活相談員協会に対し、消費者契約法に基づく適格消費者団体の認定申請に対する結果通知を行う予定です。詳細は国民生活局にお問い合わせください。
 以上、私からは3点です。

2.質疑応答

(問)普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会の中で仲井眞知事が滑走路の位置について、まずは自主的に沖合に寄せて、さらに環境影響評価(アセスメント)の結果によってはまたさらに、ということを発言するかもしれないとおっしゃっていますけれども、それに関して岸田大臣はどうお考えですか。そういう計画を知事が持っているということについては。
(答)知事がそういう御意見を持っているということについてどう考えるかですか。
 知事もいろいろと検討された上でそういったお考えを持っているのだとは思いますが、これはいろいろな関係者が関わり、いろいろな問題、外交、安全保障、環境、騒音、生活、あるいは産業振興等いろいろな課題が関わっています。そういった関係者の御意見をしっかり伺いながら、そういった御意見もしっかり聞かせていただいた上で、これからまた検討し、調整していかなければいけない課題だというふうに認識しています。
(問)一方、昨日ゲーツ国防長官が日本側との会談で、(2プラス2で合意されたロードマップについて)できるだけ早く、交渉したとおりに進めてほしいという要望を日本側に伝えたと聞いています。一方で沖縄側は沖合修正を求めているという中で、大臣は今の状況についてどういうふうな受け止め方をされていますでしょうか。
(答)基本的には、今確認されている案で移設を進めていかなければならない、これは当然のことだというふうに思っています。しかし、これから手続の中で何か知恵がないのか、工夫がないのか、これは引き続き丁寧に検討していかなければならない、そのように思っています。具体的なことについては引き続きこれからの議論、意見交換、調整の中での話ですが、基本的には今申し上げたように考えています。
(問)さっきのゲーツ国防長官の件で、沖縄側は修正がなければ基本的には埋め立てを認めないということを示唆しているわけですけれども、修正をするに当たっては、アメリカ側の同意が必要だというふうにお考えですか。
(答)もちろん関係者みんなが同意しなければ全体の案はまとまらないということだと思います。
(問)ということになると、やっぱりアメリカ側が修正してもいいということを言わなければ、普天間飛行場移設協議会の中では決められないということになるのでしょうか。
(答)とにかく、関係者みんなが納得し、そして了解することが大切だと思っています。
(問)先ほどおっしゃったネット上の有害情報の話ですけれども、大臣の呼びかけにということですけれども、大臣が呼びかけた理由の部分をもうちょっと詳しく教えていただけますか。
(答)私以外にも上川大臣ほか関係閣僚、大変この問題に強い関心を示しておられました。その中で特に関係の深い3大臣で、具体的にどんな状況なのか実例を見ながらまた意見交換をしたいという御意見もあったものですから、私の方で呼びかけさせていただきまして、3大臣集まり、そして当日はインターネット・ホットラインセンターから関係者の方にその場に来ていただきまして、実例等も画面に映し出していただきまして、3大臣で拝見させていただきました。そういったものを見ながら、より実感を持って意見交換をさせていただいたということです。そんなに長い時間ではありませんでしたので、それとあわせて先ほど触れましたが、IT安心会議でまとめた集中対策の説明も改めて聞いたというのが当日の中身だったのですが、その後意見交換を行った上で、引き続きこの問題に対する関係閣僚が、意識を共有しながら、IT安心会議でまとめた集中対策を進めるべく努力していこうということで一致したというのが当日の有り様でありました。
(問)関連ですが、岸田大臣の所管でいうと、例えばパソコンとか携帯のそういう機器とかに関する部分もあると思うのですけれども、その一方で表現の自由との兼ね合い、規制と表現の自由、その辺の基本的な考えというのは大臣はどういう考えで臨むべきだと。
(答)私はITを担当しているものですから、呼びかけをさせていただいていますが、それ以外に自殺対策とかいろいろ関わる部分があります。いろいろ深く関わっているんですが、今表現の自由等との関係で御質問がありました。IT全体を考えますと、やっぱりインターネットというものはある程度自由に活動してきたことがこれだけ世界的に大きく広がっていったという要素は一つあると思います。ですから、表現の自由ですとか、情報の管理とか、いろいろな課題が関わってくるわけですが、一方で自殺サイトが社会的に問題になるとか、青少年の健全育成とか、こういった観点もまた大切な観点だと認識をしております。この中でどうバランスをとっていくのか、これは大変難しい課題であり、また一言で線を引けるような簡単な単純な話ではないと思っています。やはり社会の状況とか、国民の意識とか、こうした幅広い背景がかかわってくることだと思いますので、そのあたりもしっかり見定めながら、具体的に政策としてどういう対応をとるべきなのか、これを見極めていかなければいけない、そういった問題だと思っています。このバランスのとり方、なかなかいろいろ難しい要素が絡んでくるなと感じています。
(問)このような3大臣が集まるような会合というのは、今後もやっていくつもりはあるのでしょうか。
(答)こうした閣僚が意識を共有するということは大変重要だと思いますので、また時折こういった場は設けたいなとは思います。また呼びかけた上で御賛同いただければ、こうした会議を持ちたいと思っております。

(以上)