岸田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年10月5日

(平成19年10月5日(金) 9:23~9:41  於:院内内閣記者会)

1.発言要旨

 皆様おはようございます。
 本日の閣議は、一般案件が3件、国会提出案件が19件、政令が3件、配布が1件あり、私どもの関係案件はございません。
 本日、私の方から2つございます。
 まず1つ目は、「地方再生のための新たな戦略の策定について」であります。本日の閣僚懇談会におきまして、福田総理から政府を挙げて、地方再生のための新たな戦略を取りまとめるよう指示がありました。これを御紹介させていただきます。
 福田総理の方からは、地方再生のための総合的な戦略について、増田地方再生担当大臣を中心として、11月中を目途の取りまとめを目指して作業を進めること、さらには取りまとめに当たって、経済財政政策、そして国民生活を担当する特命担当大臣と連携を密にするとともに、関係施策を所管する各府省の大臣とも十分に調整を行っていただきたい、こうした指示がございました。これを受けまして、国民生活担当大臣である、私としては、地方再生担当大臣、これは総務大臣でありますが、この地方再生担当大臣と連携しまして、地域のさまざまな声に真剣に耳を傾けながら、戦略が国民一人一人の日々の生活が改善したという実感につながるよう努めてまいりたい旨の発言をさせていただきました。あわせて、沖縄担当大臣でもあり、またIT政策を担当する大臣でもありますので、沖縄における自立型経済の構築ですとか、IT政策における中小企業の生産性の向上、こういった面での蓄積をこの戦略に反映していきたい旨の発言を私の方からさせていただきました。以上が1つ目の地方再生のための新たな戦略の策定についてであります。
 もう一点、私の方から科学技術関係大臣会合の開催についてであります。お手元に配付しました資料のとおり、10月7日に国立京都国際会館におきまして、科学技術関係大臣会合を主催いたします。本大臣会合は、科学技術に関する共通のテーマについて自由討議を行うもので、今年で4回目となります。今回は、地球規模問題の解決に向けた科学技術国際協力のあり方等をテーマとして議論することとしております。現時点で24カ国から科学技術関係大臣の出席を予定しております。詳細につきましては、科学技術政策・イノベーション担当にお問い合わせをください。以上が科学技術関係大臣会合の開催についてであります。
 私の方からは、以上2点です。

2.質疑応答

(問)地方再生のための新たな戦略の取りまとめについて、以前の、国民生活改善実感プログラムというのがそのまま引き継がれて、戦略の取りまとめをしようというお考えなのでしょうか。
(答)要は、今御指摘の暮らし改善プログラムの趣旨、国民一人一人が豊かさや利便性の向上を実感できる、こうした政策を進めていく、こうした考え方はどの内閣においても大切な考え方だと思いますし、福田内閣におきましても、消費者ですとか国民生活、こうしたものの大切さが、総理の所信の中においても強調されているところでありますので、引き続きまして、こうした考え方は大切にしていかなければいけないというふうに思っています。
 具体的な形として、これは丸々引き継ぐというのではなくして、そうした考え方は、今日御指示をいただいた地方再生のための新たな戦略の中にも生かしていかなければいけない、そのように感じています。形の上で引き継がれるというものではないと思っています。
(問)それで、具体的に国民の声をどうやって反映させていくかというのが一番難しいところだと思うのですけれども、岸田大臣御自身はどのような手法で反映させていきたいと考えていますか。
(答)新たな戦略の指示をいただいたわけですから、この戦略の取りまとめに向けて、新たに国民の皆さんの声を聞かせていただく、こういったことも考えなければならないとは思いますが、一方で従来いろいろな形で国民の皆さんの声をお聴きしてまいりました。こうした蓄積もぜひ活かしていく。こうしたことをあわせることによって、ぜひ多くの国民の皆さんにこの新たな戦略の成果を実感していただけるような結果につなげていきたい、そのように思っています。
(問)今の戦略の話の中で沖縄の自立型経済の構築の話も出ましたが、イメージとしては11月中に自立型経済の構築案のようなものをつくって、それを増田総務大臣に提出するとかそういうことなのですか。
(答)沖縄の自立型経済の構築に当たっては、一人ひとりの県民所得の低さや失業率の高さなど様々な課題があります。そういったものにいろいろと取り組んできたわけです。さっき申し上げたのは、要は沖縄担当大臣として、こうした取り組みの成果も新たにつくる戦略の中に活かしていきたいということを福田総理に申し上げたわけでありますので、新たに11月までに沖縄についても何か構想をまとめるとかそういう意味で申し上げたわけではありません。
(問)福田総理肝入りの戦略だと思いますけれども、岸田大臣の下に、例えば新たに組織をつくってこの問題を担当させるようなところをつくったりする考えはありますでしょうか。
(答)今回の戦略の指示について、何か新たにつくるということは今のところ考えてはおりません。この戦略についての協力・連携を、福田総理から指示をいただいたわけですが、従来からも先ほど申し上げました私の担当の中での議論、蓄積もあるわけであります。先ほど申し上げましたこと以外にも、例えば再チャレンジにおいても、Uターン、Jターン、Iターンをはじめ、地方との間で様々な人の動きの促進ですとか、人生二毛作ですとか、こうした地方の再生にかかわる蓄積というのはたくさんあるわけですので、こうした蓄積をしっかりとこの戦略に反映させるように努力をしていきたい、そんなことを今考えております。
(問)この会議自体は全大臣出席になるわけですよね。関わる方でしたら。
(答)会議とはこの新たな戦略の会議ですね。福田総理の方からは、特に経済財政政策担当大臣と国民生活担当大臣は、地方再生担当大臣とよく連携をしろという指示をいただき、それ以外の府省の大臣もぜひしっかりと連携を密にするようにと、そういう指示を先ほどいただいたわけですので、全員集まって会議をやるのか、どういった形でこの戦略をつくっていくのか、形についてはまだこれからだと思っています。ですから、多分増田地方再生担当大臣の方でいろいろと取りまとめることになるわけですので、取りまとめの形はまた改めて相談があるのではないかな、そんなふうに思っています。
(問)教科書検定について、昨日の衆議院本会議の中で、渡海文部科学大臣は沖縄の要望に対して、「教科書会社から訂正申請があった場合、真摯に受け止め適切に対処する」と答弁されていますが、それに対して、沖縄では、仲井眞沖縄県知事の、あくまでも検定意見の撤回を求める旨の発言がありました。地元の意見と渡海文部科学大臣の答弁との間に開きがあると思うのですが、その点について、岸田大臣の教科書検定制度についての見解をお聞かせください。
(答)教科書検定制度そのものについては、所管でない私が触れるのは控えなければならないと思っています。ですから、具体的なことについては触れるわけにはいかないと思います。ただ、渡海文部科学大臣自身、こうした沖縄の皆さんの声に丁寧に耳を傾け、そして何ができるのか、一生懸命努力をされておられるところであります。こうした姿勢は沖縄担当大臣としても大変ありがたいことだというふうに思っておりますので、ぜひ引き続き沖縄の皆さんの声を聞きながら、何ができるのか、どこまでできるのか、渡海文部科学大臣にしっかりと御努力をいただきたいと思っています。
(問)また話が戻るのですが、暮らし改善プログラムをつくる特命室があったと思うのですけれども、これ同時進行で進めていく、多分難しいと思うのですけれども、これはもうやめられるのですか。
(答)先ほど申し上げたとおり、暮らし改善プログラムの方の考え方は、引き続き大切だと思っておりますので、ぜひ新しい内閣においてもそうした考え方をしっかりと充実させていきたいというふうに思っています。したがいまして、その考え方の一部は当然地方再生においても反映されなければいけないと思っていますし、また私自身の担当の中で、また何ができる、さらにそれに加えて、それと並行して何かやる必要があるのか、何ができるのか、これは引き続き検討していきたいと思っています。
 これは、従来のプログラムが、今日指示された戦略にとってかわるとか切りかわるという話ではないと思っています。
(問)このプログラム特命室は存続したままなのですか。
(答)特命室を立ち上げた、それをどう今後活かしていくか、それについては今検討しています。そういったものの考え方は地方再生の戦略の中にも活かしていかなければいけないですが、それ以外に何かできることがないか、これは引き続き検討していきたい、そのように思っています。
(問)これは、予算措置に向けて、予算編成に向けて11月中に出せというそういう流れですか。
(答)今日の戦略の方ですね。そうですね、特段、予算云々の話は今日の閣僚懇談会では出てはきませんでしたが、内容によっては当然予算を伴うものも出てくるかもしれない。11月中ということであれば、その辺も少し頭にあっての御指示かもしれないなとは想像いたします。
(問)具体的な指示というか、そういう言葉があったわけではないのですか。
(答)そうですね。予算との関係でどうこうという話は、今日の閣僚懇談会では特段なかったと思います。時期的な11月中という時期だけでありました。
(問)岸田大臣の担当の分野では、11月中よりもうちょっと前に案を固めなきゃいけないと思うのですけれども、どうなのでしょうか。
(答)先ほど言いましたように、増田地方再生担当大臣と連携を密にするようにという指示はいただいたわけですが、どういった形で議論を進めていくのか、その取りまとめ方は増田地方再生担当大臣に任されていると思います。したがいまして、我々としてもしっかりと連携し、協力していかなければいけないと思っていますが、我々の考え方をいつそこへ提示して、どのような作業を進めたらいいのか、この辺は増田地方再生担当大臣の考え方も確認した上で準備をしていきたいと思っています。
(問)来年、北海道洞爺湖サミットがございますけれども、政府としては北方領土の問題については、議題にしないということだと思いますが、北方領土所管の大臣として、どのように対応していくかお聞かせください。
(答)サミットにおいて何を取り上げるか、それからどういった外交交渉をするか、これは外務省が責任を持って担当することだというふうに思っています。私の北方対策担当大臣としての役割は、こうした外交努力をバックアップするために、国民運動を盛り上げることですので、サミットにおいて、どのような取り上げられ方をするのかは外務省、外務大臣にお任せするとしても、その北方対策、北方領土問題、国民運動としてしっかりと盛り上げていくということは私の責任で引き続き続けていかなければいけないというふうに思っています。この辺はしっかり役割分担をして、成果につなげるよう努力をしていきたいと思っています。
(問)大臣御自身として、サミットの場で2国間の問題を取り上げないことについてですけれども。
(答)それはちょっと所管じゃありませんので、その所管の役所、あるいは大臣にお任せしたいと思いますが、いずれにせよ、国民運動を盛り上げるということは、また来年に向けて絶えず引き続き所管大臣として努力をしていかなければいけない、そのように思っています。

(以上)