渡辺内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年6月29日

(平成19年6月29日(金) 9:31~9:43  於:内閣府本府 522号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議について、私の方からの報告はございません。
 昨日、参議院内閣委員会の方で6時間でしたか、7時間でしたか、昨日は。6時間質疑を行っていただきました。私の方としては、採決をしていただきたかったのでございますが、残念ながら、採決には至りませんでした。衆議院の質疑時間は40時間をちょっと超えたぐらいだったかと思いますが、衆議院の場合は野党案が出されていまして、こちらが13時間を超える質疑を行っています。したがって、参議院の方が衆議院の政府案の質疑を超える質疑をもう既にやっていただいたということで、改めて採決していただけなかったことは残念に思います。
 社会保険庁の方は、既に参議院においては衆議院を超える質疑をやっておられると聞いています。したがって、やはり最終的にきちんと結論を出していただくのが議会だと思います。強行採決という言葉は当たらないと思います。
 私の方からは以上であります。

2.質疑応答

(問)それに関連して、今日、中間報告という形でどうも決着をつけられるというのかなというようなことになるんですけれども、それについてはどのように受けとめていらっしゃるんでしょうか。
(答)どういうやり方なのかは私の方はちょっとよくわかりませんが、これは参議院の議会運営の問題でございますので、そちらの方にお任せをしたいと思っております。
(問)民主党の方は、さっきの公務員の関連ですけれども、質疑の時間ではなくて質疑の中身が不十分だと、条文解釈をめぐって、答弁を初めやや理解できないところがあると。だからまだ採決には応じられないという主張なんですが、それについては。
(答)条文解釈というのは、これは極めてテクニカルな話で、あらかじめこの条文のこの解釈について聞きたいということがあれば、きちんと短時間でお答えできるはずですよね。小川議員の質問については私は答えているはずでございまして、答弁漏れとか、そういうことは全くないと理解しております。
 昨日もどなたでしたか、条文の解釈についての御質問がありましたが、それについてもきちんとお答えをしておりますので、いずれもお二方ともこちらからの答弁漏れは全くございませんし、不正確な答弁をしたわけでもございません。したがって、そのような批判は当たらないと思います。
(問)今回の法案の能力実績主義で導入することで、社会保険庁の体質というか、そういう霞ヶ関の体質というのは変わっていくんでしょうか。
(答)これはがらっと変わると思いますね。もし、この能力実績主義の導入が10年前に行われていたならば、社会保険庁のあの無責任な体質、さぼり体質はがらっと変わったと思います。
 残念ながら、こういう改革が行われてこなかった結果、社会保険庁については、国家公務員制度の最も悪い見本になってしまったわけです。したがって、今回の改革案では、社会保険庁は公務員制度の外側に切り出すという解決策をとりました。極めて強い改革案であります。社会保険庁は解体をし、国家公務員の身分を剥奪をし、非公務員化してしまうということになるわけですね。
 一方、残った30万人の国家公務員の世界では、能力実績主義の導入によって、年次や試験区分にこだわらない人事が本格的に動き出すわけであります。したがって、今まで法律に書いていない、本音ベースのルールとして行われていた年功序列制度や、キャリア・ノンキャリの区別的な人事が意味をなさなくなるわけでありますから、まさしく仕事をする人はキャリア・ノンキャリアにかかわらず、年次にかかわらず昇進をしていく、給料も高くなる。
 一方、仕事をしない、さぼる公務員は、キャリアであろうが、年次が高かろうが、降格もあり得る。場合によっては、公務の外側に行っていただくこともあるという極めて真っ当な、当たり前な制度が実現をするわけであります。したがって、まさしく社会保険庁問題と公務員改革はワンセットの話だということが言えます。
 社会保険庁においても天下りがベンダーとの癒着という形で露骨に出てきたわけでありますから、まさしくこの天下り問題というのは、今回の国家公務員改革のもう一つの柱であって、天下りを根絶をするということにおいて、今回の改革は極めて貴重な、また内閣としての強い決意を示すものであります。社会保険庁改革と国家公務員の一体改革によって、がらっと今までの弊害は取り除かれ、公務員の世界の景色が変わっていくものと思います。
(問)社会保険庁改革に絡んでですが、日本年金機構の制度設計の作業、検討作業というのが秋口から始まると思うんですけれども、働く人は全員は再雇用しないといっても、働く人たち、社会保険庁の人たちと同じなわけで、そういった意味で、年金記録の管理をもう任せられない、いわゆる外部に委託した方がいいんじゃないかという声がちらほら聞こえるんですが、そのあたり、制度設計、何かお考えございますか。
(答)これは、法案成立すれば、第三者委員会を立ち上げて、そこでどこからどこまで民間に仕事を切り出すかという検討をしていただきます。その上で、社会保険庁職員の採用、日本年金機構における採用の基本計画をつくってもらいます。いつも申し上げますように、今の社会保険庁職員を漫然と日本年金機構に移行させるということはいたしません。厳格な採用計画、基本計画をつくっていただきます。
(問)記録の管理というのはやはり法人がやるべきだとお考え、民間には委託できないという。
(答)ですから、これもシステムの問題と裏腹の問題なんですね、これは。今のレガシーシステム(時代遅れとなった古いシステムのこと)のもとで、極めて不透明な随意契約が延々と行われてきて、あのようなずさんな年金記録の無残な状況ですよね。ですから、まさしく既にこういったレガシーからオープン系のシステムに変更するという決断が行われているわけでありますから、その業務をどこからどこまで民間に切り出すかというのは第三者委員会で厳重に議論をしていただく予定になっております。
 いずれにしても、国会周辺で労組の皆さんが赤い旗を立てて、社会保険庁解体反対、公務員制度改革反対、こういう2大テーマをワンセットにしてやっておられるわけですね。ですから、我々としてはぜひともこの2大テーマをワンセットで解決をしていきたいと思っています。いつも申し上げますように、与党対野党という構図というよりは、政府の中にも抵抗勢力はいるわけですね。したがって、改革派対抵抗勢力の戦いであり、抵抗勢力の中に労組も含めた野党勢力が乗っかっていると、そういう構図であるかと思います。我々は断固としてこの改革を成し遂げたいと考えています。

(以上)