渡辺内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年6月19日

(平成19年6月19日(火) 9:11~9:22  於:内閣府本府 522号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日、閣議前に都市再生本部会合が開催されました。新たに都市再生プロジェクトとして、国際金融拠点機能の強化に向けた都市再生の推進が本部決定をされました。詳しくは、事務方にお問い合わせください。
 また、地域のお宝発掘自慢大会が開催されます。地域活性化に貢献をしている民間事業者や地方公共団体の取り組みを広く紹介するために行います。明日16時、午後4時から官邸において、事例の発表、パネル展示などを内容とする「地域のお宝発掘自慢大会−頑張る地域大集合」と称してイベントを行います。当日は、総理にも出席をいただく予定であります。これも詳細は、事務方、構造改革特区担当でございますが、お問い合わせをいただきたいと思います。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)社会保険庁の問題に絡んで、総理が余りそんなだらだらやっているような人は新しい年金機構で採用しないということを言っていますけれども、これに関して、職員の再雇用の基準であるとか、あるいは採用しない場合はあっせんとか、そういったものは大臣として何か御検討されているんでしょうか。
(答)これは法案が上がりましたら早速検討させていただきたいと思います。今の職員を漫然と日本年金機構にそっくりそのまま異動させるということはいたしません。きちんと採用の基本計画をつくり、その中で基準を明確にしたいと考えております。
 いずれにしても、法案が成立しなければ、延々と今の社会保険庁の体制が続くということでございますので、法案成立が先であります。
(問)朝日新聞の世論調査で、国家公務員法の改正について、天下りの弊害をなくすために有効というのは23%、有効ではないという回答は59%という結果になっていましたけれども、大臣は国家公務員法の改正は、国民の理解は得られているというふうにお考えでしょうか。
(答)PRがちょっと足りないんだと思います。まだ政府案のすごさがよくわかっていただけていないんだと思います。
 政府案においては、かなり厳しい天下り規制を設けています。天下り根絶法案と言ってもいいような中身になっています。
 まず、各省が人事ではめ込んでいる今のあっせんを全面禁止しちゃうわけですね。これだけでもすごいことですよ。
 次に、「渡り」あっせん、今、2回目、3回目のあっせんをやっていますが、これについても、1回目のあっせんを禁止するわけですから、2回目、3回目は当然禁止ということになります。大体、「渡り」あっせんが、司令塔が絡んでいなくて上手にできるかといったら、通常はできないのが当たり前なんです。ですから、そういうこともできなくなります。
 一方、官民人材交流センターに対する御批判が今の質問の背景にあるんだと思いますが、これは、今の天下りあっせんとは全然違うんですね。つまり、官民人材交流センターというのは、それぞれの職員がまさに役所の予算とか権限とかそういうしがらみから離れて、本人の能力と実績が正当に評価されて再就職していくということでありますから、言ってみれば、市場価格で再就職をするということなんですね。ですから、これはもう天下りとは全然似て非なるものであります。
 当然、官民人材交流センターは、離職に際しての支援だけでありますから、2回目、3回目のあっせんなんてするわけがない。ですから、今の天下りの弊害、つまり2回も3回も天下り先に行って、退職金を手にして、リスクをとらない、そういうところで、中には税金の食いつぶしを行っているような、そういう誤解を招いている団体もあるわけでありますから、まさしく我々の準備している法案というのは、天下り根絶法だということが言えようかと思います。
 こういったPRが残念ながら浸透していないところに、先ほどの世論調査の結果が出ているのではないでしょうか。我々としては、ありとあらゆる機会を使って、政府案は天下り根絶法なんだということをPRしていきたいと思っています。
(問)それに関連して、一方で、民主の案の方については支持も高いという結果になっていて、政府案は12%、民主案は42%というふうに、比較してどちらがよいかということになっているんですけれども、この辺、民主案の方がうまく浸透されているなという気がするんですけれども。
(答)要するに、その中身について、詳しい議論の結果そういう数字になっているのではないんだろうと思うんですね。つまり、あっせんの禁止というのは同じなんですよ。民主案は、とにかく役人はずっと役人であり続けるという案でありますから、そこのところが我々と根本的に違うところだと思います。ですから、定年までとにかく役人として務めさせるんだと。ですから、求職をする必要もないんだということなんですね。ですから、当然その仕事を探したければハローワークに行けと、こういう話になるわけです。
 我々の方は、官民の垣根をできるだけ低くしようと、官民の人材交流を活発にしようという発想が根底にあります。したがって、官民癒着の防止を同時に刑罰を科しながら考えているわけでして、我々の案の方がちょっと複雑なんだろうと思うんです。ですから、単純な民主案の方が国民受けはするのかもしれませんけれども、世の中はもうちょっと複雑なところがございまして、官民の垣根が高いままで行ってしまいますと、役人は役人、民間人は民間人という発想が延々と続いちゃうんですね。そうすると、お互いにこの国が進むべき方向性とか、どっちの方面へ向かって改革を進めたらいいかというのはうまくまじり合わない、そういう事態が延々と続くんじゃないでしょうか。ですから、我々としては、官民の垣根をできるだけ低くしていくと。問題認識を共有していく、改革の方向性も共通認識として持っていくという方向性を目指しているわけであります。そういったこともPRがちょっと足りないんだろうと思っています。
 ついでながら、先週末に官製談合の問題が起きました。水門談合ですね。この調査報告が出されていますけれども、企業側の関係者の方からは、元職員を受け入れているところが受注すべきだと。つまり天下りOBを受け入れているところが受注すべきだという考えもあったという供述がなされています。
 また、水門設備工事の発注担当職員が、機械系のOBの受け入れと受注を関連づけていた可能性は否定できないと、こういう調査内容も認定されています。したがって、やはりこういう問題を根絶していくには、天下り規制をきちんとかけていくということが大事でございまして、今のやり方ですと、やはり現役とOB、受け皿とのなれ合い、癒着関係がなかなか断ち消えていないという実態が、このこと一つをとっても明らかになっているわけであります。
 ですから、我々としては、ぜひこの国会で、天下り規制、天下り根絶を盛り込んだ政府案を成立させてもらえば、まさにこういったとんでもない税金の食いつぶし、官製談合のようなものを根絶できるということを訴えていきたいと思っています。

(以上)