渡辺内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年4月10日

(平成19年4月10日(火) 9:14~9:26  於:内閣府本府 522号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議について、私の方からの報告事項はございません。

2.質疑応答

(問)公務員制度改革で、今日、自民党の方から対案が示されることになっておりますけれども、省庁の関与や出身省庁扱い、あと非営利法人扱い、政府と少し異なるようですが、どのように対応なさいますか。
(答)中身を見ておりませんので、何とも申し上げられませんが、報道が先行しているようでございますので、報道に書かれているような中身ですと、ちょっとのめないなという感じはいたします。
(問)その場合に、今後、政府・与党の協議というのは非常に難しくなっていくかと思うんですが、見通しといいますか。
(答)ですから、中身を見てみないことには難しいのかどうかよくわかりませんね。どの程度の書き方になっているのか。また、どこまでの御決意があるのか、そういったことはやってみないとわからないのではないでしょうか。
(問)改めてになるんですけれども、今度のあっせんの対象に入れるかどうかのあたり、営利法人だけに限るのか、非営利法人と独立行政法人入れるのかというところが焦点になっていますけれども、改めてお考えをお聞かせいただけますか。
(答)ですから、これは非営利法人が大半の天下り先になっているわけですから、これを入れないとしり抜けになるということだと思います。したがって、非公務員型の独立行政法人を初め、非営利法人は入れるということが正しい選択だと思います。
(問)閣議に戻るんですが、今日、閣議・閣僚懇談会で公務員制度改革についての議論等はありましたでしょうか。
(答)塩崎官房長官に聞いてください。
(問)なかったというと、うそになるという。
(答)官房長官に聞いてください。
(問)あともう一点、これも改めてになるんですけれども、バンクの職員、出身省庁に関与させるかというところ、ここも、例えば党の方などは、ある程度類型別に分けて、ある程度関与を認める場合があってもいいんじゃないかというふうなことを言っていますけれども、そこはどういうふうに決断されますか。
(答)党のお考えはよくわかっておりませんので、案なるものが出てきてからの話でありますけれども、いずれにしても、せっかくこういう各省庁のあっせんを全面禁止をして、こういった透明な新人材バンクをつくるわけでありますから、これはトンネル機関と言われたらアウトですね。そうならないようにすべきだと思います。
(問)大臣の感触としてということなんですが、お考えなんですが、自民党案ということで、今、党の行革の幹部の方々がつくっていらっしゃいますけれども、自民党の総意としての考えというのは、どちらが多いと思われますか。
(答)それは、平場の議論をやっていただかないとわかりませんけれども。自民党案というからには、当然、幹事長とか政調会長とか、そういったいわゆる実務者のメンバーが全員了承しているということでないといけないと思いますね。政府・与党で実務者協議をやろうということで始まったわけですよね。
 週末も、我々政府の方はじっと待っていたわけでありますけれども、残念ながら党の方から忙しいということで週末はできなかったわけですね。ですから、党の実務者案であるというからには、当然のことですが、両中川先生、幹事長、政調会長、実務者メンバーですから、このあたりの御了解をとって持ってくるものと理解しています。
(問)話がそもそも論に戻るんですが、今回の制度設計の根幹になっています官民交流自体のメリット・デメリットというのがあると思うんですけれども。
(答)やはり、官民交流のメリットというのは、役人になったら死ぬまで役人なんだというカルチャーは変えた方がいいと思うんですね。もちろん、定年まで公務員を続けるというルートがあっていいのは、そのとおりでありますけれども、もうちょっと人材の流動化があってしかるべきなのではないかと思うんです。
 つまり、優秀な人材が集まらなくなってしまうって、最近思い出したようによく言われますけれども、こういう傾向は恐らくかなり前から始まっていたような気がするんです。ですから、やはり優秀な人材に国家公務員になってもらうには、もっと魅力ある職場にならないといけないと思います。
 今回は、能力・実績主義というものを導入をして、年功序列を打破しようという試みを法案の中に盛り込みます。イメージ的に言えば、30代で局長になる、40代そこそこで事務次官になるという人が出てきたってちっともおかしくないんですね。ですから、そういう人は苦戦型人生でどんどん民間に行って活躍する、あるいは国際機関に行って活躍する。あるいは政治家になったっていいですけれども。戦前は、そういうことはあったんでしょうね。
 例えば、安倍総理の祖父の岸信介さんなどは、43歳で商工次官になっていますね。ですから、今あのような長寿社会にあっては、40代そこそこで事務次官になって、後は死ぬまで役人やり続けるんだと。70になっても事務次官やるんだというのでは、やはりもったいないんじゃないでしょうか、人材がね。
 ですから、人材は流動化をするというところが大事なことでして、下手に優秀な人たちがたくさん集まり過ぎて、スーパー護送船団方式になって、スターになれる人もスターダストになってしまうというのは、今の仕組みでありますから。そういうカルチャーを変えるというところが大事なんではないんでしょうか。
(問)デメリットみたいなのはありますでしょうか。
(答)官民交流のデメリットというのは余りないとは思いますけれども、きちんと行為規制をかければ、要するに癒着とか、そういった弊害は避けられると思います。
 ですから、今回はかなり厳しい行為規制をかけております。口利き規制で懲役3年とか、今まではそういう行為規制ないわけですから。ですから、2年間のクーリングオフがあるだけで、あとは野放図状態だったということなんです。
 今回の法案は、行為規制は刑事罰までくっついているわけですから、これは厳しいと思いますよ。ですから、そういう手段方法によって、デメリットの方は、官民、人材交流がいく場合のデメリットの方の対策にはなると思っています。
(問)行為規制に関連してなんですが、公明党の方が現在の事前規制、暫定期間、政府の官僚で2年という、短いと。もう少し延ばしてほしいという。
(答)どうなんでしょうか。まとまったお考えとしておっしゃっているのかどうかはちょっとこの前の協議ではわかりませんでしたけれども、クーリングオフに対して、シンパシーがあるのは存じております。ですから、クーリングオフ制度が果たしてうまく機能しているのかどうかの検証は必要だと思うんですね。今、2年間のクーリングオフがあって、いわゆる喪が明けたと言われますけれども、喪中の2年間をどうやって過ごすかというと、さっきも言ったように、非営利法人に大挙して天下るわけですね。そうすると、公益法人の中では、公益法人というのは民間なんですよね。民間なのに、役所の子会社みたいになってしまっていると。これはちょっと幾ら何でもおかしいのではないのかということなんですね。
 ですから、こういうのを例えば5年に延ばすという思想は、役人はとにかく死ぬまで役人なんだという、そういう思想の延長戦にあるような気がしますよね。ですから、我々のように官民交流をできるだけ活発にしていこうと、役人というのは死ぬまで役人やる必要はないんだと。民間人だって公のために尽くしたい人は役人になれるんだ。そういう制度の方がはるかに私はいいと思います。
(問)ずっと調整続いていますけれども、当初省庁の反発とかも強かったと思うんですけれども、盛り上がってから1カ月ぐらいたつんですが、省庁の抵抗の方は、反発ですとか不安というのは弱まっていると思いますか、それとも増していますという……
(答)どうなんでしょうかね。余り変わらないのではないでしょうか。
(問)公務員の魅力ある職場にという意味で、今回の問題とは外れるかもしれないんですけれども、大臣、前回もおっしゃっていたように、国会対策で夜中まで残っているという、そういうこともやる気を失わせる原因になっている。改革に切り込むという御決意はいかがでしょうか。
(答)これは、私も国会議員の一人として、じくじたる思いがありますね。本当に真夜中に霞ヶ関が不夜城のごとく、こうこうと明かりがついている。もう本当に若い人たちがへろへろになって毎晩徹夜に近い状態で残って、国会議員一人質問に立つのに、2,000人居残るんだなんていううわさが昔からありましたけれども、こういう制度はやめた方がいいですね。ですから、これは公務員制度といえども、まさしく国会のあり方、国会の慣行の問題ですよ。
 今だって、質問通告というのは、2日前に出さなければいけない仕組みになっているんですけれどもね。それは全然守られていないということなんでしょうね。2日前に出していただければ、正確な答弁を求められる場合には、きちんと答弁資料をつくって出せるわけですよね。ですから、フリートーキングなんていう国会のあり方も広まってきてはいますけれども、一方、正確な、正確さを求めたいというのであれば、前日の夜中に質問通告するというのではなくて、やはりきちんとルールどおり2日前に出していただくということが大事なんではないでしょうか。

(以上)