菅内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年6月12日

(平成19年6月12日(火) 9:21~9:33  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 私から閣議の報告をいたします。一般案件は「主要国首脳会議の開催について」であります。その他に、国会提出案件、公布(法律)、政令、人事等通常の報告がありました。閣議の中で、主要国首脳会議の開催について麻生外務大臣から洞爺湖で行うことについて合意が得られたという報告です。さらに、関連して溝手国家公安委員長から警備対策について発言がありました。さらに塩崎官房長官から官房長官を議長とする洞爺湖サミット準備会議を内閣官房に設置するという発言がありました。高市内閣府少子化・男女共同参画特命担当大臣から「平成18年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況」「平成19年度交通安全施策に関する計画」について発言がありました。冬柴国土交通大臣から「平成18年度観光の状況」及び「平成19年度観光施策」について発言がありました。山本金融担当大臣から、「破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告」について発言がありました。外務大臣から「投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とカンボジア王国との間の協定の署名について」発言がありました。さらに安倍総理及び日・EU定期首脳協議及びG8のハイリゲンダムサミットの概要について外務大臣から報告がありました。閣議の内容は以上であります。
 私から、閣議前に行われました郵政民営化推進本部について報告をさせていただきます。第5回の郵政民営化推進本部会合を開催をいたしました。報告事項として、私から、最近の郵政民営化の進捗状況として、4月27日に、日本郵政から政府に対して、「日本郵政公社の業務等の承継に関する実施計画」が提出をされたこと、6月8日に郵政民営化委員会から、実施計画が政府の方針に適合しているなどとする意見が提出されたこと。今後、総務省及び金融庁による「実施計画」の認可手続を経て10月1日に民営化が実施されること、こういうことを私から説明をさせていただきました。そして、郵政民営化法に基づき、「実施計画」に対する郵政民営化委員会の意見を国会に報告することを決定をいたしました。また、総理からは、今後、関係大臣において、民営化委員会の意見を踏まえつつ、実施計画の精査を行ってもらいたい。また、日本郵政や日本郵政公社に対しては、国民の皆さんが本当によかったと喜んでいただける民営化を実現できるように、民間企業らしい創意工夫を発揮できるように、さらなる積極的な取組を期待するという御発言がありました。私としましても総理の御発言を踏まえて10月1日の民営化に向けて全力で取り組んでいきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)社会保険庁の問題に関連して、総理や与党の方から歴代厚生大臣や長官の責任を問うという声が上がっていますが、大臣の御所見と責任の取り方というのは、大臣のイメージがございましたらお聞かせください。
(答)6月14日から検証委員会がスタートいたします。徹底してどんな原因でこのようになってきたのか、そういうことを検証していく中で、自ずと責任の所在というのも明らかになってくるだろうと、このように私は思っております。そういう中で、今言われました歴代の社会保険庁長官、大臣の責任、そうしたことについてもその検証の段階で様々なことが出てくるんじゃないかなというふうに思います。検証前から、担当の私が言わない方がいいかなと思います。
(問)ふるさと納税について、依然、都市部では反発の声がありまして、今日も東京と愛知県などで会合を開いて、対抗案を練るということなんですが、こうした動きについてどう受け止めてらっしゃいますか。
(答)私どもの意図していることがあまり伝わっていないんじゃないかと思います。第1回ふるさと納税研究会の会合を6月1日に開催をいたしました。ふるさと納税の前提として、今、国と地方の仕事量が地方が6で国が4、しかし税は逆で4対6になっていますから、これを当面1対1にしたいというのが私の基本的な考え方です。それと同時に景気の回復に伴って、東京に法人二税が集中をし過ぎています。これについて、総務省というのは国と地方の間の税の調整だけでありましたけれども、私は地方間の税の調整も行うべきであるということも提言をしています。この二つを基本としながら、ふるさと納税というのは、私自身が何回か申し上げておりますけれども、地方の市町村長や県知事の皆さんから、高校を卒業するまで地元で将来を担う子どもたちのために多額の行政コストをかけて育ててきて、納税の段階になると都会に出てしまうので、何らかの還元策は考えられないかという思い。あるいは、都会に出てきている人の中でも、自分を育ててくれた故郷に貢献をしたい、両親のいるところに貢献をしたい。あるいは今、自然志向、地域志向というのですか、スローライフあるいはロハス、そういう自然と共生して生活をしたいという、そういう方もたくさんいらっしゃいます。そういう中で、自分がそうした地域を応援したいという人もたくさんいますから、税そのものもそうした思いというものを実現できるものを私は制度として確立をさせていただきたいということであります。それは、大都市と地方の間の税の争いということではなくて、そうした思いというものを実現できる税制というものを私はあってもいいという、そういうことで提言をさせていただいております。そういう意味で、ふるさと納税で税の偏在を是正するのはおかしいだろうとか、受益と負担の問題を考えたらおかしいだろうとか言われていますけれども、私ども、今、「ふるさと納税研究会」で調査研究をしてもらっているところとは違う、自分達で勝手に制度設計をしていい悪いと、そう言っているような感じがします。それと同時に、東京を始め、大都会で生活していらっしゃる国民の皆さんには、私が今申し上げました、そうした思いを持ってらっしゃる生活者というのはたくさんいると私は思っております。
(問)大臣、年金の第三者委員会の方なのですが、年金の記録がないため、支払いができるかどうか、一定の基準づくりみたいなのが必要だと思うんですが、今度つくられる本部の組織の方でそういう一定の基準づくりというのはいつ頃までにとお考えですか。
(答)昨日、第三者委員会を月内に立ち上げをしたいというお話をさせていただきました。この第三者委員会というは、今まで納付をされていた、そしてそのことが記録されていないということについて、申立てをされた方の年金額に直接影響するものでありますから、私は非常に責任ある委員会だと思っております。そして、総理が国会でも答弁をされていますように、また私への指示にもありましたように、そうした申請をされる方の立場に立ってこの委員会の中で検討するようにということも指示をされておりますので、そうした中で、やはり公平で公正なということもこれは当然求められるわけであります。そういう中で、この第三者委員会の中で処理できる方向性というのはある程度は、これは全国で行うということになると必要だと私は思っています。ただ、個別にいろいろな事例もあると思いますから、類似ごとに分けて考えることも必要かなと思っております。
(問)自治体の地方における判定を求める判断ですね、月内にそれもスタートできそうでしょうか。
(答)イメージとすれば、まず中央でスタートして、それから数週間後ぐらいに、ある程度の目途がついた段階で地方でスタートさせる、そういうイメージかなと思っております。

(以上)