菅内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年3月9日

(平成19年3月9日(金) 9:40~9:54  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。閣議で一般案件、国会提出案件、公布、法律案、政令、人事の報告がありました。
 その中で、国会提出案件で「地方財政の状況について」、私ども関係のものが決定されています。それと法律案として「地方公共団体の財政の健全化に関する法律案」、このことも決定をいたしております。「地方財政の状況について」の発言と、「平成19年4月1日以降6か月を一期とする日本郵政公社の中期経営目標及び中期経営計画の認可に関する報告について」私から報告をさせていただきました。
  「エネルギー基本計画の変更について」、甘利経済産業大臣から報告がありまして、それに関して、内閣府特命担当大臣、松岡農林水産大臣から発言がありました。「循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第3回点検結果について」若林環境大臣から発言がありました。
 そして、冬柴国土交通大臣と塩崎官房長官から官製談合防止法に基づく改善措置要求についての発言がありました。
  閣議終了後に、総理から私に対して、地方公務員の給与構造改革の推進、更に清掃職員とか、学校給食職員、運転士等の技能労務職員の給与について、同種の民間部門との比較などの実態把握、そして公表について指示がありました。私もかねてから、この、いわゆる現業と言われる方の給料は、民間の事業者に比べてかなり割高になっているという問題意識を持っておりまして、総務省としてもこれまでもそうした観点から、現業を含めた事務事業について民間委託を積極的に行うべきだと、こういうことを推進してきたわけでありますけれども、給与情報の積極的な公表、開示、こうしたものを更に進めていきたいというふうに思っています。総理の指示を受けまして、事務方にこれからこうしたことを強く指示をし、住民の皆さんにとって、地方公務員の給与そのものがわかりやすく提供することができるようにし、さらに地方の行革が一層推進するようにしてまいりたいと考えております。以上でございます。

2.質疑応答

(問)先日、番組のねつ造問題に関して、BPO(放送倫理・番組向上機構)、民放連とNHKが共同で再発防止策を打ち出しましたけれども、BPOの権限を強化するということが柱になってましたが、総務省の方でも、今、法改正案の中に再発防止策を盛り込む方向で検討されていると思いますが、その中で放送局側が自主的に出してきた取組に対して、大臣の御所見と今後の対応について伺いたいのですが。
(答)今まで、BPOが節目節目に、そうした提案をしたり、一定の役割を果たしてきたというふうに私は思っています。今回発表されたことによって、更に番組の質の向上等を図り、国民から信頼をされる放送になるように、私からも期待をしたいというふうに思っています。また、皆さん御承知のとおり、「発掘!あるある大事典II」を始め、いろいろな問題が出てきている中で、私はかねてより非常に深刻な状況だという話をしました。それは例えば「発掘!あるある大事典II」が報道されて、その翌日から納豆がスーパーから無くなったと言われるほど、こうした放送というのは国民の皆さんに非常に大きな影響を与えるものでありますから、私どもとすれば、こうした再発防止策というものを検討し、そして法制化する責任というのがあるのではないかなというふうに私は思っております。
(問)今日閣議決定された財政健全化法案ですけれども、党と政府の中で、再建法は2年以内の整備ということで、必ずしも今国会という感じでもなかったかと思うんですけれども、今国会に提出した点を改めてお願いします。
(答)私は、大臣になってから、スピード感のある仕事をして、国民の負託に応えるべきだということを、機会あるごとに役所の中で発言をしてきました。例えば、昨年の臨時国会で成立した地方分権改革推進法、これは通常ですと、事務的にも、なかなか昨年の臨時国会は難しいという事務方の話があったのですけれども、しかし、地方分権というのは、国民の期待に応えるために私どもやるべきだという形で、事務方に強い指示をし、事務方もそのことに応えてくれました。今回のこの財政健全化法案でありますけれども、これについても役所内に作業部屋をつくって、そこで寝泊まりするぐらいの形で、今国会に間に合わせるように事務方が大変努力をしてくれました。通常ですと、今言われましたように、今度の通常国会は難しいという、それが常識的なことだったと思いますけれども、しかし、夕張問題が今大きく取り上げられ、そして地方財政というものが国民の大きな関心のある中で、私どもの果たす役割というのは、やはりそうした皆さんの負託に応えると、この法律そのものが昭和30年に出来ていますから、ある意味では時代の要請に現在の法律は応えることができないわけであります。そして、今言いましたように、夕張の問題も出てきた。そういうことを契機に、やはり何としても今の国会で成立をさせて、多くの地方自治体に対しても、この法律に基づいて、第三セクター等を含めた指標を今度公開するようになりましたから、更に健全性を高められる、私はそういう意味で、今まさに必要な法律だという判断をしましたので、事務方にはかなり無理を言って、今国会にようやく間に合わせることができたと、そういうことです。
(問)関連して、再建法制の中で、借金を棒引きにする債務調整については先送りになりましたけれども、課題も含めて、今後の議論で期待されるところはどういったところでしょうか。
(答)債務調整につきましては、私は、やはり緊張感を保つ意味で十分に検討する必要があると、こう思っておりまして、この場にはもちろん間に合いませんでしたけれども、今、総務省の中に債務調整等に関する調査研究会をつくって取り組んでいます。そして、このことは、地方分権改革推進委員会委員が、今国会で指名をされて、これから3年なり地方分権一括法に向けて取り組むわけでありますから、そこにつなげる必要があるというふうに私は思っていまして、この債務調整というのは、そういう意味でこれから非常に大きな課題になってくるだろうということで今検討させていると、そういうことです。
(問)大臣、先週の金曜日の日本郵政公社総裁の生田さんと日本郵政株式会社代表取締役社長の西川さんの交替人事、また蒸し返して申し訳ありませんが、生田さんが大臣の会見の後に会見を開かれまして、その内容と、大臣のおっしゃっている内容がやっぱり180度違うという疑問がまだ解けずにいますけれども、2月22日に都内某所で大臣と生田さんがお会いして、生田さんの説明によると、生田さんが出向くと、大臣の方から、こうこうこういう理由で生田さんにもう任期でしょと、西川さんとチェンジしたいんだけれどもという話がまずあったと。生田さんの方から辞意を伝えられたということではなくて、まず大臣の方から交代するプランを提示されたと、だから、私は、辞意は最初から出してないんだという行き違いなんですね。そこなんですが、あくまでも大臣は、生田さんの首を切ったとか、引導を渡したとか、そういうことではないとお尋ねしたいんですけれども、そこの点もう一度お願いします。
(答)誤解されるといけないので説明しますと、生田総裁とお会いしまして、懸念されていたシステムが10月1日に間に合うにようになったと。そして、生田総裁の任期は3月31日ですから、ということでした。それで、その後については大臣にお委ねしますということだったのです。もちろん私が4月以降の任命権は持っていますから。この前説明しましたようにそういうことでしたので、私から申し上げたと、そういうことです。
(問)その前に、3月31日で辞めてくださいというふうに言われたということではないですね。
(答)それはないです。
(問)それはないと。ちなみに、先週の金曜日に閣議が終わった後、9時頃、郵政公社に大臣からお電話があったと、郵政公社に大臣がお電話をされたと。ここで生田さんとやりとりをしましたか。
(答)先週のいつですか。
(問)閣議後です。
(答)閣議が終わった後、電話をしました。それは私が閣議で、日本郵政公社総裁人事について閣議口頭了解をしましたから。その後にこういうことですということで、生田総裁に電話をしました。
(問)生田総裁の方には、大臣の方から、辞任というか、生田さんの交替の理由について、生田さんの方から辞意を先に申されたというふうにしてくれというようなことを大臣がおっしゃったということはないですね。
(答)それはないです。
(問)わかりました。
(答)辞意というよりも、3月31日で任期が来るわけですから。その後については生田総裁がどうされるかという話は、当然向こうからあるわけですから。これが、例えば任期途中であれば話は変わってくると思いますけれども、3月31日が任期ですから。それについて、あとは大臣の判断に従わさせてもらう、それは当然だと思いますよ。
(問)再任するかどうかというのがポイントだったということですか。
(答)ええ、それは私の判断で。ですから、そのことについては、生田総裁にも説明しました。この前も申し上げましたけれども、10月1日から新会社が発足するわけでして、準備期間で一定のことがほぼ峠を越えましたので、スムーズに民営化をスタートさせるのが、私の、ある意味で最大の責任でありますから。そこで私は私なりに、前にも申し上げましたけれども、国鉄民営改革がなぜうまくいったのかという検証もして、それは一体で行っていくのが一番いいという判断をして、ということであります。誤解のないように、よろしくお願いします。

(以上)