高市内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年2月20日

(平成19年2月20日(火) 9:13~9:36  於:合同庁舎4号館6階 会見室)

1.発言要旨

 本日の閣議案件は、一般案件が1件、国会提出案件が23件、政令が6件、配付が1件あり、私どもからの主請議はございませんでした。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)自民党の中川幹事長が、安倍首相に忠誠心のない閣僚は去れという趣旨の発言をされましたけれども、この発言をどの様に受けとめられていますか。
(答)少なくとも私は総理に対して忠誠心を持っておりますし、敬意を持って接しているつもりです。これからも一生懸命安倍総理を支え、ともに内閣の一員としての職責を果たしたいと思います。
(問)その関連ですが、中川幹事長は閣議前の状況として、私語を慎めない政治家は美しい国づくり内閣にふさわしくないという発言をされました。高市大臣自身がこれまでの閣議で、隣に座った松岡農林水産大臣や大田経済財政政策大臣と会話を続けている様子が昨日のニュース番組でも出ていましたが、その事実を踏まえた上でこの指摘をどの様にお考えになりますか。
(答)閣議は別室に移動して行われております。閣議及び閣僚懇談会での私語はございません。国民の皆様は、閣議の場として見ておられる方も多いと思います。入閣を何度かされている方はそうではないかもしれませんが、私は初入閣ですから、カメラの映像撮りは、会話を交わしている方がいいと思い込んでおりました。閣議前の冒頭カメラ撮りの趣旨を誤解していたのかもしれません。
 カメラ撮りの時に会話を交わしている絵ではない方が総理を支えるイメージとして良いことが分かりましたので、今後はその様なことのないようにしたいと思います。
(問)確認ですが、要するにカメラ撮りの時に静かに皆さんでしていた方が良いと改めて考えられたのでしょうか。
(答)私は直前に自民党の情報調査局長でしたので、自民党役員会にも出席しておりましたが、その時もカメラ撮りは、割と意識して会話をしている映像を皆さんで演出しているように私は理解しておりました。院内の国対委員長会談や議運なども、冒頭のカメラ撮りの時にはまだ会議には入っておりませんが、何か会話を交わしています。それが頭撮りの映像の趣旨と思っておりました。積極的に誰かに話しかけたことはないと自分でも思っておりますが、声をかけられたら話に応じるとか、頷くことは、頭撮りの趣旨としてその様な光景が良いのかなと、私自身は誤解をしておりました。
(問)総理あるいは塩崎官房長官から今後はそういう会話を続けるのは止めて欲しいという指示ないし周知徹底はあったのですか。
(答)それはございません。
(問)御自身でお考えになったということですか。
(答)報道を見て、そう思いました。少なくとも閣議や閣僚懇談会で私語をしたことは一度もございませんし、冒頭のカメラ撮りの趣旨を、私自身が勘違いしていたと反省しました。
(問)確認ですが、それは大臣が考えられたということですか、それとも他の閣僚の方々にもその様に考えておられる方がいらっしゃるということですか。
(答)私の感想を申し上げただけです。
(問)閣議室に入る前の別室でのカメラ撮りの趣旨を中川幹事長が誤解なさっているということですか。
(答)私が誤解していました。
(問)大臣がということですか。
(答)幹事長の御指摘がありましたので、カメラ撮りはしゃべらずにじっと顔を見合わせているべき場所と思いました。中川幹事長は閣内にもいらっしゃいましたし、私は初入閣ですので、先輩からの御指摘は謙虚に受けとめて、その方が良いということであれば、私はそうしたいと思います。
(問)小泉内閣の時のカメラ撮りとの比較映像が流れていたと思いますが、雰囲気を比べられていかがですか。いらっしゃらなかったので比較しづらいとは思いますが。
(答)その場の雰囲気は分かりません。
(問)自民党幹事長があの様な発言をされたこと自体かなり異例なことだと思いますが、閣議メンバーではない方が指摘をされたことについてどの様に思われますか。
(答)大変心配をされてのことだと思います。分かりやすい例という形で言われたのかもしれません。ただ、閣議前のカメラ撮りの時に、閣僚同士が話していることに関しては、忠誠心がなくてやっているわけではなくて、頭撮りは何か会話を交わしている絵を撮ってもらった方がいいと考えていました。実際に記者の方に安倍内閣の雰囲気が暗いとか、元気がないという指摘を受けたこともありましたので、会話を交わしていた方がよいのかなと思い、声をかけられたら頷いて見せたりはしましたが、全く誤解だと思いました。
 幹事長は同じ清和会の先輩として、安倍総理も一生懸命育ててこられたのでしょうし、私どものことも心配してくださっています。幹事長ですから政府与党というイメージの問題でも心配をいただいているので、象徴的な例えとして仰ったのだろうと思います。
(問)中川幹事長は発言の真意について、昨日、政権が緩み自壊していくことが脅威と思い発言したと仰っており、幹事長発言に対し、与党内から内閣の体たらくをさらけ出したという指摘も上がっています。この様な政権の緩みとか体たらくなどの厳しい指摘に対してどの様にお考えになりますか。
(答)どなたが仰ったのか、私には確認できませんが、少なくとも体たらくと言われるような仕事をしていないつもりです。私自身も、今はイノベーション25の中間取りまとめ等で大変な時期にあります。土曜日、日曜日も2日ほど徹夜もして、昼間の時間もパソコンに向かいました。委員の方々も一生懸命やってくださっているし、私自身も少しでも良いものをお示ししたいです。安倍総理が思いを込めて新しいポストをつくられて、イノベーション25をまとめろと私に命令されたわけですから、少しでも良いものを出していきたいと思い、歯を食いしばって働いておりますので、体たらくという言葉で言われると大変残念です。どなたが仰ったということは確認がとれませんので、少なくともその様な表現が当たる働き方はしていないつもりです。
(問)中川幹事長の発言に関して、中川幹事長はどなたのことについて仰ったと思われますか。
(答)分かりません。
(問)もしその様な方がいらっしゃらないとしたら、中川幹事長は嘘をついていたことになりますが、その発言の真意についてどの様に思われますか。
(答)心を一つにして、必死でやって下さい、緊張感を持って頑張って下さいという思いだと思います。
(問)今までの緊張感について、どの様に評価されていますか。
(答)少なくとも、私は非常に緊張しております。就任の日以来、緊張し続けております。
(問)昨日、予算委員会で内閣府から出した資料として、尾身財務大臣が沖縄大学院大学の予算に関するアドバイスをしていたのではないかという指摘がありましたが、この件に関して高市大臣はどの様にお考えですか。
(答)私の役割では、内閣府内の私の担当部局の行政が適切に公正に執行されることを担保することが大変大事なことです。もし不正なことが行われたり、外部から何か圧力があって、行政の執行がねじ曲げられたというようなことがあれば、私の責任になると思います。
 去年9月26日に大臣に就任した際に、大臣規範その他の冊子を官邸でちょうだいしました。その中に「政・官の在り方」というものが入っており、これは過去に閣僚懇談会申合せで決定されたものと承知しております。正確な文言については御確認をいただきたいのですが、趣旨としては、もしも行政の公正な執行がねじ曲げられるような働きかけが政治家等からあった場合は、職員は大臣に報告しなければなりません。政治家であれ外部の団体であれあてはまると思いますが、公正な行政ができないような働きかけがあった時に、私に報告をしなければならず、大臣は責任を持って、政治家からであれば政治家に対してこれはできませんと言うことも含めて、公正な行政の執行を推進しなければいけないという趣旨のことが書いてありました。これはずっと私の心の中にございます。実際に今回、電話会議でその様なお話が出たのかもしれないと推察される文章がございましたが、運営委員会の方々から私、もしくは内閣府の職員に対して予算を増やせ等の働きかけはありませんでした。その様な報告も受けておりません。財務省に対して私どもから予算を増やしてくれという申入れもしておりません。実際についた予算は、概算要求で出した金額よりは少ない予算がついております。総額は前年度比で見ますと増えております。工事造成等も始まりますから、新たに必要になる金額については増えておりますが、概算要求より少ない予算でした。それでも、年末にかけて増やしてくれ等こちらから働きかけた事実はありません。私は内閣府において行政は非常に適正に執行されていると思います。そもそも独立行政法人と内閣府の関係ですけれども、特に運営委員会と内閣府の関係ですが、彼らは政策について政府に対して注文をつける権限を持つものではございません。こちらは所管する官庁ですから、事後的に事業がきっちり執行されたかどうかというチェックは行いますが、独立行政法人は、ある意味では独立性を持っていただくためのものですので、何らの圧力も申入れも、その運営委員会からはありませんでした。その結果を見ていただきたいと思います。
(問)イノベーション25戦略会議なのですけれども、将来のテレビについてお話が出ていると思います。将来の立体テレビ、ユビキタスコミュニケーションについての話ですが、立体テレビについて、10億ぐらいの予算を割くという話もでていますが、大臣自身はその話で期待をかけることと、産業面からどの様にお考えですか。
(答)イノベーション25の中間取りまとめの中にどの様な事例が入るか入らないかについては、今、最終的な取りまとめの最中ですので、特に言及することはございません。  ただ、例えばテレワークは少子化対策にも資するし、多様な働き方の応援にもなります。臨場感を持った社内会議や取引先とのやり取りなどで、その様な技術は、今後活用できるのではないかと思いますし、テレビショッピングでも質感や立体的な映像によって、より商品を知った上で購入できる時代は目の前にあると思います。様々な活用もできる技術ですので、技術的には推進していくべきと私は思います。
(問)最終的には産業の活性化になりますか。
(答)それはなります。様々な応用の仕方があると思います。将来的には、例えば医療でも家にいたままお医者様と遠隔でやりとりをする場合にもこの様な技術があれば、活かせる面はたくさんあると思います。イノベーション25の報告書とは切り離して、技術に対する感想だけで申し訳ないですが。
(問)尾身大臣の件ですけれども、内閣府から独立行政法人に働きかけがなかったのは、先ほどのお話でよくわかりましたが、尾身大臣から働きかけたことはありませんか。
(答)内閣府から財務省には何も申し上げていないということです。
(問)それは先ほどの説明でわかったのですけれども、尾身大臣がアドバイスをしたという、議事録、内閣府の証言が出たわけですが、尾身大臣からのアドバイスをしたこと自体についてはどう思われますか。
(答)昨日の委員会で、尾身大臣はしていないと否定をされていたと思います。運営委員会では、基本的に内閣府の職員も、私もメンバーではございません。あれは独立した機構の運営委員会です。来賓としてあいさつに来てくれとか、来年度のことで説明に来てくれとかいうお招きがあれば職員が出かけていくことになります。さらに言えば、非公式にメンバー同士が話し合われる場所には内閣府の職員は絶対入れません。招きも受けないと思います。ただ、12月の運営委員会に先立つ電話会議をされるという情報を得て、おそらく職員は、例えば内閣府に概算要求の説明をしろとか、この事業については説明に来てくれというお招きがある可能性もありますし、場合によっては大臣を来賓として招くので日程調整をしてくれという話が出る可能性もあると思ったのでしょう。だからこそ入れない会議であるにも関わらず、その会議に出ていたとされる委員から情報を集めたということです。ですから聞き取りです。尾身大臣の件をどなたか発言されて、またはその話をそこで聞いていたであろう人が、伝聞で覚えていることを色々と仰ったのだろうと推測をしています。ただ、会議の準備に向けての情報収集ということで、人から聞き取って話を忘れないようにメモにして、それを上司等に報告する場合に必要ということで、パソコンで起こしたと思います。そうすると、そこで書かれていることが真実で、すべての委員がおっしゃった発言が全部出ているかどうかもわかりませんし、ごく一部かもしれない。聞き取り間違いもあるかもしれない。また、情報提供してくださった委員の方の記憶間違いもあるかもしれませんが、「てにをは」など内容も含めて、全く事実関係が確認できないというのが残念ながら私どもの現状です。もし、その会議に職員が入ってテープを回していたとか、2人以上で話を聞いていたのであれば自信を持って、決して嘘は申し上げるつもりはありませんので、この様な会話が交わされましたということは言えますが、伝聞の伝聞の様な話ですので、立証の仕方もございません。尾身大臣が昨日、委員会ではそういうアドバイスはしたことはないと仰っているので、そのお言葉を信じていますし、信じるしかございません。他に確認の手段がないというのが現状です。

(以上)