高市内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年2月6日

(平成19年2月6日(火) 9:45~9:59  於:合同庁舎4号館6階 会見室)

1.発言要旨

 本日の閣議案件は、一般案件が1件、国会提出案件が14件、法律案が12件、政令が2件、配布が2件あり、私どもからの主請議はございません。
 次に、御報告事項です。お手元にお配りしたカラー刷りのものですが、国民の皆様の暮らしに関わる情報提供を一層進めるために、2月5日より内閣府のホームページにおいて「暮らしの相談窓口のご案内」のコーナーを開設しました。内閣府のホームページの「暮らしの相談窓口」というところをクリックいただきますと、毎日の暮らしの中で、例えば購入する商品やサービスに対する苦情や食の安全についての不安、いじめの問題、交通事故など、私が所管している暮らしに関わりの深い分野についての相談窓口の情報が一元的に入手できるという形です。本コーナーには、内閣府ホームページのトップページから入っていただきますが、各省庁や地方公共団体にもリンクを貼っています。申すまでもないことですが、個々の相談については、これまでどおりそれぞれの機関で責任を持って対応していただきます。これは昨年10月か11月だったと思いますが、国会の質疑などで、いじめの問題や食の安全の問題など、どこへ相談していいのかよくわからないので窓口を一元化してほしい、という御指摘もございましたし、各省が様々な立場で対応されておりますが、何か困ったことが起きたときに、実際にどこに相談したらいいかを分かり易い形で広報できないかと考えておりました。職員も多くの時間をかけて頑張ってくれました。最初の一歩ということでこの様な試みを始めました。現在準備中の分野もございますが、今後とも国民の皆様の視点に立ち、カバーする分野の拡充や使いやすさの改善に努めてまいります。
 次に、普天間飛行場の移設協議に関する私の考え方について、多少誤解のある報道をされているところも、ごく一部ですがございます。私の表現の仕方がうまくなかったのかもしれませんので、改めてもう一度申し上げさせていただきます。
 昨日の委員会でも答弁申し上げましたが、日本政府のスタンスは、平成18年5月30日の閣議決定に基づいております。つまり、昨年5月1日のいわゆる「2+2」合意で同意された案、V字案と言われているものですが、これを基本として地元と協議を進めていくものでございます。そして、昨年のうちに当時の防衛庁と地元との間で、名護市等とは4月7日に、そして、沖縄県とは5月11日にそれぞれ合意、基本確認が行われているところです。この合意の中で、防衛庁と地元もV字案を基本にということは確認しております。ただし、建設計画については、誠意を持って協議を行うということになっております。例えば環境影響評価は知事の権限に属する事項ですから、知事の同意を得て進める必要があるのは言うまでもないことですし、また、塩崎官房長官も、今行っている協議会については、政府案を基本としてすり合わせをする場と位置付けておられます。すり合わせの場は、政府側の一方的な説明の場では決してなく、沖縄県側が懸念されている諸問題にきちっと耳を傾けて、御懸念のないように説明も行っていく場であるべきだと私は思っております。ですから、政府案を基本として協議は行います。ただし、協議は、お互いの立場を慮って、お互いの意見を尊重し合いながら誠意を持って進めるべきです。そのためには、地元の意見にも耳を傾けるべきという趣旨で私は発言をしてまいりました。一部報道にあるように、名護市の修正案を採るべきであるとか、名護市の修正を呑むべきであるというような立場に立つものではございません。
 名護市が修正案をこの段階でつくられたということは、今の政府案で進める中で幾つか心配されている点があるのだろうと思います。それであれば、政府案は基本ですが、具体的にどの様な問題で地元に御懸念があるのかを丁寧に伺い、これだったら大丈夫ですよとか、この様なことはこの様に改善できますということも率直に、丁寧に説明することが政府にとって必要な姿勢だと思っております。一度、飛行場が移転されたら、そこで住民の方は長くお暮らしになるわけです。今の時点で大変不安だと思っておられることが市長も含めておありであれば、それを私たちはきっちりと伺い、一点、一点について誠意を持って説明申し上げる姿勢が必要だと思います。あの時も官邸で申し上げましたが、持ってこられた修正案等に関して誠意を持ってお聞きすべきです。修正案を採用する、しないという話を申し上げたつもりはありません。不安要因に誠意を持って話し合いに応じていく姿勢が、私は日本政府に求められていると考えております。ちょっとしつこかったかもしれませんが、私の真意を申し上げさせていただきました。
 私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)協議会の関係ですが、名護市の修正案は、協議会の場に改めて提案してもらい、修正でなくとも、どの辺りに懸念があるのか等、明確に話し合っていったらどうかというお考えをお持ちであると考えてよいですか。それとも、協議会に乗せる必要はないということですか。
(答)協議会でやるのか、協議会の後に懇談の場も持っておりますから、その様な場でやるのか、また協議会の課題を何にするのかなどの設定をされるのは官房長官です。私が官邸に参りました時には、協議会が終わった後で、名護市から書面ではいただきましたが、何の説明も受けておらず、どこに御懸念があるのかを皆が情報として共有していない状況だと思いました。この様な案を出されたということは、おそらく幾つか御懸念がまだあるのだろうということで、一度意見を聞いて欲しいという思いがありましたので官邸に参りました。どの様な形でお話を伺うのかは官房長官がお決めになることです。
(問)大臣は、協議会もしくは協議会後の懇談会等できちんと説明をしていただく機会を設けた方がいいというお考えですか。
(答)私はその様な思いで、あの日、官房長官にお会いしました。ただ、それは名護市の修正案を日本政府が呑むという話ではありません。具体的な案をつくってこられたということは、政府案ではクリアできないと名護市側が考えておられる点があると想像しました。あの日、名護市から具体的に何か説明があったわけでもないですし、今の時点で私も説明を受けておりません。協議会や懇談会の場でその様な議題設定が対外的に難しいという判断になりましたら、場合によっては、私が沖縄との橋渡しの役割を与えられておりますので、私が伺って防衛省とお話をするということも可能とは思います。方法については、今のところ、名護市が今後どの様に仰ってこられるか分かりませんし、官房長官がどの様に議題設定をされていくのかもわかりませんので、私の権限で申し上げられるものではございません。
 過去にL字案というものがございました。その時に名護市の方から様々な御懸念の点もあって、それを伺った上でV字案になっているという理解をしております。防衛省の側に立ちますと、多分、あの時に一回意見を聞いて、名護市の言い分も十分に配慮したつもり、という思いがあるかもしれませんが、飛行場というかなり大きなものを受け入れていかれるということですから、ぎりぎりまで様々な不安材料をお持ちかもしれません。何らかの形で私が伺ってもいいですし、何か場を設けて伺ってもいいかと思いますが、最後まで地元の市長を始め住民の方が不安に思われないように誠実に対応していくことは、政府にとって重要なことだと思います。繰り返しになりますが、協議会で聞く、聞かないということについては私の権限外ですので、何とも申し上げられません。

(以上)