溝手大臣記者会見要旨 平成19年5月18日

(平成19年5月18日(金) 8:54~9:07  於:衆議院議員食堂)

1.発言要旨

 閣僚懇談会において私から、愛知県警の殉職事案等について、まだ事件は継続中ですので事細かに申し上げるわけにはいきませんので、概略について申し上げました。銃撃されて本日殉職した林一歩巡査部長は、自らの職務を果敢に遂行していた間に撃たれたということで、非常に正義感の強い警察官を失ったことは遺憾の極みであり、御遺族に心からお悔やみを申し上げるということを発言いたしました。また、この事件の早期解決について全力を尽くすとともに、このような悲しい事件が二度と発生しないよう、効果的な銃器取締りの在り方について、あるいは法整備等を強力に推進することについて、さらに私が思うところとしては、被疑者は元暴力団員といわれておりますが、このような者に対する銃器対策の在り方を徹底的に検討していかなくてはならないということを発言いたしました。
 閣僚懇談会後に総理大臣への報告を行いましたところ、総理から、いずれにしても継続中の事件ですから、しっかりと対応して、早く解決していただきたいとのお話をいただきました。また、御遺族等にしっかり対応するようにとのお願いを受けました。新婚で、本当にいたいけなお子さんを抱えて、これからが大変だと思います。そのほか、若干の事務的な打合せ、お見舞いの打合せなどをいたしました。

2.質疑応答

(問)今の愛知の件ですが、林巡査部長は、別の警察官を救出しようとして、その流れの中でお亡くなりになったのですが、事件は継続中でありますけれども、このような対応の在り方について御所感がありましたらお聞かせください。
(答)御存じかと思いますけれど、救出の際、林巡査部長は援護者の立場でありました。犯人はカーテンの中側にいて、何をしているか、どちらを向いているかはっきり分からない状況の中、いきなり林巡査部長の方に発砲したわけでございます。救護班の方へ撃っているわけではなく、救出そのものの在り方とは別の問題といえなくもないのです。
(問)かなり不測の事態の面があったのでしょうか。
(答)それもあった。例えば撃たれた場所ですね。もちろん十分な装備をしていましたが、防弾チョッキのちょうど首の所だった。
(問)防弾チョッキでは覆いきれない場所に当たったのでしょうか。
(答)現在までの情報では、そのとおりです。
(問)装備を検証するということはお考えでしょうか。
(答)仰るとおりです。我々として検証するべき点は多いと思います。
(問)例えばどんな点があると大臣は思われますか。
(答)楯の防弾の性能に問題があったという報道もされていました。そんなことはないと思うのですが。捜査をする人間をどのようにして守るかということについて、今回の 事件を踏まえて、さらに勉強すべき点があるのではないかと受け止めております。(警察庁としても)是非検討していただきたいと思います。
(問)閣僚懇談会での発言に、けん銃の法整備ということがありましたが、何か具体的なことは念頭にございますでしょうか。
(答)今年に入ってけん銃を使用した事件が(都内の主なものだけでも)2件発生していますね。立てこもり事件と六本木の事件が。こうした状況の中で、いわゆる重罰化の問題ですとか、罰金刑の問題ですとか、いろいろな議論が既になされております。そのような問題について、さらに御意見を拝聴しながら詰めてまいりたい。
(問)大臣、話は変わりますが、今日、集団的自衛権に関する有識者懇談会が始まりますが、大臣御自身は集団的自衛権に関してはどのようにお考えでしょうか。
(答)今日何かアンケートがあるんです。新聞記者からアンケートが来ていると聞いておりますが、私、実はアンケート余り答えたことがないのです。私は広島出身ですから、どちらかというと慎重に物をとらえるというように育ってきました。地方の首長もやっておりますし、青春時代も現地で育ちました。だからどうだということはないのですが、この問題については先頭に立って旗を振るような育ち方はしておりません。ちゃんと必要なことはやっていかなくちゃいけないのだろうと思うのですが、今やっているのが、解釈による集団的自衛権という方向ですね。よくもう少し議論を見たいと思っております。安倍内閣の一員としてどういう発言が適当か、もうちょっと勉強させていただきたいと思います。
(問)林巡査部長は援護する役回りであったということですが、救出をあの時点で行ったという捜査、指揮の判断は妥当だったのでしょうか。
(答)その任には愛知県警本部長が当たっていますが、愛知県公安委員会ともいろいろ話をしたと思いますし、警察庁からもアドバイスがあったと承知しております。総合的な判断の上で、最終的に県警本部長が(適切な)決断を行ったというわけです。犯人も大分落ち着いてきてはいたようです。
(問)今後の対応はどのようにされますか。
(答)とにかく、これ以上犠牲者が出ないように、できるだけ早く解決することが一番です。
(問)遺族への対応について、総理はどのように言われたのでしょうか。 
(答)遺族の対応をどのようにするかということについて、秘書官から事務的な説明がなされた後、「気の毒ですね。しっかりとした対応をしなければいけないですね。」と仰いました。     

(以上)