第166回国会 参議院内閣委員会 大田内閣府特命担当大臣(経済財政政策)所信表明

 経済財政政策を担当する内閣府特命担当大臣として所信の一端を申し述べます。

 日本経済は、バブル崩壊後の負の遺産を克服し、ようやく正常な状態に戻りつつあります。適切なマクロ経済運営により、景気回復をさらに息長く持続させることで、企業から家計へ、また日本全体へと回復を広げることが必要です。
 グローバル化や少子高齢化など大きな変化に対応した、新しい経済・社会の仕組みをつくるため、「日本経済の進路と戦略」に沿って、経済財政諮問会議がエンジンとなって、創造と成長に向けた改革を進めてまいります。
 成長のカギとなるのは、生産性上昇、オープンな国づくり、そして人材の活用です。
 第一の生産性については、サービス産業を中心に、生産性加速プログラムを、4月を目途に策定します。市場化テストの活用などにより、政府の分野も生産性を高めることが重要であり、その一環として、公共サービス改革法の改正法案を今国会に提出したところです。
 第二の「オープンな国づくり」のためには、海外特にアジアとの連携を強化してまいります。WTOや経済連携協定(EPA)交渉の戦略的展開、対日投資の飛躍的増加、金融・資本市場の国際競争力強化など、グローバル化のための包括的な政策を打ち出していきます。
 第三の「人材の活用」のためには、これを妨げている様々な壁を克服し、人口減少下で貴重な人材がいかされる労働市場の在り方を審議し、政策に反映させていきます。
 先行的な取組として、「成長力底上げ戦略」を実施します。第一に人材能力向上、第二に就労支援、第三に中小企業の生産性向上と最低賃金の引上げという三本の矢で成長力の底上げを図り、格差の固定化を防ぎます。
 成長への取組と並ぶ車の両輪として、財政健全化への取組を進めます。「基本方針2006」に沿って、歳出・歳入一体改革を着実に推進し、2011年度には国・地方合わせた基礎的財政収支を確実に黒字化させます。国民負担の増加を最小にするために、歳出削減の裏付けとなる制度改革を「基本方針2007」においてとりまとめるなど歳出改革を全力で進めます。また、財政再建と景気変動への対応を両立するため、経済状況に応じて財政再建のスピードをコントロールしながら、中期で予算を管理してまいります。
 また、特殊法人等の改革等の一環として、総合研究開発機構法を廃止する法律案を今国会に提出しております。
 安倍総理のリーダーシップの下、緊張感を持って、経済財政政策の運営と、経済財政諮問会議の運営に当たります。
 委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。