大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年5月16日

(平成20年5月16日(金) 9:18~9:24  於:衆議院分館1階玄関ホールぶらさがり)

1.発言要旨

 おはようございます。
 時間がありませんので、閣議については関係するものだけ申し上げます。
 閣僚懇談会で、成長力強化のための早期実施策をフォローアップいたしましたので、その結果を報告いたしました。
 次回の諮問会議ですが、来週20日です。
 議題は合計3つあります。
 第1に、対日直接投資について、対日投資有識者会議の島田座長、それから、東京証券取引所の斉藤社長をお招きします。
 第2に、航空自由化について、冬柴大臣をお招きします。
 第3に、歳出・歳入一体改革について、香西政府税調会長をお呼びして議論いたします。
 では、QEについて。本日、平成20年1-3月期のGDP速報を発表いたしました。実質成長率が年率で3.3%、名目成長率が年率で1.5%と比較的高い伸びになっております。
 ただ、内訳を見ますと、外需の寄与度が高いということ、それから、民間設備投資がマイナス0.9%になっております。これは3四半期ぶりのマイナスですね。先行きは慎重に見ていかなくてはならないと思っております。
 GDPデフレーターのマイナス幅は拡大いたしましたが、内需、国内需要のデフレーターだけを見ますとプラス0.5%です。
 単位労働コストは0.3%のプラスに転じました。
 それから、明るい動きとして、雇用者報酬が前年比で1.4%の伸び、これは1人当たり賃金が1.4%のプラスということですので、デフレ脱却に向けて一歩進んだと見ております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)景気認識として、踊り場的な状況が続いているという一方で、かなり強い成長が出ているのですが、その辺りのギャップについてはどう思われますか。
(答)月例で判断する時は常に足元を見ますので、1-3月期というよりも3月のデータを見ております。そういう意味で、機械受注の動き、設備投資の今回のデータを見ましても、やはり横ばい状態にあるということについては見方を変えておりません。
(問)景気は横ばい状態ですね。
(答)はい。横ばい状態にあるという見方は変えておりません。
(問)先ほどのデフレ脱却の御発言は、上方修正ということでしょうか。
(答)上方というよりも、別に上方、下方というものではないと思うんですが、デフレ脱却が長く足踏み状態が続いておりました。しかし、ここへ来て、単位労働コストがプラスになったということ、雇用者報酬の1人当たり賃金が上がってきているということ、国内需要のデフレーターがプラスになっていることを見ますと、デフレ脱却に向けて今回のデータは一歩進んだことを示していると見ております。
 ただ一方で、国内の食料品とかガソリンの値上がりによって、消費者マインドは悪化しておりますし、家計にとって負担になっておりますので、全体の動きはまだ慎重に見ていかないといけないと思っています。
(問)四川の大地震について、外需への影響が強いということですが、どのようにごらんになっていらっしゃいますか。
(答)まだ中国地震の全体像が明らかになっておりません。懸念しながら見ておりますが、今の時点では影響については何とも申し上げられません。
(問)先行きは慎重に見ていかなければならないと発言されましたが、どの辺りの部分をこれから慎重に見ていかなければいけないとお考えですか。
(答)アメリカ経済減速の影響が企業部門にじわじわと出てきております。特に生産、設備投資といったところにじわじわと影響出てきていると思いますので、特にそこを慎重に見ていきたいと思っています。
(問)デフレ脱却に一歩進んだとおっしゃいましたが、デフレ脱却宣言はまだ先だろうと。
(答)まだ賃金の上昇、つまり単位労働コストも1回限りですので、今後の動きというのはまだ注意して見ていきたいと思っています。まだGDPデフレーター自体はマイナス幅を拡大させておりますので、まだ注意して見ていきたいと思っています。
(問)今回、名目の伸びが低かった訳ですが、税収の観点から、プライマリーバランスの黒字化についてはいかがでしょうか。
(答)プライマリーバランスの黒字化については、2011年度までの動きです。歳出削減、それから税収増、そして足りない場合は増税という形で達成させていくというのが政府のお約束したことですので、その程度がどうなっていくかはまた計算しながら追いかけていきます。
(問)政府の経済見通しの実績見込みについて、実質は上回ったけれども名目で下回ったという、その評価は。
(答)おおむね経済見通しに沿った動きだと見ております。実質がやや高かったのは、輸出が想定以上に伸びているというのが背景にあります。
 それから、名目成長率が見通しよりも低かったというのは、想定以上に原油価格が上昇したため海外への支払い分が増えており、GDPデフレーターがその分押し下げられたという理由がございます。

(以上)