大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年5月15日

(平成20年5月15日(木) 19:14~19:24  於:記者会見室)

1.発言要旨

 今、円卓会議が終わりました。

 詳しい議事につきましては、後で事務方のほうから紹介いたします。

 私からは、ポイントだけ申し上げます。

 やはり今日は、まず最初に、原材料価格が上がったりしておりますので、下請取引についてのいろいろな御意見が出ました。やはり、単価を切り下げてくれというような要求が、非常に強いと。それから、経済産業省でも下請取引適正化で「かけ込み寺」をつくったりしていますけれども、実効性があるのかどうかきちんと調べてくれ、なるべく実効性を持たせてくれというような御意見が出ました。

 途中で樋口議長から、論点を書いた─ありますか、お手元に。これが重要なのですが、一番下にあると思うのですけれども。これに沿って、今後の論点について、生産性向上をどうやって進めていくかということと、ポイントは2ですけれども、今後、最低賃金の水準をどう考えるか。何年かかってその水準にしていくのか、達成時期ですね。それから、生活保護水準とか高卒初任給とか、どのような考えに基づくのかという論点が出されました。そして、次回にこの論点について一定の合意を得たいということで、座長から話がありました。

しかし、この出された論点について、今日出た議論だけでも、中小企業の経営サイドからは、「やはり最低賃金引上げというのは給与体系が変わるので、生産性向上を毎年フォローアップしてやるしかないので、目標を設定すべきではない」という、そもそもの議論になりましたし、労働側からは、「目標を決めなかったら今までと同じではないか。毎年1円上げる、2円上げるということをやる、これまでと同じになるのではないか」ということで、平行線の議論がありました。

 私どもとしても、次回、6月に開催いたしますけれども、なるべく合意を得られるように、この6月までの間、私どもも各委員を回って、合意を得られるように努力していきたいと思います。

 官房長官からも、合意形成に向けて努力したいというお話が、最後にありました。

 詳しい発言は、事務方から御報告いたします。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)次回までに合意を得たいということですけれども、今日の議論では、なかなか平行線だったということで、合意に向けてのポイントというのは、大臣としてはどういうところが一番大きいとお考えでしょうか。
(答)まず、今日の時点は、目標設定そのものが望ましくないという意見も出されましたので、やはり最低賃金を引き上げることの意味というのは、これまでも何度か確認してきておりますけれども、やはりそこをもう一度確認しながら、基本的には達成時期をどれぐらいととるのかというのが、一つのポイントだと思っています。  今、最低賃金法が改正されて、生活保護水準より低いところは引き上げていくわけですけれども、これも引上げ幅が一番大きいところで、14円ぐらいでしたか。もっと大きいですね。地域によって、引上げ幅はかなり大きいところもありまして、これも何年かけてそこに持っていくかは、実は決められておりませんので、まずそこに持っていく、そして、中・長期的にあるべき姿に引き上げていくというスケジュールになりますので、何年かけてあるべき姿に持っていくかという、この期間が一つのポイントですね。それから、あるべき姿として指標を何にとるかということが、ポイントになります。
(問)樋口さんのペーパーの中で、最低賃金の引上げについて、考え方、どういう観点でやるかと、「生活保護水準」への引上げ、「高卒初任給」への引上げ、「平均賃金の一定割合」への引上げ、3つ平行して書いてありますけれども、そのうち「生活保護水準」への引上げというのは、もう既に決まっていることではないのですか。
(答)生活保護の中に、一般の生活保護と、働いている人の生活保護、勤労控除を含めた考え方とあります。後で、金額は説明します。要は、最低賃金ですから、これは基本、働いている人の生活保護水準ととらえるのが、多分、適切なのだろうと思います。そうしますと、800円ぐらいですか。相当高いですよね。
(問)先ほどおっしゃった合意というのは、すなわち、中・長期的引上げの基本方針のことを指すという理解でよろしいのでしょうか。
(答)ここに掲げられた論点についての合意です。中・長期的な水準をどう考えるか、上記水準の達成時期をどう考えるか、この目指すべき考え方としてはどれが適切かというような、ここに示された議長からの論点についての合意です。
(事務方)その合意ができれば、それは基本的考え方になるということでございます。
(問)この資料にある基本方針のことなのですか。
(答)そうです。この合意を文章にすると、基本方針になりますので、そういう意味です。
(問)確認なのですけれども、今日の時点では、この出ている目標を文章化するということ自体に対して反対の声もあって、まとまっていないということなのでしょうか。
(答)今日は、これについて、まだ本格的に一番上から議論したということではありません。今日は、議長から、合意形成に向けてのペーパーが出された。それに対して、そもそもこの一番下に書いてある以下のような考え方についてどう考えるかということで、その目標を定めること自体、相当難しいという意見が経営側から出されました。
(問)もし目標を定めないとするならば、どういう結論になるのでしょうか。
(答)これまでと同じになりますので、そこも含めて、また私どもも、合意形成の努力をしていきたいと思います。
(問)次回までに一定の合意形成を図るということ自体については、今日、参加者から合意は得られたのでしょうか。
(答)合意形成を得る努力をする、そこまでは異論はありませんでした。ただ、その合意形成の中身ですね、問題は。
(問)努力するというのと、合意するというのは、またちょっと差異があると思うのですけれども。
(答)それは、合意を目指しますけれども、余りに距離が大きくて、あるいは非常にゆるゆるの合意であれば、それは合意にはなりませんので、私どもも合意形成を目指す努力はいたしますが、6月までに、そこでもう本当に終わりというふうには、まだ考えておりません。合意を得る努力をして、どうしても得られなければ、また開くこともあり得ます。
(問)この間、8月に中央最賃審の議論が始まるとおっしゃっていましたけれども、最終的なゴールは、最賃審の議論がスタートする前というふうに考えてよろしいのでしょうか。
(答)最賃審の議論は今年度の議論で、こちらは中・長期ですから、最賃審議会の議論に余りに近くなりますと、中・長期の話と足元の話が混在してきますので、そういう意味で、できれば6月ぐらいに合意を得ておきたいということです。前回、御指摘いただいたように、本当は年内に取りまとめようとしていた合意ですので、やはりそろそろ6月には取りまとめたいと思っています。
(問)今年の円卓会議では、今年度の最賃の引上げについては、何かしらの意見表明をされるお考えでしょうか。
(答)いえ。もともとこの円卓会議というのは、中・長期のあり方について議論を始めましたので、毎年の最低賃金のことについて議論しようという趣旨ではありませんので、基本的に毎年度のことは最賃審で決めると。だけれども、それに当たってのベースとしての中・長期の考え方を、円卓会議で議論したいということです。よろしいですか。細かい議論は、これから御紹介いたします。では、私はこれで失礼いたします。

(以上)