大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年5月9日

(平成20年5月9日(金) 9:22~9:27  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日の閣議ですが、国土交通白書について、それからミャンマーへの緊急支援について、あとは各大臣の出張の報告がありました。
 閣僚懇談会で格別の発言はありませんでした。
 今日開催します諮問会議は、議題は3つで、第1は国際的人材強化についてということで、高度人材の受入れと教育の国際化について渡海文科大臣、舛添厚労大臣、鳩山法務大臣をお招きいたします。第2はマクロ経済運営について、第3は政府機能の見直しについて議論を行う予定です。
 次回の諮問会議は、14日水曜日を予定しています。今決まっております議題は農業改革について、若林農水大臣をお招きします。それ以外の議題は今調整中です。決まり次第、ご報告します。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)原油の高騰が続いておりまして、最高値を更新しているのですが、景気への影響についてお伺いします。
(答)非常に上がっておりまして、消費者マインドに与える影響、それから企業収益に与える影響を懸念しております。最近の急激な原油高は、ナイジェリアの政情不安もありますし、投機的な要素もありますが、中期的に考えて、構造的な上昇、需給の逼迫という要因も当然ある訳ですので、構造的な取組も必要だと考えております。
 今日の諮問会議でマクロ経済運営を議論いたしますが、その中でも内閣府からは、最近の原油高、穀物高、それに伴う物価上昇に関する資料をご説明することにしております。このエネルギー価格の上昇をシグナルにして、それに合った経済構造を作っていかないといけませんので、構造的な取組を進めていく。具体的には、省エネについての更なる技術革新を進めることですとか、生活全般を低炭素型に、ライフスタイルの変革ですね、そういったものも考えていかないといけないと思っています。
 当面は、経済に与える影響を十分に注意してまいります。
(問)昨日、金融・資本市場ワーキンググループが開催されまして、例の公的年金運用改革の議論がされて、有識者3人の方から、比較的慎重な意見といいますか、全額国債で運用したらどうかという意見も出ており、当初の硬直的な運用体制をもう少し見直そうという動きからかなり逆の方向に来ている感じがします。先ほどの原油ではありませんが、かなりグローバルに物価が上がる中で、全額国債にするということは、経済合理性から言って少し違うのではないかという感じがするし、インフレヘッジとしては、株が一番いいのではないかと思うのですが、大臣自身としては、リスク資産を増やすということについては、どう思われますか。
(答)ワーキンググループの趣旨は、日本の年金資産は積立金の金額が非常に大きいですから、ガバナンスを強化していくというのが最大の趣旨です。運用の中身についてどうこうすべきというのは、ガバナンスを効かせる中で考えていきます。今回のヒアリングも、ワーキングのメンバーとはしっかりおられる訳ですから、いろいろな考え方についてヒアリングをするという趣旨です。
 以前も記者会見で申し上げたように、公的年金の運用については、収益性と安全性をどう組み合わせるかということにはいろいろな御意見があります。したがって、報告の中にも、運用する側だけではなくて、社会保障の専門家の意見も聞いた方がいいのではないかということでヒアリングをしたということです。
 したがって、元よりその報告の中で運用の中身をこうすべきということを強烈に出すわけでもありませんし、今回のヒアリングでそれを変えるということでもありません。基本はガバナンスを強化すると。そして、その運用のあり方については、いろいろな意見をまとめていく。そして、最後は国民の選択だと思っています。舛添大臣も公的年金の運用については見直していく、検討していきたいということは以前に仰っていますので、その検討の材料としてペーパーを出すということです。
 今、国債だけで運用している国はアメリカだけですね。そういう国もあるし、より収益を高めようとしている国もあるということです。したがって、今回のレポートでは海外の例にも学びながら、いろいろな考え方をしっかりと押さえていく。ただし、中心のメッセージはガバナンスを強化するということです。

(以上)