大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年3月7日

(平成20年3月7日(金) 8:43~8:53  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日の閣議は、格別の御発言はありませんでした。
 閣僚懇談会で、財務大臣から空港整備法の一部改正案等の提出に関連して、今回の法律案では成田国際空港株式会社法の廃止に係る部分が除かれたけれども、政府としては資産債務改革の趣旨に則って、成田国際空港株式会社を含む民営化法人の株式の売却を着実に進めていくこととしているので、今後の検討に当たってもこの点を踏まえていただきたいという御発言がありました。
 御発言は以上です。
 来週も諮問会議はございません。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)外資規制が削除される形で空港整備法改正案が閣議決定されましたが、改めて御感想と、今後外資規制についてどう取り扱われるべきかという2点をお願いします。
(答)開かれた国づくりと安全保障をどう両立していくかは非常に大事な問題で、今回の空港整備法の問題もそれを考える試金石になっていきますので、時間をかけてこの点を議論していくことは大変望ましいと思います。これからしっかりと議論していくことが大事だと思っています。
(問)少し日が経ちましたが、10-12月期の法人企業統計が出まして、経常利益、設備投資とも前年同期に比べるとマイナスという結果になりました。この結果について、まずどうご覧になっていらっしゃるか。それからこれを踏まえた上で、企業部門がいよいよおかしくなってきたなという感想を持ちますが、大臣自身の景気認識を改めてお聞きいたします。
(答)アメリカ経済の減速、それから原油高といったことの影響がじわじわ現れてきていると感じております。今後の下振れリスクというのは十分注意していく必要があると。
 その上で景気認識ですが、ここはつぶさに見ていきませんと、例えば生産につきましても、在庫面からの下押し圧力というのはそれほどまだありません。輸出もまだ足元は、アメリカ向けが足元落ちましたが、全体としてはそれほど落ちている訳ではありません。それから、家計部門も1月の消費は比較的堅調に推移しましたので、下振れリスクに十分注意しながら、データをつぶさに見ていきたいと思っています。
 今の時点で景気認識は、この間月例経済報告で示された、回復のテンポは緩やかになっているけれども、回復基調が続いているという認識は変えておりません。
(問)外資規制の問題ですが、日本は閉鎖的だというメッセージを与えるのではないかという心配をされていると思います。今回先送りという決着をすることによって、市場に対してマイナスのメッセージを発する恐れはないでしょうか。
(答)これは先送りということではないと思います。開かれた国づくりを目指しつつ、なおかつ安全保障という大事な問題と両立させるあり方をここでしっかり議論するということです。
 今、一つ一つその大事な例を作っている訳ですね。この問題はどの国も苦労しながらあり方を考えていますので、日本もその問題をここで時間をかけながら議論していくと。一つ一つ例を積み重ねていくという意味で、決して先送りではなく、あるべき姿を議論していくということだと受け止めています。
(問)今日の午後、内閣の方から日銀総裁人事の案が提示ということになりますが、これは日本の国内だけでなくて世界各国からも注目されている動きです。ねじれ国会、民主党の意見が違う部分もあって、なかなかスムーズにいっていないところですが、今の日銀総裁人事のあり方というか、今後の組み方などについて御意見がありましたら。
(答)日銀の総裁人事については、私は存じませんし、これから選抜されていくのだと思いますが、基本は空席を作らないということだと思います。中央銀行というのは経済の不可欠の機能であり、国民生活、企業活動の本当に大事なところですので、決して空白を作らないということが何より大事だと思います。
(問)昨晩、官邸に御手洗さん・草刈さんが来ていました。御手洗さんからは春闘に関する話を総理とされたという話もあったのですが、その辺りと、あと草刈さんが行かれてどういった話をされたのか伺えればと思います。
(答)私も同席いたしましたが、最初いろいろな経済の状況を話し、それから春闘が近い、まさに今春闘を行っている訳ですね。諸般の物価も上がってきておりますので、全体として縮み思考にならないように企業としても御努力をお願いしたいということで総理からございました。御手洗経団連会長も、先日の諮問会議でも全体が縮み志向にならないためには、企業から家計への波及をしっかりすることが、ひいては企業のためにもなるというお話がありましたが、今回も御手洗会長からそのように努力をしたいと。ただ、やはり企業によって差がある訳ですね。大企業、中小企業の間でも差がありますので、そこは我々としても努力したいけれども、企業の中でも差があるというお話がありました。草刈経団連副会長からも同様のお話がありました。やはり中小企業は、原材料高の中で相当厳しい状況にあるというようなお話がありました。
(問)規制改革会議についての話はありましたか。
(答)いえ、それは全くありません。今、草刈副会長は経団連で経営労働政策委員長というお立場ですよね。そちらに関してのお話だけでした。
 物価が上がり、全体として縮み志向にならないようにというのは非常に大事なことです。賃金に関しては、もちろん労使交渉ですので、政府は介入すべき立場にはもちろんありませんし、それを総理は十分にお分かりの上で、全体として少し明るい動きを作っていきたいということでの要請だったと思います。
(問)その場ではお二人に対して大臣から何か要請されることはなかったのでしょうか。
(答)いえ、私からは格別申し上げておりません。
(問)もうじき発表される外貨準備高が1兆ドルを超える模様ですが、そうなると中国に次いで世界第2位になると思います。外貨準備高については、ドル安による資産の目減り、資産を活用してソブリンウェルスファンドの議論が盛り上がっていますが、外貨準備高の規模のあり方について、大臣の御意見をお聞かせください。
(答)外貨準備の適正な水準、規模は大変難しいのですが、一方で為券を発行しているわけですし、規模のあり方はいろいろな角度から議論していく必要があると思っています。規模が大き過ぎるということは、それだけリスクも高い訳ですし、これまでの経緯として積み上がってきているということもありますので、どれぐらいの規模が望ましいのか、議論が必要だと思っております。

(以上)