大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年1月22日

(平成20年1月22日(火) 9:34~9:42  於:記者会見室)

1.発言要旨

 今日の閣議では、格別の御発言はありませんでした。
 閣僚懇談会で、舛添大臣が「希望と安心の国づくり」の国民対話を飯田市でされたということで御報告がありました。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)株安と円高が止まりませんが、それに対して政府として何かなすべきことがありますか。もしくは発信すべきメッセージがありましたら、お願いいたします。
(答)先週来、アジアでも大きく下げておりまして、それを受けてロンドン、ドイツでも同時多発テロ以来の下落率ということで、株の下落が世界的に連鎖しております。基本はアメリカ発ですので、日本でどうこうするということは、今の時点ではなかなか難しいと思っております。むしろ世界的に協調して考えていかなくてはいけないことだと考えております。
 ただ、金融資本市場が大きく動揺しておりますので、今の時点では非常に注意深くウォッチしていくということだと考えています。
(問)今日、金融政策決定会合が行われますが、金融政策についての考え方はもちろん日銀が決めることなんですが、政府としては何かありますか。
(答)この事態は、日銀も認識を共有しながら同じ状況を見ている訳ですから、当然そのことは十分に認識して決定をされると思います。
(問)今日、閣議及び閣僚懇談会で具体的な株安について、意見交換や何らかの対応などの話はあったのでしょうか。
(答)今朝シカゴの先物市場でも日経平均が1万3,000円を割り込んでおりましたし、昨日アジア株も大きく落ちましたので、そのことは私から簡単に御報告をいたしました。ここはしっかりと注意深く見ていこうということでお話ししました。
(問)米国のサブプライムローンに絡みまして、モノライン保険といいますか、サブプライムの損害をカバーする保険がありますが、その保険会社の格付が下げられたという形で、今後の先行きに対して不安を呼び起こす1つの原因のようになっております。この件に関しまして御見解がありましたらお願いします。
(答)そのモノライン保険の状況、どういう会社があり、その格付がどうなっているのかについて正確に把握しておりませんので、今日の時点ではコメントは控えさせていただきます。至急調べてみます。
(問)株価に限らず日本国内の景気についても減速懸念が強まっていますが、国内で景気刺激策の必要性については、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)この間、月例経済報告をいたしました。下振れリスクは確かに高まっておりますが、今データで私どもが把握する範囲では生産、輸出はまだしっかりしておりますし、この間ご報告したように、一部に弱さがあるものの、景気回復の基調は続いているというのが現時点で把握できる限りのデータでの判断ですので、今の時点で景気対策ということは考えておりません。私が決めることではありませんが、今の時点で何かということはまだ必要ないと考えております。
 ただ、繰り返し申し上げておりますように、下振れリスクは高まっておりまして、米国経済、原油高そして住宅投資ですね。この点はこれまで以上に綿密にウォッチしていかなければならないと思っています。
(問)そういう状況の中で、春闘が本格化しようとしてますが、経営側は一応今のところ総論では賃上げについて賛成の立場を採っていますけれども、大臣としてはどういう議論を期待されますか。
(答)これは、労使のまさに交渉でありますが、やはり企業から家計への波及メカニズムというのが非常に緩くなっているのは事実で、これが消費を弱くする背景にもなっております。経団連の労働問題の報告でも出されましたように、生産性に見合って賃金を上げていくのは望ましいことだと考えております。
 ただ、私どもとしても、やはりこの企業から家計への波及のメカニズムというのが、グローバル化の中で構造的に変わっている面がありますし、そこにどういう問題があるのかは少し本格的に、例えばサービス産業の生産性の問題など本格的に見ていく必要がありますので、早い時点で自律型の経済構造への専門調査会を立ち上げたいと思っています。
 もう1点は、賃金全般について言いますと、労働基準法をしっかり守る、最低賃金を守る、中長期的に生産性向上とセットで引き上げていくなど、そういう取組は変えずに進めていく必要があります。
(問)大臣御自身も最賃などの問題も言っていましたが、経営側も総論では賃上げに賛成の中で、やはりパートや派遣などへの分配にはかなり慎重な姿勢なのですが、そこはどう捉えられていますか。
(答)ただ、経営側もだんだん非正規から正規に替えられる部分は替えていくという動きが今始まってきていますので、それは望ましいことだと思っております。政府としても、非正規雇用の待遇が低過ぎる面はないか、この点は社会保険などですね、そういう面は引き続き検討していきたいと思います。

(以上)