大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年11月20日

(平成19年11月20日(火) 9:22~9:31  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日の閣議では、財政制度等審議会の建議について、それから国の審議会等における女性委員の登用の促進について、御発言がありました。
 閣僚懇談会では、渡海大臣から、「希望と安心の国づくり」を横浜において開催したという御報告がありました。
 報告は以上です。
 諮問会議は、26日に開催されます。
 議題は、時間との関係もありますので、今調整中ですが、予算編成の基本方針の原案をお示しします。これはかなり本文に近い形になります。それから、冬柴大臣をお招きして、公共投資改革について議論を行うことを検討しております。
 あと、1点御報告ですが、先週の閣僚懇談会で総理から私に対して、色々な情報を集約して経済動向をチェックするようにという御指示もありましたので、今日の閣僚懇談会でも簡単に最近の経済動向を私の方から発言いたしました。これはごく簡単なものです。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)次回の諮問会議で公共投資改革について議論されるということですが、具体的にはどういう中身を想定されているのでしょうか。
(答)公共投資について、例えば入札の効率化など公共事業のこれからのあり方について、それから道路整備計画も出てきておりますので、それについて民間議員から提案があり、冬柴大臣も交えて意見交換するということになります。
(問)道路特定財源の一般財源化についても議論されるのでしょうか。
(答)道路整備計画についての議論になりますね。
(問)経済の状況について色々集約されるということですが、これは何か特別な体制は作られているのでしょうか。
(答)特別な体制は作りませんが、金融市場、実体経済、更に原油価格といった横断的な状況を把握しなければいけませんので、私のところで情報を集約し、一元化すると。そして、何かあったら官邸とも連携を取り合うという状態です。特別に体制を組んだりということはしておりません。もちろん、情報を集約するために各省と連携は取ります。
(問)株価が1年4カ月ぶりに1万5,000円を割ってきている訳ですが、株価が経済の先行指標だとすれば、今後あまりいい影響を与えないと思うのですが、実体経済への影響はいかがでしょうか。それと、先ほどの情報収集に関係して、昔の株価対策ではないですが、何か政府として打ち出していくということは考えていらっしゃいますか。
(答)まず、後段の御質問からお答えしますと、今の時点で株価対策というような話は全く出ておりません。
 それから前段の御質問については、実体経済にはまだ影響が出ている状態ではないと見ています。今注目しておりますのが昨日あるいは先週末のニューヨークのマーケットで、百貨店の業績見通しが下方修正されたことなど、消費に関連して実体経済にやや減速懸念を表すような動きが出て、それも株安の一因になっておりますので、まずはアメリカで実体経済にどういう影響が出るか、これを十分注目していきたいと思っています。
 特に、日本時間の今夜にアメリカの住宅着工件数が出ますので、この辺りは非常に注目しています。
(問)実体経済という意味で、今年1年間で見た時の首都圏の新築マンションの発売戸数が、このままだと14年ぶりに低水準になるという数字が見通しとして出ているのですが、この辺り景気への影響はあると思いますか。あるいは具体的に影響が出ているのでしょうか。
(答)今全体的に住宅着工件数が落ちておりますので、この影響は出てくると思っております。これだけ下げ幅が大きいと、この間の7?9月期のGDPも0.3%程度押し下げられたということがあります。着工件数の減は進捗状況の減になってGDPに跳ね返りますので、もうしばらく下押し要因になると考えております。需要が減少した訳ではありませんので、そういう意味では、制度的な要因ではありますが、これだけの落ち込みが7月、8月、9月と続いており、建築関連企業の収益、更には設備投資への影響もこれから出てまいりますので、非常に懸念しています。
(問)背景という意味では、建築基準法の一件だけではなくて、地価の上昇となども言われているようなのですが、その辺りはどうでしょうか。
(答)そこはまだ私どもも詳細に分析しておりませんが、やはり基本は改正建築基準法の前の駆込み需要とその後の反動減、そしてそれ以上に大きいのが制度改正に伴う混乱ですね。これがまず一番大きいと思っております。地価の上昇の影響がどれぐらいあるかというのは、もう少しデータをつぶさに見てみたいと思いますが、少なくともそれは全国的な減少ではなく東京都心の一部の減少だと思いますので、全体的な実体経済への影響という意味では、それほど大きくないだろうと思っています。
(問)景気の話で、実体経済に何か影響が出たとはっきり分かる統計は、今のところあまりないかと思うのですが、それでもこれだけ株価が下がるのは、日本の経済成長や構造改革に対する不信感というものがあるのではないかと思いますが、経済財政運営の担当大臣としては、その辺りをどうお考えですか。
(答)その点は、マーケットの期待を含む話ですので、私の方からは何とも申し上げられません。ただ、経済のファンダメンタルズ自体は決して悪くありません。
 構造改革はしっかりと進めていかなくてはいけないものでありますが、必ずしも足元の動きではないと思いますので、構造改革に対する不信感を含んでいるかどうか、何とも申し上げられないですね。
(問)冬のボーナスが一昨年、昨年の冬よりも大幅に減るだろうということで、日銀の単位労働コストも基調判断を修正しましたが、この点について今後の影響をどう御覧になっていますか。
(答)ボーナスが大幅に下がるかどうかは、今日出ていたデータでは0.8%減でしょうか。やはり中小企業の収益が原油高、素材高によって圧迫されているという要因が一番大きいと見ています。賃金にしましても、特に中小企業で上がっていないという状況がありますので、原油高の影響が懸念されるところです。
 経済産業省のデータを見ましても、収益が強く圧迫されると答えるところがだんだん増えてきているのですね、2006年から比べて。中小企業のアンケートで原油高が収益を圧迫すると答えているところが増えてきているわけです。依然として販売価格に転嫁できないと答えているところが8割以上あったと思いますので、ここがやはり懸念されているところです。賃金やボーナスへの反映もそうですが、やはり収益自体が圧迫されてきておりますので、ここは注意しながら見ております。

(以上)