大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年9月26日

(平成19年9月26日(水) 12:18~12:27  於:記者会見室)

1.発言要旨

 引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
 総理から指示を頂きましたのは2つの項目です。
 経済財政諮問会議を活用しながら、持続可能な経済成長の実現に取り組むと。「持続可能な経済成長の実現」というところに下線が引いてございます。
 それからもう一つ、地域力再生機構、これは仮称ですけれども、その検討、公共サービス改革法、括弧して「市場化テスト」と書いてございますが、これに関する事務も担当という、以上2つの御指示を頂いております。
 基本的には、この持続可能な経済成長ということは、成長し続けられる経済を作り、なおかつ財政再建と車の両輪で進めるということだと思いますので、これまでの路線を引き継ぎながら、経済財政諮問会議の運営と経済運営を行っていきたいと考えております。
 地域力再生機構につきましても、これまで研究会で制度設計をして、いよいよ実行段階に移ろうとしておりますので、引き続き進めていきたいと思っております。
 どうぞ、皆様方には引き続きお世話になりますが、よろしくお願いいたします。

2.質疑応答

(問)まず1点は諮問会議なのですが、新しい内閣発足後初めての諮問会議がいつかということと、そのおおよそのテーマをお伺いします。
 それから、8月の貿易統計が出ていますが、市場の予想より少し大き目なのですが、輸出が持ち直してきているのかどうか、この2点についてお願いできますでしょうか。
(答)まず1つ目ですが、まだ総理とお話しする時間がございませんで、民間議員をどうするのかということもお話ししておりません。まずはそれを早急に詰めまして、なるべく早く1回目を開きたいと考えています。具体的な日程は、まだ決まっておりません。予算編成の基本方針が11月末ですので、本当に時間がありません。国会日程を見ながら、なるべく早く1回目を開いて、効率的な運営をしていきたいと考えています。
 それから、すみません、昨日今日は予定が立て込んでおりまして、貿易統計公表は今日の8時50分でしたね。今、認証式が終わったところでまだ地域別の輸出をつぶさに見ておりませんが、これまでもアジアは好調で、アメリカはようやくかすかに底を打ったという程度でしたので、内訳をしっかり見てみたいと思っております。まだつぶさに中身を拝見しておりませんので、詳しいコメントが出来なくて申しわけありません。
(問)昨日、同友会が新内閣発足に当たって提言を出したようですけれども、その中で、「先の参議院選挙の結果を受け、これまでの構造改革に対して疑念を呈する動きもあるが」といった文言を盛り込んだ部分ですが、同友会に限らず、この間の動きを見て、改革路線が後退するのではないかと懸念する人がかなりいると思うのですが、その辺を、大臣自身はどうお考えでしょうか。
(答)改革路線を後退させてはいけない、決して後退させてはいけないと考えています。高齢化とグローバル化を乗り切る日本経済を作るためには、改革に停滞は全く許されませんし、揺り戻している余裕もありませんので、改革路線はしっかりと引き継いでいきます。
(問)ただ、総裁選挙の中で、高齢者医療費負担増の凍結を検討ですとか、道路特財の一般財源化に慎重といった声も出ていますが、小泉内閣から安倍内閣と来て福田内閣で、修正すべき点というのは何かあると大臣自身はお考えでしょうか。
(答)修正というのではないですが、改革や経済成長の成果が行き渡るのには、ややばらつきがあるのですね。地方にはまだ行き渡っておりませんし、それから特に今回の景気回復では、企業から家計への波及が遅れております。
 それから、構造改革だけでもないのですが、企業がリストラをする過程で就職氷河期にたくさんのフリーターが生まれたといったことがあります。これは、並行しながら手当も行っていかなくてはいけないと。修正というよりは、これまで手当できなかった部分にも政策の手を伸ばしていく必要があると考えております。それがジョブカードであり、それから円卓会議を通しての最低賃金の引上げです。経済構造が変わる訳ですから、新しい経済構造に必要な政策というのはおのずと出てくると考えています。
(問)基本路線としては、もう全く変わらないと。
(答)私自身としては、基本路線は変わらないと思っています。
(問)もう1点ですが、財政再建の一方で、痛みに手当といった言葉も出ていましたが、両方というのは可能なのでしょうか。
(答)痛みというのが誰にとっての痛みなのかと思うのですが、財政というのは、誰かへの歳出は誰かの負担なのですね。打ち出の小槌はどこにもありません。したがって、高齢者の負担を減ずるとすれば、それは若い人の負担が増えるということになるわけです。そこは、では高齢者が負担を負えばいいとか若い人が負担を負えばいいというどちらかではなくて、これから本当の意味で議論しなければならなくなってきているのだと思います。これまでは歳出削減しようとすると、それは誰かの痛みだということで削減しないと。では増税するのかというと、歳出削減が先だという議論をずっとしてきたわけですね。その結果が、この累増した国債残高になってきて、そういう状態が許されない段階に来ているのだと思います。
 既に人口は減り始めましたし、債務残高も相当積み上がっていて、このままいくと市場の信認も得られないという状況になってしまいますので、ここでやはり選択をしっかりしていくと。打ち出の小槌はないし、ない袖は振れないことを選択肢の中で示していくのが、諮問会議の役割だと思っています。
(問)新内閣が誕生しまして、大臣も含めて多くの大臣が再任されました。今回の組閣あるいは内閣府について、どのように受け取めておられますか。
(答)私を含めて再任になったことは、よかったなと、ありがたいことだったと思っています。と言いますのは、やはりここからやろうということで、いろいろ構想も持っておりましたし、それをまだスタートラインに立つか立たないかで終わってしまっては、余りに残念ですので、これを実行する期間が伸びたということは、大変有難いことです。
 私が任命されたのは、ちょうど1年前なのですね。1年前の9月26日に安倍内閣が組閣して、ようやくその「骨太」でやるべきことをまとめたところでしたので、まだ道半ばにも至っていない、実行という意味では2合目か3合目だと思っています。福田内閣に移っても再任していただけたことを感謝しながら、その機会を与えていただいたことを感謝しながら、実行していきたいと思っています。
(問)内閣について、全体としてはどのように受け取めておられますか。
(答)全体としましても、それぞれに構想をお持ちで政策に取り組み始めたところですので、再任されたことで、この政策の継続性を発揮されると思います。1カ月では短か過ぎますよね。

(以上)