大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年9月14日

(平成19年9月14日(金) 17:43~18:07  於:記者会見室)

1.発言要旨

 ただいま、月例関係閣僚会議が終了いたしました。
 今月の判断ですが、「景気は、このところ一部に弱さがみられるものの、回復している」としております。先月は、「景気は、生産の一部に弱さがみられるものの、回復している」としておりました。表現を変えましたけれども、回復基調にあるという判断は変えておりません。
 表現を変えました背景として、まず生産については、依然として弱さが見られますけれども、新潟県中越沖地震の影響を差し引いて考えますと、逆に持ち直しの兆しが見られます。かわって設備投資に弱さがありますが、これは法人企業統計季報の中の非製造業の数値がマイナスですけれども、その他の設備投資関連の指標を見ますと、弱くありません。したがいまして、一時的なものにとどまる可能性が高いと見ております。このようなことを勘案いたしまして、景気回復の基調はしっかりしたものであるという判断をしております。
 先行きにつきましては、この回復基調が続くと見ておりますけれども、アメリカ経済の動向、それから原油価格の動向が国内外の経済に与える影響については十分に注意が必要であると考えております。
 今日の閣僚会議につきましては、1つだけ御発言があっただけです。
 渡辺大臣から、最近の世界の金融市場、それから為替市場の動向をしっかりと見て政策判断をしてほしいという御意見がありました。ほかにはありませんでした。
 それから、今日は総理は御欠席でしたけれども、会議は開かれました。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)設備投資については今お話があったんですけれども、個人消費の方が足下を見るとやや消費総合指数も弱い動きが見られるんですけれども、この辺については一時的なものと現時点で御判断されているのか、あるいは先行き更に持ち直していくというふうな見通しをお持ちなのか、その辺については。
(答)まず、消費につきましては、御指摘のように消費総合指数がこの2カ月若干マイナスになっておりますが、判断は変えておりません。
 内閣府の資料がお手元にありますでしょうか。落ち込みの原因を見たものが8ページの右下です。御覧いただきますと、外食、衣類、エアコンといった天候不順の影響を受けやすいものが落ちており、一時的なものだと、天候要因によるものだと見ております。
 ただ、消費も持ち直しているとしておりますけれども、いまだ天候要因に左右される弱さを内在しているというのも事実だと見ております。
(問)先行きのリスクのところなんですけれども、今月は「アメリカ経済が内外経済に与える影響等には留意する必要がある」というふうな言及がされているのと、あと足下、原油価格がかなり上がってきているというところで、その辺先月もしくはその前と比べるとかなり先行きのリスクが高まっているようにも見受けられるんですが、その辺についてはどのような御認識でしょうか。
(答)原油価格については、これまでもリスク要因として指摘してまいりましたけれども、アメリカ経済については今月から入れております。サブプライムローンの問題がアメリカの実体経済にどう影響を与えるかはまだ見えてきておりませんが、住宅投資の減少が個人消費にじわりじわりとどの程度影響を与えてくるのか、足下の雇用のマイナスが今後消費にどう影響を与えてくるのか、それから、企業の資金調達が今後企業の設備投資に影響を与えるのかといったような点は、これから十分注意しなくてはならないと思っておりますので、先行きに加えてあります。
(問)個別項目の判断に関してなんですが、設備投資は、大臣も御説明になりましたように、法人季報の動きを見て表現が下方修正になっているわけですが、全体の判断としては変えていないと事務方からの説明はありましたけれども、4-6月期のQEで成長率はマイナス修正になっている、そのあたりはどういうことなのでしょうか。
(答)4-6月のQEにしましてもこの設備投資、法人企業統計季報の非製造業がかなり反映しているということがございますが、ならしてみますと決して低い成長ではありませんので、足下の状態としては基調判断を変えるには至らないと判断しています。
 それから、生産は、新潟県中越沖地震を取り除けばやや持ち直してきていると。IT関連にしましても、生産、出荷が2カ月連続で伸びておりますので、IT関連の生産調整はやや立ち直りの兆しが出てきております。ということを勘案しまして、全体として基調判断を変えておりません。
(問)倒産の指標が増加傾向にあるというふうに、下がっていますけれども、この要因をどう見ていらっしゃるかということと、地方の中小企業あたりに原材料高の影響がかなり出てきているというようなことなのか、その辺の判断をお聞かせいただけますか。
(答)倒産が緩やかに増加しておりますけれども、特に小規模の企業で倒産が増えております。その背景を、ヒアリングなどで把握しますと、今御質問にもありましたように、原材料価格、原油価格、素材価格の上昇を販売価格に転嫁できていないという要因が挙がってまいります。これも原油価格の動向に注意しなければいけない一つの大きな要因です。徐々に、小規模企業、中小企業を中心に、素材価格、仕入れ価格の増加を転嫁できない厳しさが現れてきている可能性が十分にあります。
(問)2次QEの下方修正などを踏まえて、民間エコノミストの間では足下の景気は踊り場なんじゃないかという見方が一部であるわけですけれども、今回の月例の判断を踏まえて、現状で踊り場なのかどうかということについて、改めて御認識をお願いします。
(答)今の状態は踊り場というふうには見ておりません。まず、IT関連の生産につきましても、国内の生産に限られておりまして、世界的な需給の軟化ではありません。国内にしましても、新潟県中越沖地震の影響を差し引けばやや生産、出荷がこのところ持ち直してきておりますし、出荷・在庫ギャップは依然マイナスですけれども、そのマイナス幅を縮小させてきておりますので、これは立ち直りの兆しがあると見ております。それから、消費も一時的な要因である可能性が高いですし、そういう意味で今踊り場にあるとは見ておりません。

(以上)