大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年8月3日

(平成19年8月3日(月) 10:38~10:50  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 まず閣議ですが、今日は労働白書についての御報告がありました。発言はこの1件です。
 閣僚懇談会では、台風第5号についてと、予算の概算要求基準が8月10日に閣議了解ということについて官房長官から御発言がありました。10日がシーリング閣議ということですね。
 閣議の報告は以上です。
 諮問会議ですが、来週6、7、9日の3回開きます。
 簡単にお話ししておきますと、経済と財政の結び付きをしっかりと持たせるというのが諮問会議の役割であるわけですね。以前は、マクロ経済と関係なく―と言うと語弊がありますけれども―予算や税制が決められていたと。これについては、諮問会議として、やはりマクロ経済をしっかり踏まえた形で予算編成が行われるようにしようということで、2、3年前からその予算の議論に入る前に、経済の動向をしっかり押さえておこうという仕組みを作りました。
 そのために、まず予算編成の議論に入る際に、19年度経済見通しの年央改定、つまり1月に出した見通しの数値の改定を行います。それから、予算は来年度についてですから、来年度の経済についても、ある程度の想定を置く必要があります。したがいまして、20年度のマクロ経済の想定というものを出します。
 ただ、今の夏前の時点で来年度の経済を見るわけですから、かなり不確実性があるということで、この20年度の見通しは民間議員の資料という形で想定値として出します。それから、これまでの経済の分析として白書の報告をすると。この3つのことを議論した上で、来年度の予算編成に入るというプロセスを作っております。
 したがいまして、6日は、今申し上げたこの3つ、すなわち白書と19年度の年央改定、20年度の想定値をお出しした上で、民間議員から予算の全体像の提案があります。それから、その翌日7日の諮問会議で、予算の全体像を諮問会議として取りまとめます。同時に、この7日に尾身大臣から概算要求基準の御説明があります。そして、9日にこの概算要求基準を諮問会議として取りまとめる10日がシーリング閣議というプロセスになります。
 それから、議題としましては、7日は、地域力再生機構、私のところの研究会で議論してきました地域力再生機構について、その中間取りまとめをご報告することとしています。増田座長に御出席いただきます。その際は、関係大臣として、山本大臣、渡辺大臣にもご出席いただきます。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)一つ確認ですけれども、諮問会議はシーリングの閣議の前に3回やる。
(答)そうです、6、7、9日ですね。
(問)ということですね。
(答)はい。
(問)9日の諮問会議の中身というのは、概算要求を諮問会議として取りまとめると。そのために1回やるということですね。
(答)はい、そういうことです。
(問)わかりました。
 赤城大臣の退任のことについて、この前の閣議会見の後のことだったので少し日が経ちましたが、お尋ねいたします。自民党内あるいは全般的な報道ぶりを見ても、非常に遅きに失した人事だったのではないかという指摘が上がっております。改めて、この点について、まず大臣のお考えをお尋ねいたします。
(答)総理と赤城大臣がよくお考えになってのことだろうと思います。やはりこれを機に、国民から見て政治資金というものが透明で、私たちが見て分かる形にしてもらうことが重要なのだろうと思っています。
(問)月例経済報告で繰り返し指摘される先行きリスクに関してですけれども、アメリカで例のサブプライムの問題が改めて関心が高まって株価が急落し、世界的に波及しました。あるいは原油価格が最高値を更新するという動きも出てきております。改めて、景気の先行きのリスクに関して、特に米国経済と原油価格の問題についてどう見ていらっしゃるか、お尋ねいたします。
(答)アメリカ経済は、実体経済と金融を、少し分けて考える必要があります。サブプライムの問題は、前に話題になった時は、中古住宅の購入がさらに減るという実体経済面の影響が懸念されたわけです。それはそれほど大きくないということだったわけですが、今回は金融面に波及していると。つまり、そのローンを組み込んだファンドの問題として出てきておりますので、この金融面での影響がどれぐらい実体経済に波及してくるのかというのが、今注目されるところです。
 これについては、ちょっと今の時点でまだ何とも予測できません。ヨーロッパにもその影響が出てきておりますので、もう少し注意して見る必要があると考えています。
 他方、実体経済への影響では、住宅投資が依然としてまだ減少しておりますけれども、少し底を這っている感じがあります。日本への影響を見ますと、アメリカへの輸出がややここに来て持ち直したと。と言うか、自動車の輸出が底を打った感があります。
 したがいまして、今日発表される雇用の数字など実体経済については、まだそれほど悲観的になる必要はないかなと、依然としてソフトランディングの可能性はしっかりとあるというように見ております。もちろん金融面の影響については、十分注意しなくてはいけません。
 それから、原油価格については、ここに来てガソリン価格も上がってきましたし、懸念されますね。中小企業への影響、それから消費やガソリンへの影響など、少し注意して見ていきたいと思っています。また、これが物価にどういう影響を与えるかということについても、一方でだんだん食料品の物価も幾つか上がってくるなどで需給の逼迫の影響が物価に表れてきている中ですので、こちらの方の影響も注意が必要であると思っています。
(問)政治資金規正法の話なのですが、1円から出すべきだという議論、それはやり過ぎだという議論もありますが、大臣自身はどのような御所見をお持ちでしょうか。
(答)1円がいいのかどうか、私は政治資金には関係していませんので、そこのバランス感覚がよくわからないですね。実態を出しながら、幾らがいいのかが見える形で議論していただきたいと思います。
(問)改めて改正されるということに関しては。
(答)いいことだと思います。
(問)先ほどの原油価格の上昇の影響についてなのですが、経済と物価に与える影響それぞれについて、もう少し説明していただけますでしょうか。
(答)原油価格が上がり始めてもう長い期間になりますが、今までの時点では、全体を見ると売上げ増で吸収するということがあるわけです。これは、やはり中小企業にはそれなりに影響があります。最終価格の上がり方の度合い、つまり、最終価格に転嫁できるのかどうかというところでダメージが違ってきます。少し食料品中心に価格が上がり始めてもいますので、ここで転嫁がスムーズにいけば、物価も年後半にやや上がってくるということになります。転嫁できない場合に中小企業にどういう影響が出るかは、やはり注意が必要であると思っています。
 一時、消費者物価の上がっている中身として、原油価格の影響、ガソリン価格の影響が結構あったのですが、それが少し収まっていたのですね。それがまた今後少し出てくるかなと見ています。
(問)予算編成なのですが、厳しい歳出削減をという指示を尾身大臣に総理がされていて、これから本格的議論に入るのですが、一方で格差問題とか少子化に対する対策等支出が必要な分野も多いと思われます。その辺りの予算配分の考え方なのですが、大臣自身この議論の中でどういう形でまとめていきたいとお考えですか。
(答)基本は、もう「骨太方針」ですね。そこに書かれたように、やはり最大限の削減をして、2011年度にプライマリー収支を均衡させるという目標に向かっては、これはもう全く揺るがずにやっていく必要があると思います。次世代にツケを残さないということも、極めて重要な少子化対策でもありますので、次世代のためにも、歳出削減はしっかりとやっていくと。その上で、これも「骨太」に盛り込まれておりますが、医師不足の問題ですとか、新たな課題にはメリハリを利かせるということですね。予算の5原則をしっかり守っていく必要があると考えています。
(問)先日の選挙に関して、参議院で与党が過半数割れということで、まだ先の話になるのですが、人事の面でいろいろ両院の承認人事がありまして、日銀総裁の人事についても注目されています。改めましてこの選挙結果の状況、今後の日銀の総裁人事あるいは金融政策に与える影響についてどのように考えておられますでしょうか。
(答)金融政策は日銀の専管事項ですので、国会が影響するという意味では、恐らく御質問は人事ということでよろしいですね。どういう状況が起こるのか、私も分かりませんが、良識の府としての判断を示していただくということだと思うのですね。
 与野党逆転しても、その議論はすべて国民に見えているわけですし、そこは与野党ともに、良識で議論していくと。という以外、今の時点では申し上げ様がないですね。

(以上)